第40話 会いに行きましょうか
「それでリントヴルム、どこにいるの?」
「ふむ、やはりアヤツ自分で作った空間、通称、亜空間に閉じ込もっているようだ」
それって此方から会いに行けるようなものなのかな?
でも少なくてもリントヴルムは会いに行けるような口ぶりだね、それって空間と空間を繋いで違う空間に行くってことでしょう? そんなことが本当に出来るの?
まぁリントヴルムだから……。
「さて、善は急げだ! 早速ことらから会いに行くぞ!」
「ちょっと待た!!」
そこに待ったが掛かった、そう成り行きを真剣に見守っていたギルドマスターだ。
「お前は本当に何者なのか、それは気になるが百歩譲ってそこは今は置いておこう。だが、ベルフェゴールに会いに行くだと!? 更に事態がややこしくなるでしょうが!!」
ギルドマスターはもう自分の理解の範疇を超えているために頭がついてこなかった。
だが、一つだけ理解したことがある。
こいつはあの『七公爵』の一人に会いに行くのだと。
それは何としてでも止めなくてはいけない、なぜなら『七公爵』一人を相手にするだけでも人類にとっての危機と言っていい。
今この世界のどこかにいるSSランクの二人の冒険者パーティー、それと数はそれ程多くないSランクの冒険者を全てかき集めても討伐出来るか怪しい存在。
そんな生ける天災が『七公爵』なのだ。
そんな奴に、よりにもよって会いに行くだと!? もし機嫌でも損ねられたら、そんなこと考えたくもない。
「また貴様か、ベルフェゴールに会いに行く事がなんだというのだ?」
「会いに行くこと事態が問題なんですよ、人類にとって理不尽な存在、それが『七公爵』ではないですか! もし機嫌でも損ねたら取り返しのつかない事態になるんですよ!?」
「そんなことか」
リントヴルムはやれやれ、と、首を左右に振ると。
「ベルフェゴールはそんな好戦的な奴でもない、貴様が考えている事のようにはならんよ」
「なぜそんなことがわかるのですか!!」
二人の温度差が凄いな~と私は傍観していたけど『七公爵』ってさっきからギルドマスターが言っていたけどそんなにヤバい奴らなのかな?
でも――
「さっきも言ったであろう、ベルフェゴールは我の友である」
――そう、リントヴルムの友達なのだ。
私が絶対的に安心している要素はそこにある。
それに事前にリントヴルムからベルフェゴールさんについて聞いているけど、どうにも警戒しないといけない人物とは思えないのだ。
だってニートだし。
「そんなこと、そんなふざけたことが、あるわけが……」
「されど言おう、ベルフェゴールは我の友である。それに貴様が幾ら喚こうが結果は決して変わらん。我は会いに行くと決めたのだからな」
「……」
ギルドマスターは暫し沈黙した。
そして目を瞑り、今現在、全ての情報を粗食するような沈黙。
暫し経て目を開いた、それは何か吹っ切れたような、覚悟を決めたようで諦めにも似たような、だが、漢らしい表情になった。
「……、分かりました。フラーゼさん後はよろしくお願いします、私はこの賊どもの後始末をしますのでそちらはそちらで任せるとします」
ギルドマスターは盗賊どもを馬車に放り込んだ。
「どうか、よろしくお願いします」
深く、こちらに頭を下げて街に戻って行った。
「なんか悪いことしちゃったね」
「うむ、我も言い過ぎたかもしれん」
さて、気分を切り替えないと。
でも、リントヴルムが少しでも反省するなんて意外だった、やっぱり根は良い奴なんだ。
「よし、我々も行くとしよう!」
「うん」
リントヴルムが手を縦に振り降ろすと、そこに空間の裂け目が出来た。
ここを通るのだろう。
さて、リントヴルムの友達、ベルフェゴールに会いに行きましょうか。
これで、暫しの間休載とさせていただきます。
もう一つの私の作品の最終回の目途が立つまでは、申し訳ありませんが休ませてもらいます。
ですが、もう一つの作品が行き詰まり過ぎて気分転換にこちらの続きを書くかもしれません。




