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ep1:崩壊した世界

 「あ〜あ、転生するにしてもなんでこんな世界に来ちゃったのかな〜。」

 その言葉は、誰も見当たらない空っぽな世界に、とても虚しく響いた。

************************************


 元の世界での最後の記憶は、古文の授業だった。

 そういえば、古文の授業ってなんであんなに眠くなるんだろ?

 僕はどうやら、古文の睡魔に負けてしまったらしい。

 あぁ。これ怒られるやつだ、って思いながら顔を上げた。


 .......は?


 寝てる間に世界滅んでんだが?

 なんか、ザ・ポストアポカリプスみたいな感じのオフィスで、寝てたんだが?

 一旦、現状確認しよう。

 そう思いながら、とりあえず外を見てみたら、なんかビルが浮いてるように見えるんだが?

 もう、なんか、まあ.....。

 低層階の窓からじゃ視界良好とは言えないから、一旦屋上行こう。


************************************


 屋上のドアはどっか行ってた。

 ていうか、この建物の上半分ぐらいは、結構上の方を飛んでた。

 階段登ってる時に急に空が見えて、結構びっくりした。

 それにしても......やっぱり世界滅んでるな〜。

 これ、絶対人間生き残ってないって。

 もう、あっちゃこっちゃでビルが倒壊してるし。

 あと、ビル浮いてるように見えたの気のせいじゃなかったし。

 あっちゃこっちゃでビルとか鉄塔とか電車とかも浮いてるし。

 それにしてもここってどこなんだろ。

 僕、学校いたよな?

 なんで、でっかいビルの一室になってるの?

 ......まあ、いいか。

 それにしても、めっちゃ晴れてるな〜。

 ビルも道路も、ツタ生えてたり木のせいで割れてたり。


 .......そうだね。

 ここまで世界が崩壊していると、逆にめっちゃ綺麗だ。

 世界がとても大きく感じる。

 なにがあって、こんなことになってるのかはわからないし、これも夢かもしれないけど、こんな綺麗な世界を見れて良かったと思いたい。

 なんか、よくわからないけど泣けてきた。

 ........うん。一回さっきの部屋戻ろう。

 なんかあるかもしれないし。


************************************


 さて、こういうのは案外最初にいた場所にこの世界の手がかりがあったりすると思うんだよな〜。

 この建物、上の方飛んでっちゃってるけど、残った部分だけで十分高いから、探索したら案外いろいろありそうなんだよな。

 お、あったあった。

 これノートだよね?

 表紙に『異世界転生した西園寺(さいおんじ) 棗(なつめ)さんへ』って書いてあるんだけど。

 なになに。

 『この世界は、一度滅んでいます。』

 『ただし、生き物は神の慈悲により、一部が生き残ることができました。』

 『あなたは、古文の授業中に寝ている間に、心臓発作で死にました。』

 『私は、そんなあなたを哀れに思いこの世界に転生させました。』

 『ただし、あなたをそのままこの世界に転生させると、5日以内には死んでしまうので、不老不死とちょっとしたチート能力を差し上げます。』

 『能力の確認は、「ステータスオープン」と念じれば出るようにしておきました。』

 『この世界の能力は、あなたの解釈次第です。』

 『ただし、神が許さない限り、その能力は使えません。』

 『くれぐれも強すぎる解釈をしないように。』

 『それでは、もし会うことがあったら、また。』


 ......どこからつっこも。

 まず、死因テキトー過ぎないか?

 なんで、唐突に心臓発作で死んでんねん。

 僕、別にそういう持病とかなかったよ?

 あと、この世界って不老不死がなきゃ5日で死ぬような世界なんか?

 そんな世界に転生させんな!

 最後!

 ノートとかにまとめるなら、そんな簡潔すぎる内容じゃダメやろ!

 他にもたくさん空きページあるんだから、そこにいろいろとまとめといてくれてもいいじゃんか!

 はぁ!はぁ!

 ヤバい。

 僕に少し入ってるらしい関西の血が騒ぎすぎてしまった。

 ......よし。とりあえず、また屋上(仮称)に行こう。

 能力の確認とかは、そこでやろう。


************************************


 本日二度目の青空の下。

 そういえば、一応人間も生き残ってはいそうだよね。

 ていうか、生き残っててくれ。

 不老不死って、よくよく考えたらほぼ呪いじゃん。

 死ねない。

 暇になっても、生きるのが嫌になっても、死ねない。

 それほど怖いものはないと思うんだ。

 せめて、人間が生き残ってて文明を再建していくのを眺めるっていう、神みたいなことぐらいはしたいよ。

 ......まあ、一旦この話は置いといて、能力の確認をしよう。

 ええと、なんて念じればいいんだっけ?

 え〜。これマジでやるの。

 結構恥ずかしいんだけど。

 それじゃあ。


 「ステータスオープン」

 

 ヴォンという音と共に、目の前に半透明の板みたいなのが出てきた。

 うん、まあ、ザ・ステータスウィンドウって感じ。

 ちなみにこれってさわれたりは......できるんかい!

 なんか重さと温度の無いガラスって感じ。

 ていうか、これ多分タッチ操作だ。

 ええと、なになに。


 名前:西園寺 棗

 年齢:16

 所持能力:創造、不老不死、複製、譲渡


 ......うん。

 名前からして、とんでもない能力なのはわかるんだけど、なんていうか、アバウトすぎない?

 ええと、一旦創造をタップっと。


 能力:創造

 権能:未定


 うむ。わからん。

 多分、さっきのノートに書いてあった通りに、自分で権能決められるってことかな?

 よし、他のスキルも見てみるか。


 能力:不老不死

 権能:生命活動をしなくても生きることができるようになる。


 能力:複製

 権能:手に収まるサイズのものを複製することができる。


 能力:譲渡

 権能:未定


 ......不老不死、微妙に矛盾してね。

 これって、死んでも死ななかったかのように動くことができるってことでしょ。

 あと、多分食事とか呼吸とかもいらないってことだよね。

 食料確保できなさそうなこの世界にはピッタリの能力じゃん。

 このスキルをくれた、多分きっと神さま的なだれか。マジでありがと。

 複製は使い所に困りそうだな。

 「手に収まる」ってどこまでのサイズを指すんだろ?

 あと、そのサイズだと使い所あんまりなさそう。

 そして譲渡も未定か。

 そのうち考えるか〜。

 まあ、これから先は異世界チート確定かな?

 それにしても。

 なんでこんな、滅亡後の世界に来ちゃったんだろ。

 まあ、僕には不老不死っていうチートスキルもあるし。

 せっかくの異世界だし、思う存分楽しむとしますか。

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