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【完結】あの子は剣聖!! この子はエルフ!? そしてオレは操縦士-パイロット-!!!  作者: PRN
6章2節 あの子はちょろい この子の愛 そしてオレは吸いまくる 

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128話 これから世界は変わる

勝ち取った勝利

ひとまずの安息


流れる涙は暖かく


冷たい雨は

まだやまない

 右の頬が痒い。自分の頬を掻こうと明人が腕を上げようとした直後に落雷に見舞われたかの如き激痛がはしった。


「いってえええ!? 体中がいってえッ!!」


 フレックスの使用による副作用かフィラメントで脳のリミッターが外れるのか。どちらにせよ筋肉痛による最悪の目覚め。

 右の肩にもたれかかったリリティアがすうすうと可愛らしい寝息を立てて眠っている。


「リボンが……リボンが当たって痒い……」


 掻きたくても体がいうことをきかない。

 諦めてギシギシと痛む首を回し明人は、周囲を見やった。

 すると、カスタードクリーム色をした垂れ耳の女性が銀鎧を鳴らしながらこちらに歩いてくる。


「ふふ、意識が戻ったか。八面六臂(はちめんろっぴ)の活躍とはまさにこのことだな」


 そう言って、ジャハルは優しげに目を細めると首を傾けた。

 目は僅かに赤く潤んでいてちょいと指でそれを拭う。

 その背後では、複合種たちが盛大に盛り上がっていた。

 堅く手を握り合うカラムと雄獅子。抱き合って笑い、涙を流す鳥羽の女性と馬足の女性。濡草の上でへたり込むに成猫に手を差し伸べるトカゲ顔の男。肩を組んで互いの頬を寄せ合いもっていた武器を投げだす者もいる。


「お母様! 私もいーっぱいがんばったッすよ!」


「偉いわ……えぇ、とっても偉い子よ。……無事で良かった……!」


 ぴちぴち尾っぽの小魚を抱え上げた母、ピジャニアは再会の涙を流して我が子の頭を何度も撫でていた。


「理想郷への神槍の試練にもよく耐えたわね……!」


「いんや、見なかったッすよ? そのかわり――が、たっくさん勇気づけてくれたッす!」


「……?」


 鳴り止まぬ喝采と感涙の声が鼓膜を叩く。

 理想郷への神槍ユートピアーグングニールの一本に背を任せた明人は、頬を緩めて熱い吐息を吐きだした。


「はぁ……また死にそびれたか……」


 言葉の残酷さとは裏腹に愛の籠もった目つきで広がった眺めた。

 本当に見たかったドラマティックなエンディングが視界いっぱいにあふれている。

 幸福と達成感が胸いっぱいに広がって明人は夢見心地に浸った。


「オマエは、魅了が解けたにゃにゃにゅ、にゃにゅ……。こほんっ、ニーヤ様が急停止した際にオマエだけが吹き飛ばされたらしい」


 カミカミながらもジャハルは尾っぽをゆるりと振ってごまかす。

 雨に濡れた頬がぼんやりと赤くなった。


「諦めんなよ……」


「う、うう、うるしゃ――うるさいっ! と、とにかくだ! それをエルエル様と鷹の者たちが受け止めて、下にいた者たちがうまくキャッチしたんだ!」


 それを行った時点では、覇道の呪いは解除されていないだろう。

 それでも皆が協力して助けてくれた。反射的に救った。それがどうにも愛おしくて明人は、なんだか嬉しかった。

 呪いに心を汚されていても本能は抗えない。つまり、この世界に住む種族たちは、のべつ幕なしに優しいことが証明される。


「大団円か?」


「ああ、大団円だ」


「ははっ、なら良しだ」


 そうやって1人と1匹は、雨に打たれるのも気にせずくっくと喉を鳴らして笑い合った。

 丁度そのとき短いスカートから伸びる白い足を繰り出してユエラがやってくる。

 薬師として治療に回っていたのだろう。腰蓑から包帯や薬草が雑に顔をだしていた。


「おっつかれぇ~。はぁあ、ものっそいつっかれたわぁ……」


 んー、と。大きく伸びをすると押しだされた膨らみがたわむ。

 頭上には、透明色の《プロテクト》が張られており簡易傘になっていた。

 見慣れた2つの顔ぶれが1箇所に集まったことで明人は、不意に温かい安心感に包まれる。


「さて、アンタの治療もするからそれ脱いで。そのピッチピチの脱がせ方わからないわ」


「ん? ああ――認識コード840、α型スーツに指示、治療モードに変更」


 明人が流動生体繊維の指示を飛ばす。

 するとパイロットスーツがしゅるしゅると縮んでいく。

 大切な部位のみが露出しないように鍛えられた肉体が顕になり、ボクサーパンツ型にまで収縮された。

 明人の裸体を見たジャハルは真っ赤になって即座に顔を反らし、ユエラはシャープな顎に手を添えてしげしげと観察する。


「いつもきてるけどどうなってんのよ、その服?」


「知らん。着てるオレですらわけがわからなさすぎて諦めてる」


「ふぅん……。ま、いいわ。とにかくその右腕なんとかしましょう」


 そう言って、てきぱきと手際よくユエラは明人の真っ青に内出血した腕を治療しはじめた。

 腰蓑から小さいアロエのようなものをつまみ上げ、口に頬る。それからもぐもぐと咀嚼して手のひらに吐きだすと、それを明人の腕に塗り込んだ。そして、その上に清潔な白い包帯を巻きつける。


「いつつっ……前に治療されたときも思ったんだけど。それ、皆にやってる治療法なのかい?」


「そんなわけないじゃない。普段はちゃんと煎じるわよ」


 きょとんと無垢な表情で彩色異なる瞳が見開かれる。

 きらきらしたエメラルドの如き緑の瞳とくりくりっとした琥珀の瞳だった。


「こっちのほうが楽なの。それにアンタなら細かいこと気にしないでしょ? あむっ、むぐむぐ」


 さも当然のようにユエラは治療をつづけていく。

 また腰蓑から草をとりだすと頬張った。もぐもぐと葉を歯でつぶし、唾液の混ざった生暖かい緑の液体を明人の体に塗りつけていく。

 これがいかつい男、どこぞのドワーフの王であればその鼻を殴ろうもの。まぁユエラならいいか、と明人も頭を縦に振って納得した。

 ここでそろそろ目覚めた直後から気になっていたものに触れるとする。

 濡れ草の上で膝をつき袖に芝を引っつけて座礼している少女が1匹。土下座しているようにも見えなくない。

 座礼の様式と文化と纏った赤い着物は、和と和の融合だった。体勢はともかくとしてとても綺麗な姿勢。いとをかし。風情のある日本の形。


「で、なにやってんの? にゃにゃにゃさん」


 ぴくり。こちらに向けられた三角の耳が僅かに動く。


「にゃ、にゃりがとうございますにゃ」


「ほう……。ありがとうございますにゃ、っていえとはいったが……そうきたかぁ」


 癖のありすぎる口癖。今まで出会ってきた癖のある幼子たちが、明人の頭のなかを駆け抜けていった。

 困ったように眉を寄せてジャハルは、頬を掻いた。


「ニーヤ様は必ずオマエに礼をするといってきかんのだ。我らがなにを言っても動こうとしてくださらん」


 にゃにゃにゃと呼ぶことは諦めたのか、ニーヤ様で固定するらしい。

 ため息混じりに頭を横にふると垂れた耳がはたはた扇いだ。

 地面に額をこすりつける少女に見かねて明人も口を開く。


「あのときもいったけど、全員が被害者なんだよ。だからそんな下を向いてないで、頭を上げて皆に顔を見せてあげるといいよ」


 子供を優しく諭すような口調は、気遣い半分と信頼を築いていない証。

 明人は、久しく化けの皮を被り直す。

 するとニーヤも濡れそぼった絵筆のような尾っぽをピンと立ててゆっくりと顔をあげる。

 明人よりは年下の見た目。それでも年はかなり上だろう。線の細い体を包む丈の短い着物からスラリと伸びるのは、兎ではなく人の足。地面につけた雪のように白い両の手。甲にまるみをもたせトライアングルを(かたど)っている。

 うるうるした彩色異なる灰との焦げ色の瞳からは、今にも溢れんばかりの涙溜まりができていた。


「で、でもにゃ……あにゃたが、にゃーを止めてくれにゃかったらもっとたくさん死んでたにゃ……」


「でもも、すももも、ももも、関係ないよ。オレはオレのために動いただけだ。それに――」


 明人は、右肩ですやすや眠る女性に頬を寄せる。 

 リボンで顔がかゆいためリリティアの髪で掻く。

 冷たく濡れたブロンドの髪は滑らかで柔らかく、うっすらと甘い香りがした。


「リリティアがこの戦争の終焉を望んだんだよ。2つ名同士、積もる話もあるだろうし目が覚めたらお礼をいえばいいさ」


「にゃぅ……」


 それでも気が晴れないのか。ニーヤは短く鳴くと前合わせの向こうにあるささやかな胸に手を添えた。


「納得できないなら思う存分償えばいいさ。まっ、自分の後ろを見ればこれから自分がどう生きるのかの答えはわかるだろうね」


「うにゃ?」


 ぱちぱちと目を瞬かせてニーヤが振り返る。

 するとそこには複合種たちが集合していた。誰も彼もが満開の笑みでにゃにゃにゃの帰還を祝福する。


「にゃに、にゃにゃ様。おかえりなさい」


「ニーヤ様。お辛かったでしょうに」


 父カラムは噛んで、娘ジャハルは噛むことを避けて名前で呼ぶ。


「にゃにゅ……にゃ様。これからまた共に歩みましょう」


 雄獅子も噛む。


「にゃに、やにゃ様。此度こたびの戦、ワーウルフにもアナタにも罪はないのですよ」


 鷹男も噛んだ。


「み、みんにゃ……」


 それを聞いたニーヤは、しどと流れる涙に気づかないのかぼんやりと皆の顔を見渡した。そして、幾ばくかの間を開けて声を上げ泣きじゃくる。

 皆が背を丸めて涙する少女に近づいてその涙を拭う。美しく儚い光景を前に涙もろいはずの明人は、叫んだ。


「誰もちゃんといえてねーぞぉ!! 愛情ってなんだ!? 信仰ってなんなんだ!?」


 怒り心頭中の人間の肩にぽんと小さな手が添えられる。


「まあまあ、ですのよ。本当に素敵な景色ですのよー」


 音もなく近寄ってきたのは、雨あし弱まることのない空へ尻を突き出してふよふよ浮かぶ天使だった。

 それを見たユエラは嬉しそうに長耳を千切れんばかりに上下させて、エルエルを指差す。


「あ、おっぱいおっきい子! エルエルちゃんだったわよね!」


「あ、あはは……名前は合ってますけど、アナタもおっぱいおっきいですのよー……」


 眉をハの字にしてエルエルは、苦そうに微笑む。

 しかし、ユエラは気を汲んだ様子もなく駆け寄って天使の手を握りしめた。


「よかったわね! これで鳥族のアナタも家に帰れるわよ!」


「ソウデスノヨネェー。ワタシモソロソロカエルデスノヨー」


 背についたアクセサリーちっくな羽をぴこぴこ羽ばたかせてエルエルは、嘘をつく。

 視線は明後日の方角を向き、口角がヒクヒクと痙攣している。

 当然、明人は傍観に徹するだけ――……なんか面白いから。

 天使が巨乳天使へと進化した原因である性転換の薬。それを作った張本人が目の前にいて楽しげにはしゃいでいる。

 知らぬが華とはいえユエラも鈍感。体内マナに注視すれば相手の存在がどれほど強大なものかわかるだろうにそれをしない。

 エルエルの複雑な心境と真実を知ったユエラの驚愕の様を思い描く。邪推しながら明人は、暗黒めいた笑みを浮かべた。


「あ、そうそうですのよ。明人様に耳寄り情報をひとつだけ教えてあげるですのよ」


「……ん?」


 ニコニコ笑顔の妖しげな笑み。エルエルがふわふわとこちらへ近づいてくる。

 そして、動けぬ明人の耳元で囁いた。


「おつかれさまですのよ。こんなに素敵な景色を見せてくれた明人様だけにすごくいいこと教えちゃうんですのよっ」


 こしょこしょと耳心地のいい声が聞こえてくる。

 吐息がこそばゆい。明人は、ぶるっと震えて次の言葉を待つ。


「――――」


 それは、天使によるたったの一言だった。

 ビクリ。痛みすら意に介さずに身をよじらせ明人は、唇をわななかせる。

 全身がの毛が総毛立って、青ざめた顔で眼が剥きだしになった。それほど最悪なニュースだった。


「そ、それ……ほ、本当なのか……!?」


 ぷっくりと艶のある唇に白い指を添えてエルエルは、しーっといいながらウィンクする。


「天使は嘘をつかないんですのよっ」


「おう、待てこら。数秒前のオマエの言動を思いだ――っ!?」


 ぷちゅ、と頬に柔らかな感触が当たる。

 それが天使のキスだとわかるのに明人は、数秒の時間を要した。

 そして、天使は濡れてワンピースの貼りついたたわわな胸の前で手を結ぶ。

 眉で切りそろえられた金の髪から絶え間なく水が零れ落ちる。


黄昏(たそがれ)を求む勇者よ。異界の地より参った人間よ。迷える者に祈りと救いの加護があらんことを。ワタクシは、審判の天使エルエル・ヴァルハラ。創造神ルスラウスと共に天界より汝の幸福を願っています」


 天使による神聖なる祈りだった。

 少女の身でありながら神秘的な立ちふるまい。首輪に繋がった天使とは不釣り合いな鎖がチャラりと鳴って、広げられた大きな翼がバサリと羽ばたくたびに光沢を舞わせる。

 複合種たちも唖然と口を開いて唐突な天使の降臨に魅了されているようだった。

 当然ここまで舞台を整えられたらユエラも気づくというもの。


「え……? えええええ!? て、てて、てててて、てん、てんて、天使様!? え、エルエルちゃんが天使様!?」


 雨音を弾いて絶叫、というよりもはや慟哭か。

 複合種たちは一様に頭を抱えた。


「だ、だって――!! あえ……? あ、そっか! なるほどね! 天使ちゃんがエルエル様なのねっ! うん、納得っ!」


 錯乱して一人芝居をはじめるユエラをよそに明人は、微かな寂しさが胸を締めつけを覚えて、思う。

 役目と責任を終えたエルエルは、きっと帰るのだろう。天使は地上への干渉を避ける。だから、もう会うこともない。

 世界を跨いだ人間にとってエルエルという存在は、誰よりも身近だった。

 それはきっと右も左もわからない異国の地で、さらに異国の地よりやってきたものと出会ったかの如き親近感だろう。

 誘いの森に同居する慣れ親しんだ者たちと離れ、エルエルと共に過ごした時間は大切な思い出だった。

 ぽっかりと心に穴が開くような虚無感。不意に別れを惜しむ感情が堰を切ったように襲ってくる。


「なあ、エルエル」


「はい? ですのよ?」


「ありがとう」


 明人の口から飛びだした礼が意外だったのか。

 エルエルは一瞬だけ驚いた表情をしてすぐに頬を緩める。そして、素足で下生えの上に降り立った。


「こちらこそですのよっ。素敵な物語を見せていただけて幸せいっぱいですのよっ」


 フランス人形のようにちょこんと体を傾けてお礼を返す。

 雨は、天使を見上げる明人の顔を叩いた。


「また会えるかな?」


「ふふっ、きっと会えますですのよ」


「そっか。楽しみだ」


 神より賜りし宝物(アーティファクト)に頭を預けシャワーを浴びながら人は、笑む。

 そんな様子を満足げにトントンと踵を鳴らして胸を弾ませ天使は、羽ばたく。ふわりと浮いた先にあるのは大きな神々しい光の輪。


「それでは皆さんにも審判の天使よりささやかながらの幸福を祈らせていただきます」


 丈の短い清楚なワンピースは、威厳のある法衣へと形を変えていく。

 手には天秤がもたれており審判と呼ぶに相応しい美しさをまとっている。


「神は、この大地に住まうすべての種が救われて、豊かな繁栄を気づき、真理を知ることを望みます。忘れないで下さい。我々天上の民は、決して種の命を軽んじることはありません」


 天秤を掲げて光の輪へとエルエルは吸い込まれていく。


「さようなら……。愛しき者たちよ……」


 この場に審判の天使の言葉を疑うものはいないだろう。それほどまでに自愛に満ちた祈りだった。

 それを最後に光の輪がすぼまって消えてしまう。

 ざらざらと降りしきる雨は、まだ止まない。

 しん、と。水を打ったように種族たちは静まり返る。すべてのものが天使の去った今でも手を結んで信仰の祈りを捧げていた。


「…………」


 天使を見送った明人は、薄墨を垂らしたような暗雲を見つめる。

 戦争はまだ終わりではない。救済の導、ティルメルの言葉が真実であれば今頃エルフ領土に危機が迫っていることだろう。

 しかし、体はどうやっても動かない。重機は静かに暖気して、剣聖は夢のなか。自然魔法使いもおくびにもださないが恐らく無理をして気丈に振る舞っている。

 それでも明人の心は穏やかだった。

 ひと繋ぎの空の下で、信頼の友へと語りかける。


「後は任せたぞ。ヘルメリル」


 (いくさ)は、まだ終わらない。


6章2節 あの子はちょろい この子の愛 そしてオレは吸いまくる END

NEXT 6章EX そして私は語らない につづく




語らなかったから語ってしまう語るSSのコーナー 2本立て

……………

「ね、ねぇ! ど、どど、どうしよう!? いっぱい失礼なこといっちゃった!」


「まだやってたのか……」


「あわわわわわっ」


「天使ってそんなに悪逆非道なのか? 無能の癖に年功序列とかを武器にしてぶつくさうるさいのか?」


「な、なんかすごい負の感情がこもってるわね……」


「たぶんエルエルはそんなこと気にしないさ」


「そ、そうかな?」


「まあ、性転換薬飲んだのアイツだけどなー」


「にゃっ!? ま、まさかアンタ天使様に飲ませたの!?」


「知らなかったのか?」


「あ、ああ、あたりまえじゃないっ! アンタが興味本位で飲もうとしてるのかと思ってたわよ!」


「誰が飲むか! 未使用のまま大事なものにさよならバイバイしてたまるか!」


「ど、どうしよう……。100年くらいで戻るけども……」


「はっ? はあああああ!? いち人生分じゃねーか! 死体になって性別戻るとか土葬だったら大変だぞ!?」


「あ、でも……100年程度なら許してもらえるかな……」


「もうやだ。この実質無限に生きるヤツら……」



○○○○○



「ただいまですのよー」フヨフヨ


「おかえりなさい、エルエル。って、なにその胸……?」


「騙されて性転換したですのよんっ!」プルン


「んなっ!? まさかあの異世界の男……そこまでやるとは……」


「グルドリーよりもぽいんぽいんですのよー」クルクル


「……このクソチビ上司」ボソッ


「なーにかいったですのよぉ?」


「いえ? とにかくその鬱陶しい語尾は一体なに?」


「あ、あー……癖になってしまったですのよ」


「なぜ語尾なんかを変えたの?」


「油断を誘うためですのよ。まあ、あのお方相手は無意味だったですのよ」


「でしょうねぇ……。まさか天使すら利用するとは……」


「おっ、グルドリーも明人様の洗礼を受けたのですのよ?」


「ええ、まあ……。でもそこそこに面白かったわ」


「渡さないですのよー」


「好きにすればいい。きたる日にあの壮絶な力は必要になるかもしれない」


「ですのよ……」シュン


挿絵(By みてみん)

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