13‐3
「地上に降りたい」
俺は抗議をすることにした。
俺の言葉にリリエルは不思議そうな表情をする。
「何故ですか?」
「勉強の毎日だから」
「刺激が欲しいということですか?」
「そうとも言う」
俺の言葉にリリエルが考え込み。
勉強ですと言った日からリリエルが教師として俺に勉強を教えてくれている。本を手に眼鏡をかけて。
まあなんて言うか。良いね。素晴らしい。天使のくせして教師みたいに教えてくれるわけだ。スーツ姿なら完璧だった。
リリエルは考えが決まったらしく。
「分かりました。ご主人様。では、今日は地上に降り立ちましょう」
「良いのか?」
「ご主人様の命がすべてですから。ご主人様が勉強したくないと言えば、今すぐにでも本をすべて燃やしますが」
「そこまではしなくて良いぞ」
なんとまあ、極端な考えだ。
リリエルはどこか極端なところがある。それでいてポンコツ。と思えばそうでもなかったり。良く分からない奴だ。
リリエルは俺の言葉にそうですかと呟いた。
「では、行きましょう」
そして手を地上へ向ける。
そんなリリエルに俺は聞いた。
「どこに行くんだ?」
「別の神の天界です」
「別の神の天界? 大丈夫なのか? 俺が別の神の天界に行くのは。というか、地上に天界があるのか? 天界はすべて空だろ」
「いえ。地上に天界があります。そして大丈夫です。ご主人様は創造主様ですから」
「そうなのか?」
「はい」
天界はすべて空にあるわけじゃないのか。
というかそれは天界とは呼べないな。まあ、神様が住む家が地上にあると思えば、何一つ可笑しくはないの、かな?
良く分からないけども。
「それは何の神なんだ?」
「月の神です」




