13‐4 海の女神3
「うまくいかない」
彼女はそう呟く。
それは仕方のないこと。
床に書かれた魔方陣は転移魔法そのもので間違いないはずだ、と彼女は信じている。何故なら教えてくれた親友は神なのだから。
だから何が間違っているのか分からず。
そんな彼女に対して、神は小さくつぶやき。
「魔方陣を覚え間違えているかもしれません」
「え!?」
「冗談です」
そう言って、神は口に手を当てて笑った。
「おそらく、あなたの魔力が原因でしょうね」
「魔力? 魔力でそんな変わるの?」
「はい。ドラゴンが火を吹き、エルフが風を操るなど、などそれぞれの種には得意な魔法があります。その差は伝統なども深く関わりますが、魔力が違うと言われています」
「そんなこと知らなかった」
「おそらくあなたの魔力は水より何でしょうね。闇よりですと転移魔法が得意なんですが」
「どうすれば良いの?」
「どうしましょう」
神はそう言って、困ったように頬に手を当てる。
そんな神を彼女はじっと見つめ続けること数十秒後。
神がそうですねと呟いた。
「もういっそのこと、私があなたを送れば簡単なんですが」
「ならそれで良いよ!」
「ですが、教えるのも問題ですが、これはそれ以上に怒られそうで」
「大丈夫。大丈夫」
「一体どこを見て大丈夫と思ったのですが。脱獄しようとしてるくせして」
「脱獄じゃない。脱獄じゃない。ちょっと外に遊びに行くだけ」
「あなたは本当に楽観的ですね」
神はため息交じりにそう言った。
そして手を向ける。
「まあ、良いでしょう。一緒に怒られましょう」
「うん!」




