終章~再会と~
目を覚ます。最悪な目覚めだ。懐かしくてそして憎悪の根元。
久しく見なかったものをどうしてこの時に見たのだろうか
しかしあれは何だったのだろうかと考えてしまう。
大まかには何時もと同じだが少々違う部分もある。
それに対して幾つもの考えが浮かんでは消えていく。
思考の檻に近づこうとするがその時間は直ぐに無くなる。
目覚めてから周囲に感じいた複数の気配を無視しているより先に気になる無限とも見える数の扉が整然と配置されていた。
困惑せずにはいられずこの状況を把握するため一息入れるため吸って。
「うん。必要ないな。なぜならここは場所に非ず。世界とかそう言った概念的思念的。突き詰めれば根源的範囲と範疇から切り離された。そうだな。一種の閉鎖した地点と言うのかね。だからこそこうして相対しているのだけども。それとこの扉は全てただの飾りだよ。目覚めて殺風景は寂しいだろう。これはおまけの様なものだよ。」
手を出して何かを促す。
「さてそれでだ。現実世界では今現在、俺とお前達はの存在は初めから居なかった事にはなっていてな。それであっても鋭いものには擦れとして認識されるだろうけ微細な擦れで納得するすだろう。世界の捻れか。うん。その心配はご最もだけどな世界から切り離しているために影響は、そうだな微細にはあるだろうけど慌てるほどの影響ではないだろうなと。それじゃあこの先の進退を決めようか。一応は決着を着けないと話が進まないからな。てことで始めよう全ての存在を賭けた何かを。と言っているのに先っきから説明の合間合間に攻撃をしようとしない。人の話しは真面目に聞くものだぞ。良かったわ事前に縫い止めといて。」
言葉でなく動かせない身体を無理やりに動かそうとしている。
手足を空間に固定されていたにも関わらず意思の力を持って傷を負わせようとしてくる。
だが見えない拘束に阻まれて手足は僅かにしか動かせない。
隣に座しているその存在もまた。
「ふぶぁあ眠い、お、おおお。はあっはははは数百年振りくらいに普通に話せるぞ人の言葉を。ふひ。嬉しいねえ。え。おえ、おおお、おま、お前は、いや貴方は。いやいや、そんなはず。はない、人間寿の命が長くなろうとそんな長くはできないよな。なのに。ん。なんだっこれはっ。なんで拘束されるんだよっ。誰だよ。てか此処は何処だよ。」
「目覚めて話すことがそれか。嘆きたいのは私だよ。」
「んあ、おお。これはこれはいやはや懐かしいお方だ。耽溺してたからなのかね。表の意識に任せていたからどれ程振りだろうかファエリウム様じゃねえのよ。いや懐かしい。」
何か笑顔や困惑や驚きをして最後に向き合う。視線は真っ直ぐに彼へと。
「さて、何者だい。あの人に似ているけど違うよね。あの人は命を失しているはずだ。だから何者なのかな。答えてくれないかな少年よ。」
目の前に立つ少年は。
「ん、んん。一番に聞きたいのは。あなたがあの二つを合わせたような混成生物のようなものの本来の姿なのか。そんで、先程からいやずっと以前から会うたびに俺に突っ掛かってきたのは、ふはっそうかあの同位個体か。けっかかか。やはりそうなるのか。そうか何時も殺意をもってくるし、意味が解らなかったけどあの意味が漸く理解できたよ。それなら俺としても都合もそれ以外もいいな。」
歯軋りする一人と状況を読めない一人。
「着いてきてくれるかな。なに、この地点から離れたある地点で先客を待たせてるので。まあどう判断するかは任せるしどう行動をとっても咎めも抑止もしないから安心したまえよ。お、手招きいりますか。」
反論しようと身体を乗り出せば拘束は解かれ自由に動けるようになっていた。
しかし攻撃意思を表出すると拘束は即座に行われ自由を一時的に奪われる。
ならば悟られずに命を取ろうとするが糸で絡め取られたように動けなくなる。
という注意事項を受け試したところ実際に拘束と痛覚を刺激され思考が鈍っていく。
苦悶しながら蹲り落ち着かせると思考の鈍さが晴れていく。
理解したかな。という小馬鹿にした言葉を耳にして素直に従うということは矜持に反する。
気付いていた内なる力の一部が漏れでようとしていることを。
一睨みすると。「うおわああああ。」と隣いる半身が悲鳴を挙げていた。
燃えていたのは片割れだった。
急いで消失させたが全身を火傷に覆われ虫の息。
「ん。なんだ。ほら。これでいいか。」
瞬きなどしていなかった。だがその火傷は無かったかのように消えていた。
「驚くなよ時間は有限だからよ。ほら着いてこい。」
先を歩いて行く。
何処へ行こうというのか。不安を抱きながら着いていくしかない。
歩いているのだろうか。走っているのか。感覚が鈍化していた。
移動という概念さえ希薄になっている。
微量に残された感覚的には歩いているような少し速い速度で。
質問は質問で返され濁されていた。
さて。時間は有限であるので。この空間が何かを説明しよう迷われても時間が無駄も甚だしいからな。
空なる虚ろ。
次元を越え隔離された断絶空間。
それ故に様々な影響を一切合切受けることはなく事象の改編改竄改造も思想妄想教養等含めて更には時間さえも捻り切られ個。としての存在さえも希薄していく。
なんて高尚なことを宣っても意味がないな。
根元は知らず、いつの間にか存在しいつの間にか消えていく。認識は出来ずどれ程の才覚を有しようと其所に価値すら見いだせず置き去りになりながらも全てを越えていく。
この空間は空間であってもどの世界や次元にも存在しない。
存在はするけど意味も理由も言葉もない。
何者も何物さえも干渉を赦されない。絶対に赦さない。
所有者に許された存在しか存在を許されない装置。
だから現在所有しているモノが許可しているから全員がこの地点での存在を赦されている。
「と言った位置なのだがね。いやはや。ホントこんなに時間を有するとは思ってもなかった。それと幾つかを混在させた姿を形作ってた素材は弾き飛ばしたから。元の姿を戻しただろ。片割れと言っていた人間。なあ後で名前を聞いて良いかね。今は聞いても消失して消滅して昇天するだろうし。さて二つの約束をしてほしい。簡単だ。それを破らず守ってくれたなら以外は許容するしなにもしない。不殺以外はな。これは絶対に核心的に盲目しても守れ。破れば後悔と破綻を被るから。では到着まで少し掛かるから雑談しようか。僕として、そして俺としての話をしようか。少し、時間が余ったからな。聞き流してもいいぞ。ふうう。さて、何から何を話そうかな。有りすぎて面倒になりそうだな。うん。では話そうか。」
果てしない夢のようなものを見ていた。断続的な夢だったろうと思うが今ではそれを証明することはできない。
それでも自分と異なる生を無意味に歩んでいくその記憶は真実だと認識した。
認識の始まりは痛みと痒み。それと内部から溢れ出す何か。逃げようにも自覚してから定期的に訪れずその何かは内側から確実に器である身体を蝕んでいった。
何れ訪れる命の消失まで。
て何を語っているのだろうか。違う違う。これじゃない。
んんで。自覚は知覚。物心付いた時には親の存在を知らず。側には死にかけの存在。
育ての親だった。
自分を自分と自覚してから徹底的な教育を施された。もしかしたら、それ以前には施しを受けていた可能性も在るかもしれないな。まあ生きるためだろうとは気づいたよ後々でな。
お陰で齢ながら色々な相手に勝ち進んでいった。
負けを初めて経験したのは何時だったのか覚えてはいない。経験しなかったのかもしれないし酷い負け方で記録から消去したのかもしれない。
何れにせよ生きるためにそれこそ命を削るように闘い勝っていった。
最後は心の穴が広がるだけで何も感じなくなって機械のように唯々繰り返す日々。
その終りは当然に舞い降りて終った。
何も、感じなくなってどうでもよくなったから憂いも未練もなく旅に出た。
「お、到着。ようよう。揃ってるねぇ。皆さん。て何をしてんですか。」
着いた場所では複数の存在が何か口論めいた事をしていた。
片や一人と二人が、片や三人が罵りあっていなかった。理路整然と論破しあっていた。
呆れる存在は全員を。
「ではこれにて全てが。そう全ての欠片が揃いました。と、思い、たい。」
「なんでい。ボウズ。全く勢いがねいじゃねいかよ。ここはよう堂々とした態度と言動をいうもんじゃあねえのかい。」
「ん。そうですね。でも数々の思考と様々な行動と諸々の計画は一致してませんよね。だから複数の想定外が起きたのでしょう。」
「ひひ。だからこそだよねえ。時間が掛かったのはさ。」
「それもありますけど、ね。」
「へぇ。それでこの顔触れは一体なんなのかね。」
「まあ見届け人。というか所謂、証人ですよ。」
「ふふふふふふふふ。いやはやいやはや、懐かしい。もう一年近くですか。それとも以上ですか、この位置は。」
「そうですね。貴方は二度目です。さて、後ろで疲弊してるジジイ。なんで傍観を決め込もうとしてるのかな。場所とお膳立てはしたんだからさ。やる気を出そうよ。」
「ほ、ほほほはほ。そうか、やはりのぅ。それが現在の姿形ということか。」
全員が二つを牽制するというより押さえつけた。
「ぐがっ、ぐかぁぁあああぁぁぁぁ。」
「ふがくかかかかか。」
「簡単に話せないように処置しました。まあ一時的ですが。」
「手際が面白いですね。」
振り返る。
「それでは爺さん。ここから、僕は手を出しません。というか何もしません。なので存分に好きに気の済むまで相対してください。」
抑えを解き放つ。
意外にも襲いかかるということをせず、現状を理解するためか手分けして調べている。
ただ見守るのも退屈だとして各々が好き勝手に行動している。
「む終ったかの。」
1つ一人は戻ってくるなり一人を睨み付けた。
「俺を睨んだとして。この空間から出す事はないぞ。命を奪うなら好きにしたら良いけど。存在の保証はしかねる。」
舌打ちして攻撃の意思を止める。
「さて三方には先も言ったとおりで話し合って貰いましょうか。遣り方は自由にしてくれても結構。縛りはない。なんなら舞台を用意しても良い。どうする。」
竦めたり呆然としたり何かを製作していたりと三者三様である。
「言っておくけど、何時までもこの空間に居座るということに許可は出すけど保証は出来ないよ。」
喚く外野。
「ああ、貴殿方は論外です。解放されても問題ありませんから。でもかなり重いですよ。ねえ先生。」
「くく、ええ。そうですね確かに重いです。通常の精神であるなら壊れますね。」
「でも安心してください。皆さんは、捻繰れていますから。おと反論されても本当の事ですよね。見繕っても無意味です。」
二つ一人の方に向き。
「さて存在という命を消費したいならどうぞ。俺としても自由にいてもらっても構いませんからね。ああ自称神とやらは存在が消費されますよ。あ、そうそうジジイ、お前の許可は今現在停止してるから。なに、有利な状況だと話が進まないだろ。有限だからこそ答えがでるもの。対等だからこそ心の鬱憤が吐きやすくなる。さあ話し合って貰おうかな様々な方法で自由に。」
伸びを軽く。
現実では無いのだが、この空間は本当に。
「何も無かったはずで。何を、しやがったぁ。あのジジイ。」
自称神を気取っているだけあるが。
「これは最悪だ。」
広がるは数々のゴミの山々。
匂いはしないが見ているだけでも不快に違いはない。
「実験の果てです、か。むはふふふ。面白いですねぇ。この様な事が可能なれば、世界の根元をも知れるでしょうかね。」
「ううん。それは無理じゃないかな。この空間は空っぽであるだけで無限というわけでもないからね。なので何れは限界がきて、崩落するでしょぅ。て先生。なんでこの場に見届け人として観ていたんでしょ。」
「ええ。それなのですがね。終ったので呼びに来たのですよ。」
「え、早くないですか。もう少し時間が掛かるかと。」
「何を仰いますか、相当な時間を要しましたよ。」
「ああ、なる程、そうですか。なら行きましょう。」
「驚くということは無いのですね。」
「ん。まあ。で決着は着いたのですか。それとも更に拗れましたか。」
「見てからですね。」
返事をして二人は向かう。
落胆した。いや心から引いて物理的に引いた。
何せ、至る所に肉片が散らばっていたのだから。
「何をもってこの状況。」
腐朽はなかったが、見ただけで普通に吐きそうである。
「なあ、誰かこの状況を説明できますか。」
見届け人として残りの方々にも話をふると。
知らん存ぜぬという態度で様々な事をしていた。
クロに聞こうとして指し示された方向を見ると肉片が消失して三つが喚きあって罵ったりしていた。
「ほむ。何やらというべきか、はたまた当然という帰結というべきか、迷いますね。で、何をもって罵りになったのでしょうかね。」
聞こえたのか罵りを止め睨んできた。
巻き込まれるのだろうか。と見ていると胸ぐらを捕まれ頭を掴まれ腕を引かれて椅子に座らされた。
何だ、これは。
という問いに対して。
1つずつの質問を投げ掛けられた。
1つは記憶の齟齬。
1つは正体。
1つは何者か。
三つの中で1つは答えられるが。
他二つは言っていることは違えど意味は同じである。
「其々の質問にたいして持ち合わせる答えなど持っていないし記憶の齟齬。はっ知らないね。その記憶の違いが何なのかは判りかねますがね。話を聞いていないモノに解答を求めること自体が間違ってますよ。それと、決着は着いていないのかな。一人と二つはさ。存分な時間が在ったと思うけど、なんで着いてないのかね。」
「何を抜かすか。貴様は小僧よ。1つ確認だ。何をもって願いを成就させる。」
「願いを、て何の事かな。」
「惚けるな。契約したであろうが。貴様の願いを対価に我との契約をと。」
「へぇ、そんな記憶は無いんだけど。たしか、ああ。記憶の改変でもしたかな。」
「何を。」
「で、1つと一人の質問だけど、何者とか正体とか言われてもな、俺は一人間であって厄介なことに巻き込まれて面倒だなと思っているのだよ。」
何か格下に見たているような言葉に怒りが上ってくるが我慢した。
爆発しては思うつぼだと思ったから。
であるが、本人に他意はないし無意識の癖みたいようなものである。
「それとジジイ、俺は用意すると言ったけど、手伝うなんてのは約束事には入ってないぞ。」
「そうだったか。そうか、ならば仕方なしかっ。」
うぐっ。と全身に強烈な圧と虚脱感がのし掛かり滴り落ちていく汗が何かを語っていた。
視線は足と端に見える存在三つ。座らされていた椅子は消失し見えない何かに身体を縛り留められていた。
「お前は何者だい。俺が聞きたいのはそれだけだ。」
叫ぼうとしても止められているのか出なかった。空気すら出ることなく諦めた。
「さあ話して貰おうか。」
口を開かず。
おいおいおい。問答無用での拘束てのは戴けないよなぁ。質問したのは俺だけどよ。お前の話を聞くまで答えなんぞ出せないての。
それに俺がお前の探している対象を知っているのかはどうでも良いけどよ、関係なかったらどうなるんだて話だよな。
さてその相手に関しては。
無関係だよ。うん。調べた結果。
何処をどうを見て同一人物と思ったのかね。良く見なくても判るだろうが、もしかして見えてないのか俺の顔が。
長い時間を内側に潜っていたからか。それとも別の理由かね。
なら無関係な俺に対しての狼藉雑言なので、今すぐに解放願いたいね。
一撃で意識が飛びすぎ去っていた。
おいおい。今のは危ないなぁ。常人なら命が幾つか消し飛んでたぞ。
驚く。
ぬあなあと意識が混濁した。
これは何時まで続くのかね悪意しか向けれてないけどさ。
仕方ないな。
「くははははは。ぁあ。つまらないなぁ。本当に面白味もない、なあ。存在価値なきお前らは何を話していたのだろうか俺は離れていたから詳細なぞどうでも論外だけどさ、知っていてこの方法ということは、くひっ。何かを知ったというのだろうなぁ。まあそれは脇に置いとこう。で、中心を理解しているかな自称神と名乗る愚かなる存在価値なし共よ。」
と威嚇のように放った気配を感じてか二つ一人は距離をとった。
「おお。そんなに警戒しなくても。一種の殺意に近い意識を込めただけなんだけど」
三者三様。恐怖悲嘆憤怒が向けられた。
「くくくかはっ。それだけの感情を乗せられるならまだまだ先は長いよなぁ。あああ゛早よ終われと幾度も思うよ。でだこの拘束を解いてくれないかね。この先面倒な事に上乗せされそうだから。そう、今、この場にて、決着としようか。」
疲労が本当限界を越えていた。
死んだように眠りたいと拙に願うばかりである。
「最後通告。じゃないけどこの拘束、解いてくれないかな。本当に大変だし。ねぇ。」
二つと一人は頷いて。全力で襲ってきた。
「はあぁぁぁ、しんどい。めんどい。壊したいっ。誰にも邪魔されずに深く眠りたい。もう永眠に近いかもなぁ。」
「ぐぅう。」
「は、はは。」
「し、しひぬうぅ。」
椅子に座りながら疲労が振り切れて倒れそうなほどに顔面蒼白である。
二つと一人は各々が四肢を負傷し見えない何かに縫い付けられていた。
「はははは。と笑うしかないよな。ジジイはまあ論外として自称と巻き込まれは何ゆえ俺を襲うかね。様々に色々と鬱憤溜まってるのはジジイだけだと思ってたけどもよ、なぁ聞かせろよ離れていた間に何があった。その問によっては、解決はしないけど言うだけでも楽になると思うよな。」
要約すると。
早い話が全ての元凶が光魔にありそれなら排除するしかない。という暴論も逃げ出す捻り切った結論を出したのだという。
「全てのという部分とかその前の軽い感じの言葉とか、何を話し合っているのかな、二つと一人。元々の事を思い出そうや。何をもってこの場に同席させたのか。この場までの経緯を考えたら解るだろうが。はあ無駄足も良いところだよ。良くないけど。」
呪詛を浴びせれたが無効にした。
「驚くことかね。この場の支配権は誰にあると。なら簡単に往なすことも消すことも容易いだろ。なあ恐怖したかな二つの下劣な者共さあ。と脅しみたいな態度は駄目だな。そんでだ巻き込まれた存在と決めつけたけど違うよな。貴方は貴女か、てそれは差別になるのかな。恐れなくても結構。俺は悪意などないのでね。提供した立場で決着すらないとは転げ回りたい衝動しかないんだけど。なぁ何をもって俺という個を存在すら消滅させる行動に至ったのかね。」
戒めのような圧二つと一人に放たれ。
「それとよう。事ここに至るなんてのは簡単には帰結しないよな。なら誰が助言した。無意識に侵入したのか、それとも実在に現れ事の真相のように語ったのか。ならどうして一人は除外して二つは素直に呑み込んで従うという蛮行のような事をしたのか。この空間の支配権は所有して尚も憚りさえ無効とする存在は、あれしかないよな。なのにだ。二つはそれに従うか。困惑する一人は本当に巻き込まれただけなのかな。運命と記され、さだめと読ませる風潮が垣間見えるよな。なぁ答えを、聞こうか。」
「お、お前は」
「何処までも知っているとは限らないし。限りあるからこそ知りたいんだけどな。実際、知りたくはない。」
先を征された。
苦痛のような二つと一人。の表情に呆れ果てた。
「ふはは。」
笑いは何を意味するのか。
「ん。答えないのか。答えられないのか。もう別に構わんよ。勝手に覗くから、な。」
深いな不快がなく気持ちよさまである。
「はっ、まっっっっったく。呆れ果てる。影にすら欠片を混入させるか。そうまでして望む願いは壮大か陳腐か。まあ理解する気はない。爆ろよ。現実。」
喚き冷静となり一人を見る。
何も云わず同時に頭部と心臓を貫いた。
が瞬時に修復される。
「はっっっっはっはっはっ。ひっ。」
「どうだ。命の消失を体験した気分は。」
それは現実で理解は光魔にしか有り得ない。
二つに付随する一人は感覚として理解した。
その答えは最初から解っていた。
危険分子として排除するしかないと。
一人二つの回答に全身が漲る力を点と発散することして圧を倒するように必ず命を刈り取るように無限を有限をして拘束と殺伐も共同させ滅ぼしとして混沌を認識させた。
一人二つは理解してこの存在排除を是とした。
様々な感情を消化しながら苦しみをどう与え、最終的に消すことに邁進する。
「はあぁぁあ、面倒くせえな。本当に譲渡した。権利も知識も付随する力さえも。それで何を望むのかね。肥大する願望の行き着く先は歴史が証明してるよな。たしか。」
傾げながら見下すよう更にため息を吐く。
「うん。ならこうしようか。この場での決着は不毛になると見えてるから、外でやろうか。なに。小手先だとか手腕だとか関係なく。知略謀略策略など無意味だと知っておこうか。そうただただ純粋な。力と力での決着だよ。俺が負けたら素直に世界から消滅しよう。勿論、過去現在分岐未來全てを統括して消えるように手筈は整えよう。そうだな。信用出来ないなら、此に宣誓をたてようか。ああもし俺が、まあ別にいいか。それを言ってしまうと縛りが発生するだろうから。さてどうするよ。これに名と血を記して契約となるが。これは確実で絶対で不動な証明書だからな。破ることも逃げるという選択もできない。不退転の約定だ。良く読んで相談して決めてくれよ。俺はそちらの決めたこと。出来るだけ尊重するよう努めるよ。」
事細かに書き記された契約書。
二つ一人は受け取ってその場で破こうとしたがどうしても破くことも砕くことも燃やすこともできず納得はできないまでも内容を読むことにした。
その後に回答する。
目の前で自身の血と名を記した。
「ん。確かに。それじゃあこれで契約成立。少ししたら世界に同期するけど意識を保つように努力してほしい。気を抜いたら暫くは目覚めなくなるから。さて時間だ。」
空間が消失していく。
現実世界へと戻るのだ。
二人と一人はその後に小さな争いというより一方的な殺意を向けられ呆れ果てた一人が二人の首と手足の親指に枷を嵌めて事が終るまで独房へ収監した。
「さて長い1日だな。ふふふふ。現実的には全く進んでいないけど、アレのお陰で肉体より心が悲鳴上げてるわ。まだ資料も情報も集まってないし契約ももう一度読み直さないとだめだし、はああぁぁぁ。戦前交渉なんてするんじゃなかった。提出された議事録は誰が読んでも意味が伝わらない独り善がりだし修正までしないとなぁ。」
自然と肩を落として背も丸くなる。
休まる時間などない。この先には戦争に対する負け確定の裁判が待っているのだ。
がその歩く速度は速く。何処から出したのか端末を操作してその表情は。
壊れていた。
その後施設内に奇声という絶叫が暫く響いていた。