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Heart of 6 〜赤と譲渡〜  作者: 十ノ口八幸
序章~戦地にて回想。後に夢での回想~
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序章~其処までに至る回想~5

何かをしていたんだと思うけど。それでも呆気ない事だろうと思ったのは誰でも考えるでしょうか。


僕達が追っていた。正確には僕だけですけど。その辺りの事は後程話すとして。この時、僕の端末を奪った二人を追う過程で仕事の内の一つの島に向かっていました。

最初は気づかなかったですけど。その島の統治者と会う機会があって、その時初めて仕事の一つと判りました。

だって、膨大な資料の中の一つですよ。

そんなの気づけるわけないし、だから。

泣きましたよ。ええ。外聞もへったくれもなく。衆人環視の中で泣きわめきましたとも。

その後暫くどうしてか意識が次第に失って、気が付くと統治者を含めた人達が何故か土下座してました。

理由は教えてくれませんでした。

この時のその場に居た人達の、僕に向ける瞳の奥から漏れる色々な負の感情が居座っていました。


それと、四方は入ることが出来ないので近くの飲食店で待ってもらってました。

なんか、話が逸れてる。ような気がしますね。

戻しましょう。


さて、僕は奪われた端末の所在を事前に確認していました。

それによると、僕の端末は面倒な事にどうしてか、何でか、理解できないですけど、うん。治外法権の領内から反応が出ていました。

もう、頭が混乱してました。

僕の端末は其処らにあるありふれた安物の品です。

そんなのをどうしてあんな場所に。

マジで、はい。切れました。

少しだけですけど。両腕を掴まれて、突貫しようとしていた僕をその場から引きずって、近くの宿に泊まることになりました。

僕は皆さんの説得を聞き流しながらどうやって奪い返すまでの算段をつけていました。

ですが、僕は、最後には諦めて別の方法を探しました。

あ、言っときますけど端末を諦めたんじゃなく、突貫を諦めただけですから。

あの時、もし強行していたら僕は世界的な重罪人になっていたでしょうね。

感謝はしませんけど。


「で、君。どうするんだい。これから」

「判っていると思いますけど」

「ひゅひゅひゅ。売った者を探しだす。か。まあ、当然の選択だな」

「でも、聞いていたのは僕だけでしたから。」

「心配するな、よく云うだろ。なあ。」

勿体ぶったように皆さんは何かを納得しました。

「邪な道は同じ者に聞くのが一番。てな」

意味が解らなかったけれど、それでも言いたいことは理解しました。

「そんじゃあ。ボウズは此処に居な。あれだけの騒ぎを起こしたんだ。暫くは表を歩かねえ方が良いな。」

「同意ですね。あれは不味いですよ。元主」

「うう。言わないでくださいよ。反省してますから。」

頭を抱え恥ずかしさの余り布団を頭から被って軽く悲鳴を上げました。

「さて、情報収集に行くかな。そんなには時間は掛からないだろうが、まあ、なんだ、心配するな。とは言えねえが、気長に待つくらいの忍耐は身に付けておいて損はないぞボウズ」

そう言ってから皆さんは部屋を後にして収集に向かいました。

僕は布団を被って、気が抜けたのか、知らない間に眠っていました。

この時見た夢が印象に残っていて今でもはっきりと覚えています。


その光景は懐かしくそして腹立たしいことこの上ない。そんな感情が僕の全てを支配していました。

そんなんでも最後には吐き出して、摩り潰して、塵にして何かに封じてから何処かに封印しました。

一息着くと足下がぐらついて、それで、全身が揺すられていると気づいて意識を現実に戻されたし。


目を覚ますと皆さんが思い思いの場所に腰を下ろしていました。

「目を覚ましたか。どうだ。」

「首尾は」

皆さん。笑っていました。

「言ったろ。邪な道は、とな。」

「見つかったんですね。でも、見つかっても物を言えない、なんてとかは」

「安心しなさい。生きてますよ。」

胸を撫で下ろしました。

「で、今は、」

それがですね。と前置きして。

「二人の行方は分かっているのですがね、その」

「そうですか、まあ、それは置いときましょ。」

「気にしないのか。」

「して、何かの糧になるのなら好きなだけしますよ。でも、無駄でしょう。今は諦めましょう」

「いやに、直ぐ引き下がるな。何か考えが」

「あるわけ無いでしょ。取り合えず。お腹空いたんで食べ物を」

「ひへへ。食いモンは用意させている。下へ行くと良いよ。」

「ありがとう。ございます。」


食事処の一角に陣取って運ばれたご飯を片っ端からお腹に詰め込んで行きました。

「しかし、えらい、喰いっぷりだ。それほど空いていたのですか」

「んん。んくんく。ぷはっ。そうですよ食べ物らしいものを食べてないですから当然です。」

呆気に取られる皆さんを他所に僕は食べ続けました。

それは数分で終わりましたけど。

「ふう。食べました。」

「かなりの量を頼んだんだが、全部喰うとはな。」

「あああ。まあ、それは扨措(さてお)いて、忘れない内に一つ、教えて下さい。」

「なにかな。」

「その、分かっているだけで良いんです。可能な限りです。」

「勿体振るのは良くないと思いますがね。」

「そうですね。なら良いですか。あの」

ちょっと間を置いて、

「ふたりの名前を教えて下さい」


空を仰ぐも何も見えなかったなあ。

夜だからね。とかの突っ込みは無しの方向で。

さて、翌日、僕は皆さんに別の情報を収集してもらっている間に別の問題を考えていました。

これは現在進行形で僕の悩みの一つになっています。

備え付けの机に肘を付き、頭を抱えてどうしようかと倦ねていると、あ。そう言えば、宿の近くで爆発があったんだっけ。

原因や犯人は未だに解らないらしいけど、なんだったんだろう。

どうでもいいですね。

僕には全く関係ないですから。

で、窓を隔てて外は薄い灰色に覆われていました。

音と声も聞こえてましたけど、僕は無視して悩み続けていました。そうしたら、

「ボウズ、支度しろ。えらい事になった。」

「なんですか。」

「おう。なんだ、(やつ)れてるな。どうした」

「いえ、気にしないでください。個人的な事なんで」

「そうか。なら早く支度しろ」

「そう言えば何を急いでいるんですか。」

「会談を設けてもらった。今から交渉に行くぞ」

そうやって急かされ、何となく解りながら荷物を纏めて宿を後にしました。


厳重な警備の下、普段は開くことのないと聞いていました。

そんな門が僕を含めた五人を向こうへと招き入れました。

そこは数日前に僕が突貫しようとしていた、治外法権の場所でした。


通された部屋は分かりやすい装飾を施された華美な内装でした。


その中央。椅子に座った獣耳を付けたおじさんと側に立っていた女性。

二人の不釣り合いな光景に錯覚を覚えました。

片や巨駆、片や枝かと思うような細身。

極端な二人を前に僕は深い溜め息をしてしまいました。

なんでだろう。

僕の背後にいた四方は多分、身構えていたんだろうと思います。解らないですけど。

「さて、良く、来て、くれた。」

「ええ。とはい。来ました。というより通されました。」

「うん。そちらの用件は知っている。」

「ならば、だ。手短に済まそうや。」

「そ、うだ、な。じ、間も、ない、からな。」

「それでは簡潔に。我々、というよりこの少年の端末を還していただきたい。」

「そうですか。ならば此方の提示するものは属島鎮圧及び中心構成員の捕縛か拘束。その後に主島政府に引き渡して貰いたい。」

ん。とか思いましたね。

まあ、あの時点で気づくべきでしたけど。

その後は挟む事もできず、右往左往して肩を揺らされて門の前に立っていました。


一つ、腑に落ちないのが、あの二人の僕に対する視線が妙に居心地悪いと云うか、何かを訴えると云うかそんな感情が向けられていました。


「で、今向かっているのが」

「そうです。元主。属島ハン・リイファですね。」

「元大陸とされる東部最大の島の端に位置する元中華大陸。あの島の兄弟島。属島ネルンボ・ヌキフェァ。」

「きりひひ。そこの研究内容は、確か」

「ふう。資料によれば随分と昔に暴動で破棄され、現在は監視のみの島内からの不穏分子流出阻止が主要に。と書いてありますね。これ面倒を全部片付けろと安易にでなく露骨に言ってますよね」

「その口振りからすると、もしかして」

「ええ。この島も入ってますね。」

最大の悪い事だ。

「そろそろ着きますよ皆さん。支度を」

全員で返答して下船の準備をしました。


ハン・リイファ。主要研究は能力の簡略化。もしくは反動軽減。

この二つを主軸に研究されていた。

そう、されていたんです。過去に。

ですが、現在、内戦が激化しそれ処では無くなっているのです。

仕事内容はそれらを上の方が鎮圧して、相手方と交渉。落とし処を見つけて終わらせる。

そう、それが。僕の。仕事の。は、ず、だ。

笑いましたよ。ええ。盛大に。涙が出るほどに。

「どう云うことですか。ね。」

足蹴りにされた一人が後方に控えていた数人を巻き込んで飛んでいく。

「さあ、な。と。俺達は嵌められた。そう考えるのが、自然だろうな。」

「ししししし。同感だ。自分達は簡単には殺せないし。」

「ええ。死ねない。ならば」

「こういう場所に投げ込んで不慮のみたいな事にすれば捗るでしょうね」

「な、なんか、皆さんスッゴい」

「何かな」

「いえ。」

満面の笑顔。でした。

戦慄しましたよ。


「煙が燻る現場。というのも可笑しいですね」

「何を言いたいのかは追及しねえが。ボウズ。これからどうする。」

「そうですね。先に現在の主。と会いましょうか。話はそれからですね。あ、会った人が操り的な人だった場合は規定で殴っても良いですか。いいですね。なら、渾身の思いで殴り飛ばします」

爽やかな表情をしていたと、おもいます。

そうこの時は僕達を襲った人たちを殴りや蹴りで黙らせて、何時ものように拘束して、それで、誰かの端末を使って連絡をしました。

その後、目的地へと足を運んだんですけど、どうやら一足遅かったようです。


だって、その操り的な人を含め画策して、現在の、泥沼な状態に陥れた人は全員、殺されていましたから。

惨たらしく。普通なら吐いていたでしょうね。

なぜか僕は冷めた思考でそれを直視していましたけど。

これはネルンボ・ヌキフェアでの事。

ふぁふあふぁ。眠いので一休みしたら続きを語りたいと思います。

どうしようかな。

眠い。

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