新たな仲間
巨大なフェンリルはこちらを見ている。
鋭い目に俺たちは動けなかった。
だが。
「クゥ!」
子フェンリルが俺の所へ走ってきた。
ルクが驚く。
「懐いてる!?」
子フェンリルは俺の足元で座った。
尻尾を振っている。
「クゥ!」
(助けてくれたから、助けに来たよ!)
テイマーのスキルの1つ、動物言語理解。
子フェンリルは嬉しそうに鳴いた。
「クゥ!」
(いっしょ!)
「……なるほどな」
ルクが不思議そうに見る。
「どうしたの?」
「いや、どうやら、俺たちについて来たいらしい」
俺は子フェンリルを見る。
「えぇ!?」
三人が同時に声を上げた。
その時――
親フェンリルが近づいてきた。
巨大な体からは、圧倒的な存在感だ。
子フェンリルが振り向く。
「クゥ!」
(いく!)
まるで許可を求めているようだった。
親フェンリルはしばらくこちらを見ていた。
俺はゆっくり頭を下げる。
「助けてくれてありがとう」
フェンリルは静かに俺を見つめ――
小さく鼻を鳴らした。
「……フン」
そして森へ戻っていった。
だが。
子フェンリルは動かなかった。
「……あれ?」
カイトが言う。
「帰らないの?」
子フェンリルは首をかしげる。
「クゥ?」
(いっしょにいくよ?)
ガルドが小さく苦笑いし
「着いてくるつもりらしいな」
どうやら、本気で俺たちについてくるつもりらしい。




