勇者パーティーとの別れ
「なぁ、シュート」
焚き火の向こうで、勇者シュートが俺の声に顔を上げた。
「何だ?」
少しだけ言葉を迷ってから、俺は口を開く。
「シュート達なら、俺がいなくてもやっていけると思う」
「……は?何言ってんだよ」
「だからさ。俺を勇者の旅から外してくれないか?」
一瞬、空気が止まった。
シュートは眉をひそめる。
「なんでお前を外さないといけないんだよ」
「これから先、魔王を倒す旅だろ?」
俺は肩をすくめる。
「危険なことも増える。そんな時、俺がいたら足手まといになるかもしれない」
「そんなこと――」
シュートが言いかけて止まる。
俺は軽く笑った。
「大丈夫だよ。シュートには俺以外にも仲間がいる」
勇者、剣士、魔法使い、神官。
どれも一流の連中だ。
「お前達なら魔王なんてすぐ倒せるさ」
「……」
シュートはしばらく黙っていた。
焚き火の音だけが、ぱちぱちと響く。
やがてシュートが小さく息を吐いて言った。
「……分かった、お前の言うことを受け入れる。」
「ありがとう」
俺は笑ってそう言った。
その後、俺は一人で街まで戻ってきた。
気付けばもう遅い時間だ。
「……今日はもう宿だな」
適当に宿を見つけて、部屋を借りる。
久しぶりの一人部屋だ。
ベッドに倒れ込み、ぼんやり思う。
勇者の旅。
魔王討伐。
世界を救う戦い。
――全部、もう俺の役目じゃない。
「さて」
天井を見上げる。
「これから何をしようか」
これから先のことを考えながら眠りにつく




