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大江戸・百鬼夜行  作者: 塚本 仁
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設定資料

酒之井文昭さかのい・ふみあき/酒呑童子・大江仙十郎文久

 そこそこ整った容貌で左目じりに小さな泣き黒子がある以外はいたって普通の近未来日本高校生男子。両親の仕事が忙しかったために同居している祖父母と接する機会が多かったために趣味が和風よりになり、遊ぶゲームを選ぶさいにHVRMMOのタイトルではマイナー路線の大江戸・百鬼夜行を選択した。

 持ちキャラの本性(種族)は鬼系統第四階梯の酒呑童子。生業メインクラスは武者系最上位の一つ剣聖で、単独では高火力・高耐久の戦士型。PT戦では姿をさらして暴れることでヘイトを稼ぎ、敵の攻撃を一身に引き受ける高火力タンクとして活躍する。

 妖怪としての姿は身の丈一丈七尺|(約5m)、天を衝く黄金の角に鬣のごとく伸びる赤髪、乙女のような白い肌に、白目が名と異なって朱に染まり、その中に金色の瞳が浮かぶ火眼金睛。脂肪などほとんどないにもかかわらず分厚く重い、太く頑健な筋骨を有する巨躯の大鬼である。

 幼馴染四人組の中ではリーダー的な位置にいる。


絵江麻魅えのえ・まみ/邪魅・お麻

 小さく細い身体にボブカットの猫っぽい少女。まのびしたほにゃらか口調で一見は日向の縁側の猫だが、敵に対しては着実においつめて嬲り殺しにする猫科の肉食動物の危険性を発揮する一種の異常人。平和な日本で生まれ育ち、幼馴染の仲間がいたおかででその本性が発揮されることはこれまでなかったのだが……。

 持ちキャラの本性は化け猫系第四階梯の邪魅。生業は忍者系最上位の一つで幻術系統に優れた果心居士。呪術の素材とされた猫の怨霊から霊格をあげた妖怪の力と忍術を組み合わせた呪殺・隠密・奇襲といった戦術を得意とし、PT戦では相手の退路を断つのが重要な役目となる。

 妖怪としての姿は黒とみまごう濃さの赤い毛並みに長くのびる八尾を有する、身の丈八尺|(2m40cm)におよぶ妖猫。もはや豹や虎の領域である。その身体は本質的には霊体であり、よく見るとわずかに透けて、周囲を燐光に包まれている。

 幼馴染四人組の中ではマスコット的な位置にいる。


天羽武敏あもう・たけとし/大天狗愛宕太郎防・円海

 細目が特徴的ななかなかの美男子。実家がかなり大きな寺で、幼いころから多くの生死に接し、修行として精神修養や宗教談義などもさかんにおこなっていたために、年齢からかけはなれた落ち着きと冷静さ、独特の死生観、時にそれらを押しのけてあらわれる知的好奇心の持ち主。

 持ちキャラは天狗系第四階梯の一角・愛宕太郎坊。生業は仏僧系最高位の一つ天臨座主。天狗の持つ高い法力性能と高機動力に回復・護法・対魔などの密教呪術を組み合わせ、支援・回復役として動く他、単体でも高い近接戦性能を誇る・

 妖怪としての姿は白髪白羽の天狗で、こちらも白一色の修験者の装具一式を身にまとっている。ただし、身長は一丈|(約2m)をわずかに超え、比率的に細身に見えながら実際には山野の勤行に鍛えられた頑健な筋骨を有している。なお、大天狗ではあるが鼻は西洋人ていどの高さ。

 幼馴染四人組の中では参謀役・ストッパーになることが多い。


◎九重奈々ここのえ・ななこ/金毛白面九尾狐・七重

 まさに緑なすと称すべき艶やかなロングストレートの髪と大和撫子的な温和な美しい顔立ちに出るところが出た見事なスタイルを持つ、毒舌少女。数学・プログラムが得意な理系脳で物事をはっきり区別し、それをストレートに言葉にするところがある。

 持ちキャラは化け狐系第四階梯で屈指の知名度を誇る金毛白面九尾狐。生業は陰陽師系の頂点の一つ天文太師。術式の根本にある八卦は最古のデジタル表記ともいわれ、趣味にあったようだ。戦闘における役割は「固定砲台」以外の何者でもないが、式神・占術といった情報収集などサポート系にも優れている。

 妖怪としての姿は有名な金毛白面九尾の狐。毛並みが顔の白から段々とうつって、末端あたりがそれぞれ金色になる。体長は二丈|(約6m)に達するが、真なる白面の者と比べればいっそかわいいとすらいえる大きさである。

 幼馴染四人組の中では参謀役兼理論優先の暴走車でもある。


◎大江戸・百鬼夜行

 いわゆるコアなファンがつくタイプのマイナーHVRMMORPG。プレイヤーは架空都市「大江戸」で人間に身をやつして暮らす妖怪をプレイヤーキャラクター(PC)として生活する。メインとなるのは仲間と組を作って古代の財宝や大妖怪の遺産を探すといった探索系、元締めから依頼を請け負って悪事をなす妖怪・人間を討伐する必殺系、奉行所から賞金をかけられた妖怪や盗賊団を叩き潰す討伐系などだが、書画・陶物・刀剣・装飾品・反物といった品物を造り出す生産系、各地の特産品を売り買いして莫大な富を築く商人系、武芸の腕を磨き手柄を立てて身分を高める出世系、膨大な海洋・河川の領域に散らばる大物・珍物を釣り上げる釣師系など、様々な遊び方がある。

 最も特徴的なのは「シナリオクリア型」の遊び方が重視されていることで、いわゆるゴールデンタイム・深夜時代劇系のシナリオをソロないし少人数グループでクリアするタイプの遊び方が経験値・報酬とも充実していること。上位の本性・生業への移行はすべてシナリオクリア型のイベントとなっている。シナリオ本数も多く、道を歩いているとひょんなことから巻き込まれ型シナリオが始まっていたりと、実に油断がならない。


○生業

 人間としての姿で正業としている職。妖の生活には戦いが切っても切れないため、なんらかの形で戦闘に関わるものとなっている。初期から獲得可能な4基本職は「侍(武者)」「忍(くの一)」「仏僧(尼)」「禰宜(巫女)」「陰陽師」の五種類。


○手妻

 本来の意味は手品とか余技になり、事実戦闘に直接影響を与える要素は少ないのだが、忍などはそれを「本業でござい」と名乗るわけには当然いかないため、手妻として修得した職が表向きの職業になるのが普通である。また、妖怪として依頼をこなして褒賞を得る以外の収入源としては手妻の方が有効である場合も多い。


○武器の等級

 ゲーム「大江戸・百鬼夜行」には数多の武器が存在する。中心となるのは太刀・刀・剣・小刀・槍・弓などで、他に斧・金棒・狼牙棒・棍といった普通に武器と考えられるものから、索条・独鈷・針といった、特殊なものまである。これらは、数打ち・真打・業物・良業物・大業物・最上大業物・天下逸品の七段階の希少度が設定されており、通常は希少度が高いほど攻撃力・耐久度・切れ味などといった性能の合計値である総合能力が高い。ただし、使用者の能力などを合わせた実行力が完全に比例するかといえばそんなことはない。

 なお、キャラクター間で受け渡しが可能な物品は業物までで、これより格上の品は譲渡不可となっている。これは、設定的には品物がめぐることもまた「縁」であり、九十九神までいる世界では、物が持ち主を選ぶとされていること。現実問題としてはRMTリアル・マネー・トレード禁止だからである。なお、大江戸・百鬼夜行では組を作ったキャラクター間ではとどめは刺せないがフレンドリーファイヤがある一方、組外のプレイヤーに攻撃して影響を与えることは、PK解禁の大規模イベント指定領域外では不可能となっている。雰囲気重視が徹底される大江戸において、現実問題の深刻な介入の方が、より排除すべき対象とされた結果である。

 ただ、オフィシャルのNPC店舗にオークション品として出すことはでき、相場によってはとんでもない資金を獲得することができる。

 数打ち  :要は大量生産品。さすがに太刀でそれはないが、鋳物の武器もある。

 真打   :影打ちが出るくらいにしっかりと作られたもの。

 業物   :80工。名前が登録された名工の作。その入り口。

 良業物  :50工。

 大業物  :21工。

 最上大業物:13工。

 天下逸品 :工人ではなく品が定められる等級。神話級の単一品しか存在しない。天下五剣も含まれる。

●斬馬刀:天下逸品・妙法大酔伝村雨

 妙法千字村正とか、妖刀村雨丸とか、色々ごっちゃになっているうえに、基本形態は刀身が全体の半分近い斬馬刀という、架空の名品。全性能を考えると酒呑童子・武者系専用といっても過言ではないが、他の前衛職が使っても凄まじい威力を発揮する。本来の姿は刃渡り一丈|(約3m)・身幅最大一尺三寸|(約39cm)にもなる巨大な刀身と、五尺超|(約150cm)の太い柄を持つ、巨大な体躯を誇る大鬼が用いることを前提とした得物で、剛性と靭性を極限まで高めた圧倒的な耐久力がその真髄とされる。同時に斬れ味・威力とも最高水準にあるのだが。

 これに加え、大酔伝村雨は明らかに元ネタの村雨丸同様、その刀身が常に結露している。ただしこの露、清水ではなく酒である。常に刀身を洗い、血糊・油を流して斬れ味の劣化を抑制する効果を持つ。酒精を帯びている場合に様々な特殊効果とステータスアップを得る酒呑童子にとっては非常においしい装備であるといえる。特に、刀身についた血混じりの酒をなめることで特殊攻撃耐性を得ることができる妖力【血酒耐功】とのシナジーは極めて優秀である。

 村雨の発する酒には「酒毒」もあり、こちらは発生時に斬りつけた対象を重度の酩酊状態やアルコール中毒に落としこむ凶悪な代物となっている。酒毒は酒呑童子には無効で、舐めれば筋力と耐久力が増加し、傷が回復する。

 文久が用いるさいの主戦法は右上段からの叩きつけ。文字通り、大質量高速斬撃によって対象を斬る・割る・叩く・打ちつけるという四重効果にさらし、衝撃と縦方向のベクトルで動きを止めて二撃・三撃を釣瓶打ちすることも視野に置いている。先手を取ってひたすら打ちつける剛の剣であり、小手先の技は速度と質量で押し潰す、まさにみもふたもない戦法といえる。その一方で、初太刀をかわされた瞬間に左右のなぎ払い・前方への突き、いかようにも変化しうる余裕を、その剛力と剣技が可能にしている。

 大型の妖怪相手にも通用するサイズは重要な武器だが、持ち運びは袖葛篭に収めればいいとして、人間形態時や閉所での使用には限界がある。一応、1/3までは縮めることがそれでも大太刀クラスである。


八塩折之酒やしおおりのさけ

 脚名槌・手名槌の夫婦が作った「八度にわたって醸す酒」。八口やぐち神社に祭られる「印瀬いんぜの壷神」にいれ、八俣遠呂智ヤマタノオロチ退治に用いられた。貴醸酒きじょうしゅ(水の代わりに酒で仕込んだ酒)とも。大江戸・百鬼夜行最上特級酒の1つで、酒呑童子の切り札。


●小太刀:最上大業物・一心伝影綱・光綱

 刃渡り二尺弱(約60cm)になる二本一組の大脇差。形状は太刀の挿し添えである脇差だが、二本一組でもちいる想定は二刀小太刀術を前提としている。

 元来小太刀術は、主兵装である太刀が使えない状況下で、副兵装をもちいていかに立ち回るかというところから始まっている。基本は後の先であり、相手の攻撃を捌いて手元へつけこむのが身上である。それをさらに発展させ「一刀で捌き、いま一刀で斬る、これを同時におこなう」というところに発展させた二刀小太刀術用の得物が、一心伝影綱・光綱である。

 で、実際の運用はどうかというと、剛の剣・先の先というありえない方針が貫かれる。それを可能としているのが酒呑童子・武者という組み合わせと、ポイント割り振りで能力・技能ともに充実した圧倒的な剛力と速度、それらによる超高速の踏みこみ、勢いを乗せた斬撃の威力である。得物が軽くなった分の威力を速度で補うような代物だが、一つ大きく異なるのはその取り回しのよさで、屋内や対集団では圧倒的に戦いやすい。転じて非常識に巨大な相手には大きさ的に爪楊枝になってしまうのだが。

 影綱・光綱は名前の通り、艶のない黒い刀身と、強く光を反射する銀の刀身を持つ。共通するのは鉈のような厚刃。斬ると同時に「断ち割る」ことを意識した造りであり、太刀の峰を打てばへし折ることも不可能ではない。


●大鎧:最上大技物・田力男

 神道神格の名を有する大鎧。筋力・体力・耐性が馬鹿上がりする壁用装備。また、田力男命の分霊が宿っているとされ、所有者の意思に従って着脱が可能であり、非装備状態でも人型の位置に浮遊して行動することができる。


◎大江戸の人種

 基本、倭人と呼ばれる人々が人口の9割を占める。黒髪5・茶髪3、他2ていどで、中には赤・白・金といった変り種も存在する。瞳は黒から茶、稀に赤や金がおり、これは髪同様、先祖に神や妖怪がいて、先祖返りを起こしたものと考えられる。それなりに数がいるため、珍しくはあるが激しく差別されるほどのことではない。肌は黄色から白。成人男性の平均身長が165cm、女性が157cmといったところで、現代よりやや小さい。ただ腰の位置は日本人よりやや高い。顔立ちは普通にモンゴロイド系。


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