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警視正K  作者: ニャンコ


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2/2

第一話 『喪失』

 幼い少年が両親を亡くしました。

これは、彼の生い立ちを描いていくお話。

 目が覚めた ベッドで眠っていた

知らない天井 知らないベッド


身体を動かそうとする

あちこち痛くて動かせない

包帯でぐるぐる巻きになってる

額にも何か貼ってある


 ここは どこ?



          ◆


 ベッドのそばに しらないおじさん 


「目が覚めたかい?」


 おまわりさん


「……ここ、どこ?」


「病院だよ。君は事故に遭ったんだ」


       じこ?


 その言葉を 繰り返す 小さな声で

正義(まさよし)は 何度も 何度も


「おとうさんと、おかあさんは?」


 おまわりさん すこしこまってる?


 なんとなく そんな きがした


 おまわりさんは

       ベッドのそばにすわった


「君に、大事な話があるんだ」


 そういって おまわりさんは


「お父さんとお母さんはね……

          亡くなったんだ」


 よくわからなかった


       なくなった?


 その ことばは しってる けど

よくわからない よ


「……いつかえってくるの?」


 おまわりさんは おしえてくれない

おおきなこえで よぼう と した


「お父さんと、お母さん はね」


「……もう、帰ってこないんだ」


 なにを いっているの?


 おまわりさんが うそ ついたら


      だめだよ


 どうして? どうして?

         どこへいったの?


 どうして そんなイジワルいうの?


 この おまわりさんは きっと

 ニセモノだ うそつきだ

  でも どうして そんなに

 かなしい おかおなの? うそつき

  はやく うそだよ   って




 警察官は、

     それ以上何も言わなかった。

           言えなかった。


 病室には、

  機械の小さな音だけが響いていた。



          ◆



     それから数日が過ぎた


 正義(まさよし)の怪我は

      少しずつ回復していった。

 病室には医師や看護師が訪れ、

     時折、警察官も顔を見せた。


 両親のことを尋ねても、

    返ってくる答えは同じだった。


 もう帰っては、こない。


 それだけは、

少しずつ理解できるようになっていた。


 しかし、これから自分が

どうなるのかは分からなかった。


 ある日、

  病室に数人の大人がやってきた。


 彼らは正義(まさよし)の前で、

      何かを話し合っていた。


 親族との連絡が取れない


 引き取り先が見つからない


 幼い正義(まさよし)には、その話の全てを

    理解することはできなかった。


 ただ、

自分を迎えに来る人はいないらしい。


 そうして、正義(まさよし)は児童養護施設に

     引き取られることになった。


          ◆


       退院の日


 正義(まさよし)は小さな荷物を手に、

      病院の玄関に立っていた。


 迎えに来た職員の女性が、

         優しく声をかける。


「今日から、

    ここで暮らすことになるのよ」


 正義(まさよし)は黙って頷いた。


 車に乗り込む前、

   一度だけ病院を振り返った。


 ここに

    お父さんとお母さんはいない。


 これからも、帰ってこない。


 幼い正義(まさよし)には、

  それ以上のことは分からなかった。


 車のドアが閉まる

   車は静かに走り出す


 正義(まさよし)の

  新しい生活が始まろうとしていた






       つづく



 両親と死に別れました。

施設で育てられます。

施設では、どんな生活が待っていたのか

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