ミアのお仕事_1
雲ひとつない快晴。
ここは魔法都市『マジーク』
魔法に関するすべてのことはここで事足りる魔法の街。
円錐屋根の石造り建造物が並び、異国のような雰囲気である。
都市の中央には空に届きそうなほど高い塔が建っている。
国立魔法研究所と魔法省の二つの機関を併せ持つ施設である。
色とりどりのローブをまとった人々が行き交っている。
魔法使いと呼ばれる人たちだろう。
杖を持つ人や、分厚い魔法書を読んでいる人、ほうきに乗って飛び交う人など、
ファンタジー世界を堪能できる場所である。
どうもこんにちは。タロです。
今日はブルノー王国の王都に隣在する城塞都市である『マジーク』にやって来ております。
というのも、ミアの仕事の付き添いという目的があるからです。
俺の前をピコピコ歩くミアは、
「カナイ村」で村人たちの困りごとや悩みごとを解決する、
いわゆる何でも屋として働いている。
屋号は「ねこの手」。なかなかこじゃれた名前である。
ミアの仕事ぶりは評判で、巷でも人気のあるなんでも屋である。
さまざまな人に手を貸してあげ、いろいろと感謝もされている。
過去には、好きな男性がいるが、勇気が出なくて想いを伝えることができない少女に、
「人間族の男ってのはストレートな女に弱いんだ。」とアドバイスをした。
少女はアドバイス通りに、男性の顔面にストレートパンチをお見舞いし、
結果ふたりはめでたく交際することになったのだ。
今の話を聞いて、どこに交際に発展する要素があるのか、わからないと思うが、
その男性は極度のマゾヒスト。いわゆる肉体的苦痛に快感を覚える
特殊性癖を持ち合わせた男性だったのだ。
そのことにいち早く気づいたミアは、少女に的確なアドバイスを送ったのだ。
結ばれたふたりは心からミアに感謝していた。
そんなミアの今日の仕事は、荷物を届けること。
カナイ村に住む魔法道具を取り扱う店のオーナーから、
とある『魔導書』を魔法研究所に送り届けてほしいと頼まれたのだ。
魔法都市『マジーク』に一度も足をはこんだことのない俺は、
死ぬほど暇を持て余していたので、興味本位でついてきた。
魔法というものにも興味があったし、触れてみたいとも思っていた。
もしかしたら俺でも魔法が使えるかもしれない。
そんな淡い期待を抱き、魔法研究所の入り口へと向かっていく。




