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好きなものは好き
1~2話目より前のお話。
朝がくる。
制服に着替えて
いつもの時間に家をでれば
少年がそこにいる。
「おはよう!!」
「…おはよう」
少女は無口で
少年はおしゃべりで。
少女は無表情で
少年は常に笑っていて。
性格は真反対だった。
「今日文化祭の役決めだよね」
「そうだけど何か」
「いや、とくにないけど一緒だったらいいなーって」
「バカ」
少年はストレートすぎる。
単純馬鹿だ。
騙されやすいパターンの人間である。
でもそんな少年が
好きです。
性格とか関係ない。
好きなものは好き。
好きとは少年には伝えない。
自己満足。
それでいい。
恥ずかしいし。
ただそれだけ。
それだけ。
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結局文化祭の役は少年とは違うけど。
「最高」
「…は!?」
「だって遠くから頑張ってる姿見れるじゃん」
「変態」
変なやつ。