27.手紙
披露宴の後、家に帰ると、私は、
凛ちゃんと湊君から手紙をもらった。
『お母さん
きょうの日を、どのくらいまったか
わからないほどです。
わたしたちの気もちと、おもいを
うけとめてください。
りんより』
『おかあさん
きょうのだしものは よかったですか。
らいねんもあります。
たのしみにしていてください。
みなとより』
なんて可愛い手紙なんだろう。
透さんにも、二人からもらった手紙を見せた。
子ども達が寝静まったころ、
私は、こう提案した。
「私達も、今の気持ちを忘れないように、
お互いに手紙を書かない?」
「いいよ。」
透さんは、同意してくれたので、
二人でそれぞれに手紙を書いて、
読み合った。
『愛する まい様
僕は、今日が来ることを、
首を長くしてまっていました。
まいを知ってから、今までに色々な事がありましたね。
初めてデートをした時は、とっても怖かったよ。
何故かというと、
僕には子どもが2人もいるから、それを言うと、
まともに付き合ってはくれないと、
思っていたからです。
何を話していいか分からなかったし、
自分の生い立ちを話そうか、と考えていました。
しかし、初めて会ったとたん、
まいは、面白い話を自分から、
どんどんしゃべってくれました。
だから僕は、そんなまいに包まれてしまいました。
そして、まいを真剣に、愛する事ができたと思います。
それから、楽しい日々が続きました。
まいの両親に猛反対された時は、大変だったけど、
それでも、僕はまいと、
一生懸命頑張っていきたいと、思いました。
辛い日々が続いた時も、
まいと心がつながっていたから、
今日を迎えられた思います。
今まで、僕を支えてくれてありがとう。
僕はまいと、
人生をエンジョイしたいと思っています。
これから先も、もっともっと大変な事が、
あるかもしれないけれど、
二人で乗り越えて、楽しく生きていきたいです。
ずっとずっと、よろしくお願いします。
まいは最高の女性だよ。
透より』
『透さんへ
私は、透さんと出会えて、
本当に良かったと思います。
私は、あなたといると、とっても安心なのです。
運転が上手で優しいから、
私はあなたのバスに乗っている時が、
一番安心でした。
そして、私も人に、優しくなれる気がしたのです。
いざという時、素早く行動してくれるので、
安心でした。
両親ともめて、苦しくて、苦しくて、
「もうダメ!」と言いそうになる直前に、
両親に会いに来てくれて、話をしてくれました。
そんな時、この人だったら、
一生着いていけると思いました。
子ども達やご両親を大事にしているので、
安心でした。
自分の家族だけでなく、私の家族も、
大切にしてくれるのではと、感じたからです。
そして何より、あなたは、
いい家庭を作るという、未来を私にくれました。
私の両親に反対されて、
2人きりの結婚式だったけれど、
自分たちなりの式ができたと思うので、
私は幸せです。
でも、本当の幸せは、
これから2人で作っていくものだと思います。
これからが大変なので、何でもよく話し合って、
理解し合って、進んで行きたいです。
どうぞよろしくお願いします。
そして、いくつになっても、
手をつないで歩けるような、夫婦になりたいです。
まいより』
私、野原まいは、27歳の時、
通勤バスで出会った運転士さんと、結婚した。
素敵な家庭をつくるために・・・。
完
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
8月からは、新しい作品を投稿する予定です。




