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やっぱり瑠美ちゃんは最強です。

 立つ鳥跡を濁さず…なんて、大袈裟だとは思うけど、平和に穏便に残りの2週間を過ごしたい。そして、ひっそりとみんなの前から消えたい。


 胸が痛くなるような思いはしたく無いから。


 私が転校する事は居なくなるまで、知られたく無い。


「分かった。絶対に教えない。土下座されても、アイス100個買ってくれるって言っても、言わない。」


 アイス100個は、危ないかなぁ。瑠美ちゃん、大好きだから。


「…転校の話は、私と先生だけ?知ってるの。」


「うん。お母さんやお父さんにも頼んで、言わないようにしてもらったの。後、携帯も変えるから、行く前に瑠美ちゃんには教えるね。」


 私の徹底ぶりに、瑠美ちゃんは苦笑い。


 そうだよね、博武だけならまだしも、他の3人まで完全拒否するんだから。


 でも、私の中で幼馴染の括りは、今は関わりたく無いと思っているから…3人にしてみれば、どうかと思うけど。


「実はさぁ、チョット小耳に挟んだ話なんだけど、加賀さん、生徒会のメンバーとプチハプニング起こして、なんだか親しげにしてるって。かな、知ってた?」


 瑠美ちゃんの問いに、頭をブンブン振って応えた。


 エッ?みんなと接触済みなの?加賀さん、転校して2週間だよね?アクティブ過ぎでしょう。


「長岡先輩と昼休み、校舎裏にある園芸部の花壇にいたとか、悠人くんとプリントの束を持って歩いていたとか、岩崎先輩に頭撫でられていたとか、チョット噂になってるみたい。」


「…凄いね…。リアル乙女ゲームの世界なの?だとすると、私のポジション幼馴染の悪役?無い無い無い。悪役なんて無理だから。私で好感度上げようとか思われて無いよね⁈」


「でも、案外かもよ…。だって、加賀さん転校生で美少女でしょ。初日から注目されてたしね。」


 そう、加賀さん…加賀 琴子さんはビジュアルが所謂美少女。烏の濡れ羽色?って言うのかな、ツヤツヤな真っ黒髪で腰まであるサラサラロングヘアー。小さな顔にクリクリの大きな瞳で、日焼けを知らない白い肌。身長は私よりも少し高くて、立ち姿がとても綺麗な子。


 そりゃぁ、気になるよね。時期外れの高校の転校生……アレ?それって、私も?


「あーー、私は女子校だっ。」


「そうね。かなはお嬢の女子校で全寮制だね。乙女ゲームの企画としては、〈百合〉仕様になるね。」


 イヤ、それ売れる要素あるの?マニア向け?想像しちゃダメ、ダメ。


「でも、コレが乙女ゲームなら、着実にイベントこなしているんじゃ無い?凄いよねェ。ゲームだったら、自分が操作してるし、アニメだから思わなかったけど、現実だとねェ…2週間で既に親しい間柄になってるんだもん、ちゃんと自分を分かってやってるんだよね。転生者で、この世界が乙女ゲームで、私がヒロイン!なんて言われた日には、チャンチャラ可笑しいわっ。」


「デスよねぇ…。」


 そんな話は小説や漫画の専売特許だ。


 それに、私は2週間後にはみんなの前から消えるから。


 加賀さんと、幼馴染達がどうなろうと関係ない。


「よし!かな、これからの対策を練るよ。」


 瑠美ちゃんが鼻の穴を大きくした時は、興奮している時だ。


 私は、ふふっと笑いを漏らし頷いた。


ありがとうございました。

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