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恋って…何?  作者: み〜さん


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ポジティブって空気読めないの別語ですか?

 やって来ました!決戦の日!


 生まれて初めましてのデートであります。


 昨日から心拍数がかなりヤバめです…ええ、ものすっごく!


 昨日は時間が遅くなったため( すっかり忘れていた呼び出しに、拉致同然で連れて行かれ、加賀さんと対峙したから。) 次の日のデートを早めにしようとなりました。


 ただいまの時刻、朝の6時50分。


 佐藤くんとの待ち合わせは、駅前に9時。


 ……緊張で、寝たのか寝てないのか分からない状態です。取り敢えず朝風呂して、ご飯食べて、パックして……用意を致しましょう。





 アッと言う間に時は過ぎました。


 時刻は8時40分!ああああっ‼︎ 大丈夫でしょうか!何時もはこんなに鏡の前で確認しないのに、今日は何十回見たことか!元が私なんだから、服装やチョットだけのメイクなんかで変わりようも無いのは分かってはいるんだけど、ホラ、佐藤くんってばなんだかんだでイケメンだから、少しだけでも…少〜しだけでも、隣にいても何とか、ギリギリ大丈夫な見た目で在りたいからーーー往生際が悪いのは分かっているけど、初めてのデートだから。


 ヨシ!と鏡に映る自分に声を掛け、家を出る。今日は自転車では無く、歩きで待ち合わせ場所に向います。


 しばらくはこの街の景色ともお別れだから。ちゃんと見ておこうと思って。


 空は快晴。デート日和!身体が自然にスキップしてしまう。


 可笑しな子に見られるかもしれないけど、そんな事気にならないぐらい、今心はウキウキなのだ!


 スキップしながら、アハハウフフ、小鳥さんおはよう!お花さん今日もキレイねェ。猫さんどちらまで?私、今からデートなの!


 なんて赤面もののお馬鹿で歩んで行くと、駅が見えて来ました。


 心臓が大きく打ち鳴ります。イヤなドキドキじゃ無くて、嬉しいドキドキ。


 駅に近付くと、人だかりが……うん?


 人だかりの真ん中から飛び出た巨人ーージャージ姿の女の子達に囲まれた佐藤くんが、顔を痙攣らせていた。


「ありゃりゃッ……近付けない。」


 佐藤くん大モテです。そう言えば、久保くんが言ってたなぁ。と言うことは、彼女達は他校のバスケ部なのかな?そっかぁ、佐藤くんにもファンと言う方達が付いてたりするのかぁ。


 佐藤くん達がいる場所からちょっと離れた場所に在る建物の壁に背を預け、ボーッとその様子を見ていた。


 佐藤くんは迷惑そうだけど、周りの女の子達はみんな表情をキラキラさせて、自分アピールに必死なように見える。


 あの中にもしかしたら、佐藤くんに本気で恋をしている女の子がいるかもしれない。イヤ、いるだろう。きっといる。それも私よりずっと先に佐藤くんに出会っていて、佐藤くんの良さを知っている子達が。


 私が佐藤くんを知ったのは2年になってから。初めて見た時は、教室の中に巨人が!って言う感じ。私とは身長が雲泥の差だったから。最初、まったく接点が無く、話しても事務的な感じだったけど、それが少しずつ砕けてきて、今回私の警護をすることで、いつの間にか、佐藤くんの存在が私の中で大きなモノになっていた。


 恋って、まるで突発的に起こる事故のよう。何時、何処で気持ちが絡め取られるのか分からない。



 この世界で多分一番不思議な自然現象。



 ふと気付けば、時刻は約束の9時を過ぎていて、でもまだ彼女達は佐藤くんを囲んでいる。あの子達はバスケ部の練習で何処かに行くために、駅に来たんじゃないのかな?時間、いいのかな?


 すっかり出て行くタイミングを逃してしまい、どうしようかと思考していた時だった。


 突然女の子の大声が、、駅前に響き渡った。


「ちょっと!何よアンタ!」


 佐藤くんを取り巻いていた女の子達が、騒いでいる。


「あんた達!たっちゃんが迷惑してるの分からないの!さっさと退きなさいよ!」


 ………ええっ?何故?どうしているの?加賀さん!


 ああああっ!ダメだ!イヤな予感しかしない!


 今日は日本晴れのスカイブルーで、朝からウキウキのドキドキで、ここに来るまでルンルンだったのにぃ‼︎ 誰の日頃の行いが悪いの?私?私なの⁈


「たっちゃんと私は幼馴染で結婚の約束だってしてるんだから!だからたっちゃんに近付かないで!」


 加賀さんが両腕を目一杯広げ佐藤くんの前に立ちはだかっている。


 ーーーもう……。出づらい。


 最後の最後まで、付いて回るの?加賀さん。昨日の今日で、すでに加賀さんの中で無いことになっているの?なんてポジティブ。でも、見習いたくは無いかなぁ…。


 私は大きく溜息を吐くと、その場にしゃがみ込んだ。


ありがとうございました。

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