表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋って…何?  作者: み〜さん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/41

尋問は必要でした。

 まずイイですか?


 怖い、怖いです!瑠美ちゃん!頭にツノが見えるようです!佐藤くんは軍曹と言っておりましたが、私には般若にしか見えません!すっっごくここから逃げたいです!しかし、扉側の席には瑠美ちゃんの信者ーー沙樹ちゃんがメモ片手に私をジッと見つめています。脱出は無理っぽいのです!


「一言一句漏らさず、きっちりハッキリ全て吐きなさい。」


 あーーーん‼︎ お弁当食べながらは無理っっ!




 と、言う事でお話させていただきました。ええっ、余す事なく、今朝起こった事全て包み隠さずマルッと!


 話終わった頃にはグッタリです。…お弁当…。


「転校生美少女も頑張るねェ。」


 沙樹ちゃんが楽しそうに言います。


 そうだよね。他人事だよね!


「佐藤くんが幼馴染ねぇ。3歳でしょ?憶えて無い方が普通でしょ。ヤッパリ乙女ゲームなのかなぁ。でも、山田 佳奈恵くんが転生者じゃないし、前の学校では失敗してるから、全て転校生美少女の思い込み?」


「確かに見た目は極上だから、可愛らしく擦り寄ればほぼ陥落するでしょう。実際、アイドル顔負けの我が生徒会メンバーは全員落ちてるし。」


 腕組んで、椅子を傾けバランスを取りながら座る瑠美ちゃん。危ないから、良い子はマネをしてはいけません。


「結局、美少女の思うがまま。振り回されたのは、かな一人だけ。」


「そうそう、補足情報!サッカー部と陸上部が転校生美少女の毒牙にかかって陥落。今、テニス部を狙いに言ってるって聞いてるけど、知ってます?」


 沙樹ちゃん、楽しそう。瑠美ちゃんといるから?


「ーーいや、初めて聞いた。ありがとう、釘刺しとく。」


 瑠美ちゃん!眉間に縦ジワ出来てる!


 沙樹ちゃん!キャとか言って頬染めないっ!


 私!お弁当!食べてイイですかっっ‼︎


「ところで、かな…。」


「何?瑠美ちゃん。」


 えっ⁈何故突然笑顔なんですか?瑠美ちゃん!


「かなはさぁ、佐藤をどう思う?」


 うん?最近同じフレーズを聞かれたような…。


「…ふざけた巨人…かな?」


 だって何時もふざけて、私をからかって、身長を縮めようとしてくる。


「佐藤はどうして、かな、から目が離せないって言ったと思う?」


 コレは、誘導尋問ですか?怖いんですがぁっ‼︎


「私が、ヤツより小さくて、頼りないと思われてるから…?」


「佐藤くんは、山田 佳奈恵くんに対して庇護欲が生まれたのだよ。それはとても早い段階で、形を変えた。そして気が付いたんだよ。佐藤くんは。」


「こんなギワじゃなく、もっと前に気が付いてくれていれば、ここまでにはならなかった。」


 瑠美ちゃんが机越しに、私に近づく。


「かなは、佐藤と一緒にいて何も感じなかった?」


 佐藤くんと…一緒にいて、何かを感じた?私。


「山田 佳奈恵くんは、佐藤くんといる時はとても良い顔をしていたよ。側から見てると、親猫に戯れる子ネコって言う構図かな。楽しそうだったよ。ガヤも見てて、微笑ましかったからね。」


 沙樹ちゃんの言葉に、ボッと効果音付きで顔から火が吹くのが分かった!いやぁーッ!どうして、どうして⁈


「おおっ、素直な反応。」


 沙樹ちゃんが手にしたメモに記入する。何を⁈


 頬を両手で押さえて、顔に集まった熱を隠そうと足掻いてみる。無理だったけど!


「ううううううっっ。だっ、だってェ〜。さささっ佐藤ォくぅん、わっ、私であっ、遊ぶんだもん!子供扱い、スグするしッ!」


 恥ずかしい!何?拷問ですか?


「かなは、佐藤がそうしてくるのはイヤだった?」


「……最初は、このヤロッて思ったけど、だんだんそれが楽しくて…なんだか嬉しくて…」


 私!何言ってるんだろう!


「佐藤が構って来るのが、嬉しかった?じゃ、佐藤が警護から外れた時は、どう思った?」


「うっ、これって、言わなきゃダメなの?ハズっっ、恥ずか、しいんですけどお。」


 ああっモウ!穴を掘って逃げ出したい‼︎


「ダメ。これは必要な事だから、ちゃんと答えて。」


 瑠美ちゃんがニヤリと笑った!


 最後の日にこんな目に遭うなんて!


「うううっっ。ちょっと、寂しいかもって…思った。」


「ちょっと?」


「……加賀さんが、佐藤くんに会いに来てたから、もしかして、佐藤くんも幼馴染達みたいに…って思って、もうお喋りできないのかなって思って、イヤだなぁ、寂しいなぁって。」


「イヤだった?2人の姿を見た時。」


 ああっ、ヤダ。今朝の光景が思い出される。


「イヤだった……。一緒にいるのを見たく無かった。加賀さんが、佐藤くんを呼ぶのも聞きたく無かった。佐藤くんが、加賀さんを見てるのも!だって、胸が痛くて、涙がーーー」


 私の目から涙が流れ出す。


「なっ、泣きっ、泣きたく無かったの!2人の前では、見せたく無かったのっ!ううううううっっ‼︎ 」


 博武の時には出なかった涙が、堰を切ったように溢れ出した。


「……山田 佳奈恵くん。それが恋だよ。好きって言う思いだよ。」


 沙樹ちゃんが優しく私を抱きしめてくれた。








ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ