ビッチって言うんですね。
「えーッ、最初から言うわね。加賀 琴子だけど怪しい動きは無いと思うの。ただ、やたら生徒会に出入りしてるかなぁ。クラスの中でもチョット浮いてる感じ。女子からはあまり良く思われてないみたいねぇ。男子は羽黒以外は遠巻きって感じかなぁ。あっ、それと前にいた高校だけど、チョット伝手を使って調べたんだけど、そっちでもやらかしてるねぇ。こっちと同じような事をやってたみたいだね。まぁ、向こうでは早々にボロが出て、転校せざるを得なかったようだけど。コッチも時間の問題じゃないかなぁ。」
メモ帳片手に言う沙樹ちゃん。チョット得意げ?
「ふ〜ん、根っからのビッチなんだ。寂しいネェ。」
足を組みウンウン頷きながら佐藤くんが言う。
「自分がどう見られるか、分かった行動だね。アレは。時と場所と人を選んでるから、タチが悪い。」
「その張り巡らされた蜘蛛の糸にまんまと絡め取られたと。ウチの生徒会は。」
瑠美ちゃんが鼻で笑います。だよねェ。
「それも、たかだか2、3週間の間に。情けないねェ。」
佐藤くん、さっきから言い方にトゲを感じるのですが…。
隣に座る佐藤くんを上目遣いでチラ見する。
「山田は小さいから、イイの。」
高い位置からニッコリとされた。
「ハァ?」
何が?今のはどう解釈するべきなの?分からん。
「あのぉ……。よろしいでしょうかぁ。」
手をそろそろと上げる宮野くん。
「何か分かった?宮野。」
瑠美ちゃんがシャーペンで宮野くんを指す。何処のお偉いさん⁈
「あぁぁッ、羽黒君に頑張って近づいて見たんだけど、そのぉ…今やってる実験だとか、加賀さんの話は何時間でも話してくれるけど、噂の事に触れると、口が貝みたいに固くって…。」
ソファーに座って身体をくねらせる宮野君。何でかな?イライラする。
「えっ?俺聞き出せたけど?」
と言ったのは、パソコン部の加山くん。なんだかんだ言っても、接触してたんだ。真面目だね。…うん?じゃなくて、瑠美ちゃんが怖いとか?あ〜そっちの方がしっくりくる…かな?
全員がザッと加山くんに注目した。
瑠美ちゃんがシャーペンで話の続きを促した。やっぱり偉い人?
「なんかさぁ、交換条件みたいなんだ。」
「交換条件?どんな?」
瑠美ちゃんの眉間にまたまたシワが。
「加賀さんにプロポーズして振られたんだけど、諦められないって言ったら、じゃぁ噂を流してくれたら、チョットだけ考えてもイイって言われたからって。」
ああっ、コレはみんなを逆撫でするヤツだ!
「転校生美少女 加賀 琴子‼︎上等だっ!」
瑠美ちゃんが立ち上がり叫んだ!顔が般若ッ!
「転校生美少女は、何処までも愚かなのだねぇ。」
沙樹ちゃんの瞳がギラギラと捕食者の目になってる!
「いや〜本能だねェ…あっ、煩悩か?」
佐藤くん、目が笑ってないよ⁈
「……フッ。」
黒井くーーん‼︎
部屋の中が寒いんですが、どなたかクーラーの温度下げました?
「イイッ!何が何でも、かなを守りきるんだ!美少女 転校生、加賀 琴子なんてビッチに負けてられないからねッ!みんな、ここが意地の見せどころだよッ‼︎」
加賀ちゃんの言葉に、みんなが立ち上がり、部屋を震わせる鬨の声を上げた。団結力が更にパワーアップしてる⁈
「チョット!みんな落ち着いて‼︎」
私も立ち上がって、叫ぶが、纏まった声には敵わない。
と、その時、勢いよく部屋の扉が開いた。
「ゴメン、ゴメン。コンビニ寄ってたら遅くなっちゃって。」
「沢山買ってきたから、みんなで食べよ。」
「肉まんに、おでんでしょ、あとフライものと、デザートも買ってあるから!」
袋を掲げ持ち、大きな声で言う、早川くん、栗田くん、相田くんの柔道部稼ぎ頭トリオ達。
う〜〜ん……。ナイスタイミング?
ありがとうございます。