事件?は教室で起きていました。
読んで頂きありがとうございます。
第3回招集会議?から何事も無く迎えました、金曜日。
今日も瑠美ちゃんに引き摺られ、テニス部の朝練に参加致しました。制服は汚れてしまうので、ジャージを火曜日から持参させて頂きました。女の子ですから、色々気になりますしね。
その後、やっぱり先生方の声が頭上をすり抜けて行き全く役に立ちませんでした。ゴメンなさい。
で、只今理科準備室にて、私、瑠美ちゃん、黒井くん、佐藤くんでランチタイム中です。
何故、理科準備室なのでしょう?
「それは、特別教室ばかりで、授業や部活動意外利用する人がいないからです。羽黒の理研は理科室を部活で使用してるけど、お昼には来ない。そして、生徒の教室は東館第1と第2にあって生徒会室もあちらだ。教室で食べるのも良いけど、邪魔が入り易い。その点ここなら、教室で何かあった時は、素早く緊急連絡が入り、その後の行動をどうするか考える時間が持てる。」
…私、口に出してましたか?
「時間稼ぎが出来るのは良いよなぁ。いざとなったら山田抱えて逃げれるし。」
「佐藤くん!一々無礼だぞっ!」
フンだ!お箸で頬っぺた刺してやった!私だって身長気にしてるのに!見てろ、今に伸びてやる‼︎…あっ、まだ食べてる途中だった…。
「下手に出歩くと、トラップに引っかかるかもだしな」
「トラップ?」
お箸を除菌シートで拭きながら、5個目のパンの袋を破く、黒井くんを見た。まだ大きくなる気かぁっ⁈
そこで瑠美ちゃんが、紙パックの野菜ジュースに挿したストローを口に含みながら言った。
「だって定番でしょ?乙女ゲームの中で、ヒロインが起こす悪役とのハプニング。これによって攻略者達の好感度を上げるらしいけど、そんな面倒臭い事に巻き込まれたく無いからねぇ。」
「そうだな、既に根も葉も無い噂話が先行してるからねぇ。山田は大人しく我々に護られていなさい。と、言う事で、コイツは対価として頂く。」
「あっ‼︎最後の揚げシュウマイ!」
ぼーっと瑠美ちゃんを見ていたら、佐藤くんに揚げシュウマイを取られました!
最後の一個!私の好物!
悔しいので、もう一度お箸で頬っぺたを刺してやりました!フン!
そうこうしている間に、お昼時間が終わる10分前となったので、教室に戻ろうと立ち上がった時だった。
瑠美ちゃんの携帯が教室に鳴り響いた。
瑠美ちゃんは携帯を片手に、空いている手で私達を止めた。
すると今度は黒井くんの携帯が鳴った。
「何かあったな。」
佐藤くんが顎に手をあて2人に視線を向ける。
「…分かった。後藤、教室にいる女子に西館入口まで来るように言ってくれ。みんなで連れションを装って教室からでるようにってな。頼む。」
「どうしたって?」
電話を切ってすぐ佐藤くんが黒井くんに尋ねた。
黒井くんは私の方をチラ見し、言った。
「…山田に会わせろと、1年生の生徒会役員が来てるらしい。既に20分押し問答が続いているって。」
瑠美ちゃんを見ると、まだ電話中だった。眉間にまたシワを作って。
生徒会役員の1年生って、ゆうくん…だよね。何の用事だろう。私が先週返事を返さなかったからかなぁ。それとも噂の真相かなぁ。
「じゃぁ、沙樹頼んだよ。クドイようなら奥の手出しといて。うん、じゃっ。」
瑠美ちゃんの電話が終わるのを待っていたように、黒井くんが話し出した。
「後藤に頼んで、女子を西館入口に寄越してもらったから急ごう。」
「山田、担ぐ?」
佐藤くん!なんて事を!
「いや、女子に紛れさせるから、歩かせろ。」
黒井くん、何気に私の小ささを指摘してますか?えぇ、紛れますし髪も切りましたから、直ぐには分かりませんよね。…あんまりデス。
私達は理科準備室を出て階段を降りた。
階段を降りながら瑠美ちゃんが電話の内容を話してくれた。
「生徒会役員の三浦くんが来たのは、噂の真相をかなに確認しに来たみたいだね。」
あぁ、噂の方なんだ。チョット…ショックかな。
「沙樹が言うには、どぉ〜もかなを疑ったモノの言い方しているって。」
そこで瑠美ちゃんが大きく溜息を吐いた。
「あの子は大丈夫って思ってた私が馬鹿だった。」
私も右に同じであります。
ありがとうございました。