第50話 嘘を吐くなら・・
僕が話し終えると、
ブランコに座った幻夜が
ぽかんとした表情で僕を見つめていた。
キーィキーィ
幻夜がふたたびブランコを漕ぎ始めた。
「・・なるほど。
幽霊が見える・・ね」
「う、うん・・。
スガワラさんの言葉を借りるなら、
大きい括りでは霊だけど・・ね」
「どっちでもいいわよ!」
幻夜に睨まれて僕は思わず身を縮めた。
「ほ、ほら。
こんな話、信じないだろ?
だから話したくなかったんだ」
僕は口を尖らせた。
彼女の圧に押されて
すべてを話してしまったことを、
僕は早くも後悔し始めていた。
その時。
幻夜がブランコから飛び降りた。
次の瞬間。
その顔が目前に迫り、
僕の心臓がふたたびドクンと跳ねた。
僕は慌てて境界柵から立ち上がった。
幻夜が小さく頷いた。
「ま。
俄かには信じ難い話だけど。
信じてあげる」
「へっ?
ほ、本当に?」
幻夜の予期せぬ反応に僕は戸惑った。
「どうして・・?」
そして僕は躊躇いがちに
その理由を聞いた。
「だって。
いくら冬至が頭が悪くても
嘘を吐くならもっとマシな嘘を
吐くでしょ?」
そう言って幻夜はにこりと微笑んだ。
小さな八重歯が覗いていた。
僕は大きく溜息を吐いた。




