第12話 憂鬱な月曜日
週が明けて
世間的にもっとも憂鬱な日と呼ばれている
月曜日の朝。
僕は靴を突っ掛けたまま
302号室を飛び出した。
階段を駆け下りてビルを出たところで、
隣の家の塀の前に立っている山田老人と
目が合った。
僕は軽く頭を下げてから駆け出した。
通学路の途中にある流川まで来ると、
そこに架かっている三本橋の袂で
ぽつんと佇んでいる
白いワンピースの少女がいた。
少女は僕と目が合うと、
悲しそうに微笑んだ。
僕は小さく頷いて彼女の前を走り去った。
三本橋を渡り終えて、
その先の交差点で赤信号に捕まった。
そう言えば。
通学時。
この信号で足を止めなかった記憶がない。
つくづく僕はタイミングが悪いのだ。
目の前の片側2車線の大通りを
通勤ラッシュにのまれた車が
ゆっくりとそれでいて慌ただしく
走っていて、
僕は地団太を踏んだ。
その時。
この時間によく見かける若い男が
車道に飛び出した。
男は慌てる様子もなく
ごく自然に、
朝日を浴びた横断歩道を歩いていた。
僕は恨めしそうに男の姿を目で追った。
男は車の流れを止めることなく、
そして車に当たることもなく、
悠々と向こう側へ辿り着いた。
信号が青に変わるとすぐに
僕は駆け出した。




