第1回
楽しんで頂ければ幸いです。
[前奏]
「あー、あー、あぁあー!」
「既に放送事故」
「あぁー佐藤とぉー!」
「吉野のー」
「「らじおいせかいー!!」」
「この番組はー、なんだかんだ異世界に飛ばされながらもなんやかんややっている私達同級生コンビが、近況を報告したりしなかったりする、凸凹テンショントーク番組です」
「お、噛まずに言えたじゃーん」
「めーっちゃ練習した。絶対最初は噛みたくないし。凸凹テンションのところホントに言いにくい」
「そうそう、この人さっきまで何回もこのセリフ繰り返しててさー」
「やめてやめて」
「さーて、どうしてこんなことになってるかといいますとですねー」
「色々ありすぎてちょっともうよく分からないけどね」
「それを言ったらおしまいよ。状況報告が大事なんです。まずですね、異世界に飛ばされました」
「はい、もう分からん」
「言うな言うな、こっちも分かってない。それでですねー、パニックもパニック、二人して右往左往ですよ」
「自分たちの半分も生きてない女の子に慰められたのはいい思い出」
「あれは何か目覚めそうになったわー」
「冗談じゃないのがまーた怖い」
「本当に。ともかく、まさに『おうちかえして』って感じでした」
「なお、絶賛継続中」
「だーがしかし、こんなことでへこたれる私達じゃあないっ!」
「何回もぐじってましたけどね」
「うるさいやい!あんたもだろ!」
「ひゅー♯」
「うわ下手。そして、元の世界に帰る方法を模索したわけですよ。その結果がこれ! 元の世界に音声を届けることが出来るようになりました!」
「まあ、私達自身はまだまだ帰れないんですけどね」
「しかし、これは大きな一歩。希望ですよ!」
「まあそれは確かに」
「生存報告も出来ますしね。しかぁーし、これだけで満足する私じゃあありません!!」
「つまり、ここから先は佐藤の趣味です」
「そんなこと言ってー。そっちだって割とノリノリだったじゃん」
「あー世迷言世迷言ー」
「という訳で、帰るまでの間、ラジオ形式で色々語っていきたいなぁーという次第ですねー」
「はい、そういうことで、本日は試験運用で15分、」
「異世界からのラジオ、お楽しみくださーい!」
[間奏]
「なんか魔法っぽいことについて語るコーナー!!」
「えー、記念すべき初コーナーは、売りを活かしたということで。適当な名前の上無難」
「言うなし、個性は命よ! このコーナーは、こっちにある魔法、そして、こっちで起こった魔法みたいな出来事をわからんなりに解説していくコーナーでーす。」
「まあ、色々ありますからね。ネタの在庫は」
「そのとーり! この数ヶ月は今まで漫然と過ごしてきた十と数年に比べると密度がケタ違い! 精神と○の部屋くらいですよ!」
「余りにも過言。と、ぐだぐだしてしまっているので早速」
「ええ、行きましょうか! まずはよしのんから!」
「記念すべき第一不思議は……異世界語、ですね」
「あーそこからいく? 魔法じゃないじゃん。ニッチだなー。ま、不思議ですけれども」
「はい、異世界に降りて数日、この前も色々あったのですがそれはまた次の機会になんですけど、ついに第1村人を発見したわけですよ」
「いやー、人の形をしたものが私達以外にもいたと思っただけで安心したよね」
「はいはいゆとりゆとり。しかし、そこに立ちはだかるのは言語の壁。バベルを作ろうとしただけの人に癇癪を起こした神を恨みましたね」
「何もしてないのに恨まれる異世界の神さまかわいそう」
「ところがどっこいしょ」
「さてはオメー、テンション高いな?」
「見知らぬ言語ならまだしも、現地の人の母国語……英語だったんです。いや何故に」
「ニューヨーカーの先駆者がいたのか? あと書き言葉も見事に英語です本当にありがとうございました!」
「せめて日本語なら楽だっただろうに。ビミョーに単語が分かるのがさらに憎い」
「ちなみに、自慢じゃないけど私ら英語は赤点と戦って全戦全敗の猛者でーす!」
「いいや、私は1回勝った」
「どんぐりのなんとやらなんだよなぁ」
「むむむ……。しかし、それも過去の話です。鞄に入ってた新品同然の英単語帳と会話実践で、今やネイティブスピーカーですよ」
「今帰ったらまさに帰国子女! 英語の点数だけは跳ね上がるでしょうね」
「もう赤点魔とは言わせない」
「ほかの教科はさらに絶望的になってそうだけどねー」
「……じゃあ次。佐藤どうぞ」
「私のまずびっくりしたことはー、まあ魔法ですねー」
「タイトルに優しい」
「いやよしのんがいきなり言語とかおかしい。この世界割とファンタジーだぜ? ここで喧伝しないでどうするよ?」
「正論。」
「とにかく、実在するんですよ、魔法。しかし、内容はファンタジーじゃなかった。ガッチガチの理論ですよ。私達はファンタジー来てまで勉強しに来たわけじゃねぇー!もっとフィーリングでやらせろー!」
「やらせろー」
「どうせだから何か簡単なのを覚えるだけのためにまさか方程式解かされる羽目になるとは……。言語も合わせると前任者がいたことはかなーり現実的です」
「理系ニューヨーカーとは多分話合わないと思う」
「間違いない。ロジカルじゃなくてエモーショナルなスーパーナチュラルマジックこそが私のアイディール理想だからね」
「前言撤回。佐藤は多分上手くやれるよ」
「冗談だって。こちとら日本を愛するJK。英語なんて要らないですことよ」
「ダウト。JKって思いっきり英語」
「……あ」
………
……
…
「さて、そろそろエンディングの時間になってしまいました」
「結局後半ほとんど雑談に溶けていった気がする」
「ただの女の駄弁りを垂れ流しただけじゃねーか。これで聴衆は何か満足してくれたんだろうか? ていうか私達のこと何も話してなくね?」
「あ……。アドリブの弱みが。今度からはもう少し練っておきたい」
「……まあまた次の機会にでも。えー、最後お知らせです。番組では、ふつおた感想やなんかこんなコーナーとかやってほしいとかをどんどん募集します。はい、この際どんなものでもオッケー。面白ければ尚よし!」
「異世界からお送りしていますがなんか魔法(?)でなんとかしました。なんか私達の手元には届くようになっています」
「あ、そこのあなた、あなたですよ! 今パソコンとかスマホとか弄って小説とか読みつつ聞いてるあなた、ちょっと送ってきてくれませんか? いやもう、なんでもいいんで」
「こんな状況なのでちょっと拡散して欲しいっていうか……出来ればこちらの家族とかに繋がればこの上ない幸いですしね」
「この番組は毎週、多分毎週、放送されます。元の世界との時間の流れとかの調節で遅れるかもしれませんが! 決して皆さんの考えているような理由じゃありません! ええ、決して早々怠けようとは!!」
「余計怪しい……。まあ、こっちも割と切実な理由で放送していますから。はい、安心してもらって大丈夫です」
「はい、ということで、本日はお別れのお時間です。お相手はテンション高い方の佐藤と!」
「えー低い方の吉野がお送りしました。次週もおそらくこのお時間にお会いしましょうよっし最後まで噛まなかったーよしよし」
「では、」
「ばいばーい!!」「さよならー」
「Foo見事な不協和音ー!」
「有終の愚」
私のモチベ?欲しけりゃくれてやる。感想をくれ! 私の全てをそこにおいてきた!
という訳で、非常に恐縮ですが、「おたより」という名の感想を募集します。ペンネームとかあれば最高です。面白ければ感涙に咽び泣きます。
頼りない拙作ではありますが、どうか応援の程、よろしくお願いします。