第84話 大人とは……
∠(`・ω・´)
そんな訳で、ブラが壊れたから繁華街に来てます。
街の商店街でも買えはするけど、あのホックの壊れたブラは、繁華街のランジェリーショップにしか売ってない、私のお気に入りだった。
カワイイ下着って高いけど、下着一つで気分が上げたり出来るからバカに出来ない。
「いらっしゃいませ〜!」
店員さんの可愛らしい声が店内で響いて、私は早速採寸してもらった。
そしたら……
「85のEですね」
前に測った時よりも、やっぱり胸が大きくなってた。
サイズもDからEにレベルアップ。
でも仕方がなかった。
だって2ヶ月近くも引きこもってたら、そりゃ大きくもなるよね!?
精神にキテたとはいえ、運動しとけば良かったよ………。
それにしても、痛い出費だなぁ…。
今あるブラも、全部買い替えないといけないし。
とりあえず、シンプルでカワイイ物を、上下セット5点だけ購入。
それでも軽く1万円超える事になるけど……。
「ありがとうございました〜!」
買った物を下着ブランドの紙袋に詰めてもらって、私はお店を後にする。
色々時間が掛かって、時刻はもう18時。
早く帰らないと、龍太郎がご飯作って待ってる。
私は足早に帰ろうと、歩行者天国を歩きながら、最寄りの駅入り口へと足を進めようとした……。
「あ、君がそうだね?」
突然、私は声をかけられた。
振り向くと、多分…50代後半くらいかな?
天然パーマの七三で、目が細い………控えめに言って気持ち悪い男の人が、私に話かけてきた。
「え、な、何ですかアナタ?」
「ん? イヤイヤ、君でしょ? アプリで僕と会おうって約束したじゃないか」
身に覚えのない約束をしたと言ってきた男の人は、私の手を……恋人繋ぎのように絡めてこようとする。
イヤ、何この人、気持ち悪い!
「ちょ、何ですかアナタ!?」
「イヤイヤイヤイヤ、その○○○の紙袋と、その大きなおっぱいが特徴だって、君がメッセージ送ったでしょ?」
ゾワッッッ!!!
全身に悪寒が走った。
この人、私を誰かと勘違いしてるみたいだけど、メッセージのやり取り聞いた限り、多分パパ活だと思う。
そう思うと、目の前の男の人が余計に気持ち悪く思えてくる!
「ホントに違います!
私、アナタの約束の人じゃありません!!」
「え〜?本当にそうかな?
僕は絶対にそうだと思うんだけど、本当に違うの?」
「違います!!」
尚もしつこく私に言い寄ってくる男の人に、私はNOを突きつけるけど、この人は自分を過信してるのか、どこか私を見下している様な下卑た視線を向けてくる。
私の身体をジロジロ見て、最後に私の顔を見る。
「んじゃあ君で良いから、ちょっと僕に付き合ってよ」
………は?
"君で良いから?"
なんなのこの人??
デリカシーが無いにしても程がない?
「付き合ってくれたら、10万上げるからさ、ね?」
普通に笑ってるだけなんだろうけど、この人の笑顔が心の底から気持ち悪い!
それどころか狂気すら感じてしまう!!
良識良心を、お母さんのお腹の中に置いてきたみたい……。
「ちょっと僕のお願いを、聞いてくれるだけで良いからさ」
こんな人集りの多い中で、喧騒が男の人の気持ち悪い言葉を遮って、道行く人の耳に入ってこない。
悲鳴を上げようとした、その時だった。
「オイ」
ガッ
聞き覚えのある声が聞こえた。
その方向へ、目を向けると……
「アタシの連れに、何か用か?」
タバコを咥えながら、男の人の腕を掴み上げて、修羅の様な顔付きで睨みつけているのは、セツさんだった!
「な、なんだキミは?」
「アタシの連れに、何か用かって聞いたんだよ?」
男の人が腕を振りほどこうとするけど、セツさんの指はまるで鉄みたいに食い込んでる。
「き、君は僕を誰か知らないのか!?
僕は…」
「誰だよオマエ?」
男の人が声を荒げようとした時、セツさんは被せるようにし男の人言葉を遮って「誰だ?」と問い質す。
男の人は、セツさんの顔を見て固まった
もう、なんと言って良いのか……。
言うなれば、まるで仁王の様な顔で、男の人を睨みつけている。
っていうか、あんな顔のセツさんを初めて見た……。
あまりの形相に、男の人は内心ビビった様子で、何も言わずに私達の前から、足早に姿を消して行った。
「………はぁ、ありがとうございますセツさん」
思わず溜め息が出るくらいに、気持ち悪かった男の人が逃げてくれ、私は心から安心して、セツさんにお礼を言う。
セツさんは私の頭をワシワシ撫でて、「いいってことよ」と、タバコを咥えて火をつけながら笑顔を私に見せてくれた。
「最近、変な奴が彷徨いてるから、気を付けろよ?」
「はい、ありがとうございます」
見た目派手で、刺青で厳つく思える印象だけど、セツさんってホントに頼りになるなぁ。
スゴい服装だけど。
クロスストラップのクロックトップを着て、肩のトライバルタトゥーをシアーメッシュの可愛さで厳つさを相殺している。
そしてローライズのホットパンツに、厚底チェーンブーツ。
セツさんの服装は、所謂"エロカッコイイ"服装で、見ててちょっとドキッとする。
腰のクビレもすごくキレイ……。
「フフっ、あんまり見られると照れるな」
「あ、ご、ごめんなさい」
「かまわねぇよ」
全身黒色でセクシーさと、赤い髪が抜群に合ってて、つい見惚れてしまったよ////
私もいつか、ああいう風になれるのかなぁ?
それにしても、
「セツさん、どうしてここに?」
「ああ、仕事で今夜クラブで会う約束の人間が居てな」
クラブって、たしか陽キャ達が集まってお酒飲んで音楽爆音で鳴らしてる、あのクラブかな?
何年か前のドラマで、テレビで再放送されてたくらいにしか知らないけど。
それに、イメージ的に犯罪の温床になってるけど……
「昔はそうだったな。
けど今は、入るのに身分証明書が必要だし、金属探知ゲートを潜って入る所や、ボディチェックの必須義務もあるぞ」
そうなんだ、知らなかった。
「今はまだ、クラブが開くまで時間があるからな。少しブラブラしてるだけさ」
……セツさん、ある意味スゴイなぁ。
私、そんな格好で彷徨くなんて出来る勇気無い。
そしてソレを着こなしてるセツさんがスゴイ。
「人間、経験を積めば何でも出来るさ。成人したら、連れてってやろうか?」
「経験か……じゃあ、その時が来たらお願いしようかな?」
「ああ、そん時はまかせな」
大人っぽさが出たウィンクをして、もう少し軽く言葉を交わした後、私はセツさんと別れて電車に乗って帰って行った。
セツさんは千里眼で、私が電車に乗るのを確認した後、ご飯でも食べて行こうかと思って歩き出そうとした。
「あの〜、すみません」
けどその時に、セツさんの背後から誰かが声を掛けてきた。
声を掛けてきたのは……
「お姉さん、ここ喫煙禁止区域なんですよ。違反したから、罰金として1.000円を徴収します」
喫煙パトロールという文字をデカデカと載せたタスキに、工事用の反射ベストを着た60代のおじいちゃん達に、街中でタバコを吸ってた事を注意されて、1.000円の罰金を徴収された。
「あ…はい、すみません」
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同じ頃。
セツさんに迫られて、ビビって逃げ出したあの男の人は、駅から少し離れた所で、約束した筈の女の子が来るのをイライラしながら待っていた。
喫煙所でタバコに火を着けて、どの娘だ?と、目玉だけで見渡していた。
「あ、おじさんだね?この子と約束してたのは?」
声を掛けられた方を見ると、学校を特定されない様に、コスプレとかで使われる簡易なYシャツの制服姿をした、下着メーカーのブランド紙袋を持った、胸の大きなあどけなさが残る少女が1人。
と、セーラー服姿の…………フレネがそこに居た…。
男の人は2人を見比べて、心の中で小躍りして、その嬉しさが顔にも出ていた…。
Yシャツ制服の少女が、物凄く嫌そうな顔をする。
「おじさん、そんなキモ嬉しそう顔しないでよw
この子の気分が沈んじゃうから♪」
いい歳した大の大人がしていい表情じゃない。
少女の前に出たフレネは、男の人の隣に並んで、セーラー服の胸元軽くパタパタ扇いで、可愛らしい下着と、その下着に包まれている胸の谷間を、男の人の興奮に刺さらせ、主導権を取って行く。
「約束通り、まずはあの子からサービスしてあげるから、行きましょ♡」
鼻の下が伸び切った男の人は、それはもう嬉しそうにフレネに引っ張られて行く……。
親子ほどの年の差があるのに、倫理観が働かなければ、悲惨な結果を生む。
後に、この男の人は、ソレをイヤというほど味あわされる事になるのを、今はまだ知らない。
「あの子が終わったら、キミは何をしてくれるのかな?」
「フフっ、アタシ?」
「そう、キミw」
「お金いっぱい貰えるなら、色んな事、シテあげるわよ♡」
男の人はフレネの誘惑に乗って、鼻の下を伸ばしに伸ばして、ホテル街の方へと行った。
この男の絶望は、まだまだ先の話ですから、もうちょいだけ期待しててくださいね
では、今回は以上です∠(`・ω・´)




