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処女作です。

優しい目で見てください。

「みんなー!私!死んでもいいかなー!?」


 私は今、ライブハウスにいる。

それも客席ではない。ステージ側にだ。


『いいよー!!』


 コールアンドレスポンスで客から返ってきてしまった。

これでは()()()()()()()()()ではないか


「それじゃー!行っくよー!」

『おいでー!!』


 なんでこんなことになっているのかと言うと、少し前に遡る。


「君には肋骨街(ろっこつがい)に行ってもらう」

「はい?」


 3ヶ月前、私は大学を卒業後なんとか名前も聞いたことないような企業に就職。

そこで昨日やっと研修が終わり、さあこれからお仕事だと思った時、直属の上司にこれを言われた。


「あのー肋骨街と言うのは...」

「東京の地下6千メートル近くにある日本のボーンシティだ。君にはそこに行って人外達とバンドを組んでもらう」


 地下6千メートル!?ボーンシティ!?人外達とバンド!?

意味のわからない言葉の洪水だ。私はこの上司が気でも狂ったのかと思ったが、あくまでも上司だ。言葉を柔らかくしていこう。


「頭は大丈夫でしょうか...?人外達とバンドと聞こえたのですが...?」

「事実だ。だが今は君にそれを話している時間はない。今すぐ出発してもらう」


 いつのまにか後ろに回っていた黒服サングラスによって私は気絶させられ、どこかに連れられていく。私が最後に見たものは、申し訳なさそうな上司の顔と暗い天井だった。


 次に起きたのは車の中で、起き上がると同時に天井に頭をぶつけた。

見えたのはひたすらに真っ暗な闇だった。


「へっ!?どっどこへ向かってるのでしょうか!?」

「肋骨街だ。今からバンドのメンバーに会ってもらう」


 どうやら肋骨街とやらに向かっているらしい。窓からの景色によると相当なスピードを出している。


「これってスピード違反なんじゃないですか?」

「連れ出されてすぐに聞くことがそれか。安心しろ。

これから行くところでは日本の法律など通用しない」

「は!?そんな危険なところに行くんですか!?帰らせてください!?」

「駄目だ。君が肋骨街に行くのは決定事項だ。それに、君が思っているほど肋骨街は危険じゃない。あそこの連中は少し特殊だか、ルールは守る」

「ルールはってなんですか!!ルールはって!!私の身も守ってくださいよ!!」


 ここへ来て気がついてしまった。そういえばそもそも肋骨街のことを教えてもらっていない。人外とバンドを組むということは、つまり()()()()()ということだ。


「っ!もういいです!それより肋骨街というのがどんなところなのか教えてもらってもいいですか?」

「いいだろう。肋骨街とはさっきも言ったが、日本のボーンシティだ。人外達が地上に出て、騒ぎを起こさないために閉じ込めておく為の檻だ」


 !?

檻だと!?とんでもないことを言ったぞ!?


「安心しろ。犯罪者ばかりというわけではない。むしろあそこにいるのは友好的な人外ばかりだ。無論それだけではないがね」

「安心しろって言ったり、それだけではないって言ったり、私を安心させたいのかそうじゃないのかどっちなんですかあんたは...」

「クハハ、ジョークだよ。ジョーク。」

「私こんなに怖い思いしてるのにジョークだなんでどんな神経してるんですかね...」


「人外の都市ではあるが統治しているのは人間だ。それにあれほど他人に優しい人間はいないよ」


 肋骨街を統治しているのは人間らしい。それに優しいときた。怪しさが加速する。それにこんな上司が言うことを信用していいのだろうか。


「大丈夫だ。私は嘘はつかんよ。あいつに会えばそれがわかることだろう」

「勝手に脳内を読まないでください」

「おっと、これは失礼」


 ?

なにやら光が見えてきたと思ったらいきなり車が減速しだした。


「どうやら到着したみたいなだな。」

「えっ!?もう!?」


 到着してしまった。ここから私の地獄が始まるらしい。


 なにやら奥から美しい少女が現れた。白髪ロングで、頭の上になにやら奇妙な帽子を載せている。


「ようこそ地の果て肋骨街へ。歓迎するよ」

「おや。まさかこんな大物が出迎えとはね。紹介しよう。彼女がこの肋骨街を統治する女王。肋骨(あばらぼね)莉無(りぶ)だ」

「よろしく。我らが救世主よ」


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