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パラレルフィスト~交差する拳~  作者: 黒主零
4章:遠き日より来りて
111/158

110話「ガイアノチカラ」

23:ガイアノチカラ


・スライムのようにドロドロの金属となっていた

ゴッドキングがやがて元の人間の姿に戻って立ち上がる。

その正面には胸を貫かれて大量の血を流しながら倒れるライラ。

「ど、ど、ど、どうしたことでしょうか~~~!!

ライフは確かに発動されているというのにユイム選手がユイム選手が・・・!!」

アナウンスが叫ぶと客席でも騒々しい波が起きた。

「せ、先輩・・・!!」

パルフェが慌ててライラに近寄りどうしたらいいのかと手を泳がせる。

と、その手をライラが掴んだ。

「ぱ・・る・・・・さ・・・」

「先輩!大丈夫ですか・・!?」

血を吐きながらライラが何とか立ち上がる。

しかし胸からも貫かれた背中からも血が迸り続けている。

手も足も痙攣していて立つことの

出来ない体であることを全力でアピールしていた。

きっとパルフェが肩を貸していなければそのまま倒れてそして・・・。

「ごふっ!!」

「先輩!!」

膝から崩れライラがうつ伏せに倒れて

己から流れ出た血の海に顔をうずめる。

もうとうに失血死していてもいい出血量だ。

が、ライフの効果で死ぬということが避けられている。

だからライラは不屈の闘志で無理矢理意識を保っていられているのだ。

しかし、そのライラをゴッドキングが踏みつける。

「え!?」

「試合はまだ終わっていない。フリーズ・行使(サブマリン)」

光国が唱えるとライラとパルフェの手足が凍りついた。

そしてゴッドキングが動けないパルフェを殴り続ける。

と、

「ライラくん!!」

舞台にシュトラ、ケーラ、キリエが走ってきた。

しかし中には入れない。

もし今入ってしまえばライフの効果適用人数が変化することで

一度ライフの効果が切れてしまう。

そしてそうなればライラは間違いなく失血死してしまう。

ブランチは邪魔なライラを排除しようというのか。

いや、それより確か引っかかる重要なことがあった気がする。

「・・・そうだよ、

チェンジした人が片方死んじゃうともう片方も・・・。」

「ということは・・・」

「ライランドくんが死んでしまえばユイムも、ライランドくんの体を持った

ユイムが死んでしまう。しかも即死ではなくゆっくりと・・・。

そうなったら天死が襲来してしまう・・・!!」

ユイムは客席にいる。つまりここでライラの体を持ったユイムが

ゆっくりと死んでいくことになってしまうと多数の人間がいる

この場に天死が押し寄せてきてしまうのだ。

「け、けどだったらどうして泉湯王国(アク・サスファンテ)でヒカリちゃんが

ライラくんの体で死にかけた時は来なかったの・・・!?」

「・・・性殺女神(セキシキルアルクス)の力・・・。

性殺女神(セキシキルアルクス)の大元はシキルさんが

泉湯王国(アク・サスファンテ)を守ろうとしたことで生まれた存在。

なら性殺女神(セキシキルアルクス)が泉湯王国(アク・サスファンテ)を滅ぼす要因となり得る

天死を来させなかったのではないでしょうか・・・?」

「・・・恐らくそうでしょう。あのアルクスと言う女性は

性殺女神(セキシキルアルクス)の力で泉湯王国(アク・サスファンテ)中に結界を張っていましたわ。」

「・・・でも、どうしたらいいの・・・!?

ライラくんはもう意識があるだけで立つことも出来ない!

パルフェは回復のカードを持っていないし

誰かが舞台に入ることも出来ない!

それに相手はブランチの息がかかってナイトメアカードを使って

ライラくんを襲ってる・・・!一体どうしたら・・・!」

「・・・待ってください。

ライフのかかっている人数が減ったら・・・ですよね?

ということはあちらのゴッドキングさんはどうなるんですか・・・!?」

「・・・恐らくあの方はナイトメアカードによって作られた存在。

この勝負、ゴッドキングさんが完全に破壊されても

それを操る水戸さんが倒れても

ライフの効果が消えてライランドくんは死に、ユイムも・・・。」

3人が必死に思慕するがいい案は全く出てこない。

その間にもライラもパルフェも

ゴッドキングによってボロボロにされていく。

「・・・ううう、」

足を地面ごと凍結させられているため倒れることも出来ずパルフェが苦しむ。

「私が・・・私がなんとかしないと・・・私が・・・私が・・・」

想像を絶する激痛に意識が遠のいていく。

と、うっすらと浮かんでくる映像があった。

暗闇の中で自分に襲いかかる闇を蹴散らす岩窟の獣の姿。

「・・・私がお前を守ろう。」

「・・・あ。」

気付いたらその手に大地(ガイアス)のカードが握られていた。

「大地(ガイアス)・解放(トルード)!!」

ほとんど条件反射だった。

カードが発動されると殴り来るゴッドキングを弾き飛ばして

そこに全身が岩石で出来たライオンのような姿の獣がそこに出現した。

「あなたが・・・」

「我が名はガイアス。ナイトメアカードの三大召喚獣の1体。」

その声は外見からは想像できないような優しい父親のような声だった。

「ガイアスさん、先輩が死んじゃいそうなんです・・・!」

「・・・あれか。」

ガイアスはライラにそっと近づくとライラが倒れている地面が光り輝く。

と、大地から魔力やマナが流れてきて一気にライラの傷が塞がっていく。

「・・・あ・・・れ・・・?」

急に楽になったことに違和感を抱いたライラが立ち上がる。

「先輩!!」

パルフェが全速力で抱きついてきた。

その温かみを感じながらもガイアスの姿を見上げた。

「・・・あなたはまさかキマイラと同じ・・・」

「ほう、キマイラを知っているのか。ならば剣人にも会ったようだな。」

「え、ええ。まあ・・・」

「ならば私にとってそなたらは仲間だ。お前、名前は?」

ガイアスが自分を召喚したパルフェを見やる。

「ぱ、パルフェ!パルフェ・可憐DOW!」

「変わった名前だな。しかしまあいい、パルフェよ!私を使うがいい!!」

そう言うとガイアスはカードの姿に戻りパルフェの手に来たる。

「大地(ガイアス)・行使(サブマリン)!!」

発動を詠唱するとパルフェとライラの足場を除いた全ての大地が砕け

砂の粒子となりその無数の砂が1つに集まり

全長6000メートルをも超える超巨大な巨人の姿になった。

そしてその巨人がゴッドキングを掴み上げて

9回投げ飛ばして粉々に潰した。

「な、なんて規格外なの・・・!?」

そして光国には敢えて足場を残し

その足場に震度8の地震を直接発生させる。

不意に激しく全身を揺さぶられて光国の小柄は瞬く間に限界を迎えて

彼女は気を失って倒れた。

それを確認すると砂の巨人は消えて舞台が元通りに戻る。

「す、すごい・・・」

加勢を忘れてしまったライラが思わずつぶやく。

「・・・え、えっと、ごほん!

色々すごいことがありましたが勝者・山TO氏高校!!」

アナウンスがかかりライフの効果が切れる。

「ライラくん!大丈夫!?」

すぐに3人が走ってきた。

「あ、はい。もうなんともありません。」

「ライラくんさっきのは・・・」

「ええ。キマイラと同じ召喚系ナイトメアカード・・・。

でもどうしてガイアスがパルフェさんの所に・・・?」

「はい。さっき思い出したんですけど

実は昨夜私はブランチにカードを渡されそうになった時に

いきなり現れたガイアスさんに助けてもらっていたんです。」

「・・・ってことは逃げるようにブランチが去っていったのは

ガイアスに撃退されたから・・・!?」

「・・・今大地を通して私はこの時代の、そしてお前達の情報を知った。」

「え?」

急にガイアスがカードから声を出した。

「お前達が剣人に襲われたことも知った。その理由も。」

「・・・ということはもしかして・・・」

「いや、私はお前達の味方をしよう。

800年過ぎようが剣人もキマイラも基本バカの類だ。

あの二人が先走って決断したことなどその場しのぎの案に過ぎないだろう。

改めてよろしくたのもう。」

ガイアスに言われて思わずライラとパルフェが頭を下げた。

「・・・じゃあ、次は私だね。」

シュトラが舞台に上がる。

「シュトラさん、頑張ってくださいね。」

「もち!」

ライラからのエールにVサインで応えるシュトラを

背にライラ達は控え室に戻った。

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