おまけ.桜沢さんのところの美咲ちゃんを見習いなさい
でも、こういうタイプって大体腹の中は真っ黒なんだよねぇ……
まぁ、お金持ちのお嬢様が外敵と渡り合うには多少腹黒の方が逆に信頼できるかもしんない_(:3 」∠)_サスガニシンセカイノカミマデイッタラアウトダケド
おまけストーリー?
桜沢美咲はいわゆるお嬢様として育てられた。
ただし、世間一般が想像するようなお嬢様。門の前に黒塗りの車が並び、使用人がずらりと控える豪邸の令嬢――というわけではない。桜沢家は代々地元に根を下ろした名家であり、地域の行事や祭事には必ず名前が連なり、寄付金を出すだけでなく、家族総出で受付や設営、片付けまで手伝うような家柄だった。
だから美咲は、お嬢様でありながらも庶民の友人が多かった。小学校も遠方の上記のようなお嬢様やお坊ちゃまが集う私立ではなく、地元で作った友達と共に通える公立へと通うことにしたのだ。
そんな美咲のお気に入りであり、一番の友人が伊豆木優華だった。
彼女は母子家庭であり、母が切り盛りする子供食堂によく姉と一緒に訪れる常連だった。
貧乏で、母親も仕事であまり家にいない。でも優華は、そんな環境を不幸とは思わないほどに明るく前向きだった。誰とでもすぐ仲良くなれるし、料理も得意。外見だけを見れば、完璧な美少女とでもいうべき子だった。
まあ、中身はかなり察しが悪かったり、妙なところにこだわりがあったりして、割と残念な要素もある。だが、そうした残念な要素は美咲自身も持っていた。
美咲は一見すれば、成績優秀で品性のあるお嬢様。両親と一緒に地域の行事やボランティアにも積極的に参加しているので、大人達は「桜沢さんのところの美咲ちゃんを見習いなさい」と良い子の代表格としてみられていた。
美咲自身もそれを自覚しており、常に同年代の子供達の見本ともいうべき振る舞いを心がけていた。
しかし――美咲の本性は、傲慢で強い支配欲を持つドSだった。
だからこそ美咲は、優華を親友として大切に思いながらも、常日頃から彼女を支配したい、屈服させたい、その無邪気な笑顔を絶望に染めてやりたいという、歪んだ想いを抱いていた。優華が身内である姉と同等に信用してる相手にしかみせない無防備な笑顔。自分を信じ切っている瞳。そのすべてを、自分の手で覆してしまいたい。そんな願望を秘めていたのだが、現実はそう都合よくいかない。
「あの子、楽観主義過ぎるからなかなか上手く行かないのよね。かといってあまり露骨な事やると、私の評判悪くなるし……おまけにあの子からの純粋な好意向けられると……決心がついついにぶっちゃうじゃないぃぃぃぃ!!!」
といった具合に、悪意への鈍感さやら世間の評判やらのせいで、その歪んだ願望は成就しないのだ。
「でも……あれがあの子の良い所だし、ただ私の点数稼ぎに利用する関係でも別にいいかな」
そう自分に言い聞かせていた矢先……
あの事件。優華の誘拐監禁事件が起きたのだ。
事件そのものは即座に解決し、優華も無事だった。
各関係者もあまり騒ぎ立てて大事にしたくない思惑があったので、事件は内々で処理された。
それはよかった。よかったのだが、美咲的にはどうしても看過できない問題があった。
それは……
「優華ちゃんが縛られて監禁されてたって……なんでその場に私居なかったのよ!!あの子を縛るのは、私の密かな願望だっていうのにぃぃぃぃぃぃぃ!!! あー私の馬鹿馬鹿!!」
優華の縛られてる姿を見れなかったということだ。
それなら正面から「縛らせて」と頼めばいいじゃないか、と思うかもしれない。けれど、それができない事情があった。
「そんな事言ったら、私変態扱いされちゃうじゃない!!ドン引きされちゃうじゃない!!」
美咲の本性は傲慢で強い支配欲を持つドSでも、変なところでヘタレだった。だから実行に移せない。自分の欲望を露わにして、優華に嫌われるのが怖い。周囲から軽蔑されるのが怖い。結局、彼女はいつも想像の中で優華を支配し、屈服させるだけしかできないのだ。
だからこそ、この一件は忘れようとした。あまり焦燥感を募らせ過ぎると本性が周囲に露呈するし、また次のチャンスが来ると信じて待つことにしたのだ。
そんな彼女の心の内に秘めた願望は……ある者の耳に入った。
そのある者はにやっと笑い、就寝中の彼女に近づく。
そして……
———
その日、彼女は夢の中で目を覚ました。
「ここは……?」
場所はどこかの倉庫の中だった。冷たい空気が肌に触れる。コンクリートの床。高い位置にある小さな窓。鉄の扉。薄暗い照明。とりあえず起き上がろうとしたが、なぜか身体が上手く動かない。腕が後ろに回され、何かに固定されていたのだ。
「えっ、なに……なんで私、縛られてるの!?」
都合よく置かれていた鏡に映っていた自分は、なぜか高校生ぐらいにまで成長した姿だった。着ている服も寝巻ではない。先日の応援でも着ていた赤をベースとしたセパレートタイプのチアガール衣装を着ており、後ろ手にきっちり縛られている。鏡の中の美咲は、困惑と羞恥と、ほんの少しの恐怖を浮かべていた。
「どういうこと……夢? これは夢なの? だとしたら、誰がこんなことを……」
もがこうとするたび、縄がきつく食い込む。痛みはある。なのに、夢にしてはやけに生々しい。彼女は息を呑み、鏡の中の自分を見つめた。あの優華が監禁されたとき、こんな気持ちだったのだろうか。そんな考えが頭をよぎる。
そして――倉庫の闇の奥から、足音がひとつ、またひとつと近づいてきていた。
とぅーびーこんてにゅーど
こんな終わり方してるけど、続き書くかどうかは未定である。
まぁ、リクエスト次第ではAIさんの力を借りて続きを書くかもしんないし書かないかもしれない……?




