夏の暑さが「Level up!」した(その六)
というか、自分のが枯れたら、他の子のも枯らす!
恋の抜け駆けは絶対に許さない。喰らえ、虫メガネ光線!
全国各地から次々ともたらされる悲報に、
「アサガオの被害状況、九〇パーセントを突破しました!」
文科省は頭を抱える。
また学習範囲を変更しなければ。
しかし、中学三年生でこの惨状だと、高校生でも難しくないか?
そんな厳しい現実を前に、
「『モーニング・グローリー・ザ・ワールド』!」
文科省の中でも、このフレーズを口にする者たちが現れた。
そして、夏の終わりに、最終結果が発表される。
アサガオの最終被害状況は、九十五パーセント。
中学三年生たちは五パーセントのアサガオを守り抜いた。
よくがんばった。
たしかに、これまでよりは良い結果だ。
が、たったの五パーセント。
「この暑さで、アサガオを枯らさずに育てるのは、中学三年生でも難しすぎるかと」
では、どうするのか。
アサガオの観察日記を、高校生の学習範囲に変更するのか。
この時、すでに動き出している者たちがいた。
大学の農学部である。
大学生たちは開催する。
全国の農学部対抗による、『アサガオ・サバイバル・チャレンジ』。
各大学が百鉢のアサガオを用意して、枯らした数の最も少ない大学が、「優勝」となる。
今年は準備が忙しくて、開催するのが間に合わなかった。
なので、第一回は来年。
彼らは早くも、連名で広告を出した。
――全国の小学生と中学生よ。大学生のすごさを、君たちキッズに教えてあげるぞ。
しかし、大学生たちはまだ知らない。
来年の夏は、酷暑を上回る「超極暑」になることを。




