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第十話 盗賊達は大丈夫か?

「なんで貴族家のが安物の服着て一人で街道に居るんだよ!」


何者かを尋ねられたから答えたら、何故か怒られた。


「・・・盗賊の貴方が危機感が足りないだとか言いますか?そんな相手を食い物にしている貴方が」

「・・・つまり何が言いたい」

「お前が言うな、と」


俺が無表情でそう言うと、お頭さんはツイと視線を逸らした。自分でも思う所があったらしい。


「・・・そろそろその二人も起こした方が良く無いですか?」

「ああ、そうだな。・・・頼めるか?」

「他力本願ばかりですね」

「済まん、迷惑をかけるな」

「まぁ、良いですが」


俺は溜息を吐いた後、魔法で治療した。


「ん?俺は一体・・・?」

「確かお頭の拳骨で気絶して・・・」

「おう、お前ら。目ぇ覚めたか」


目を覚ました盗賊の二人にお頭さんが声をかけた。いや、腕組んで胸張ってるけど、覚めさてたのは俺なんだが・・・。









◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆








「えーっと、お頭?結局はこのガキは如何するんすか?」

「あんまそんな口聞かない方がいいぞ。伯爵家の御令嬢らしいからな」

「・・・え、ガチっすか?」

「おう、ガチだぞ」


目が覚めた盗賊二人とお頭さんの会話を俺は離れたところで聞いていた。


《さっきまでオレ達、まるで空気っスね》

《認めたくないものだな、自分自身の、存在感の薄さというものを》

「何話してんだよ」


盗賊達から少し離れた所でこそこそ話していたクロとロウキーの元に近寄って声をかけた。


《あ、主人殿。終わったっスか?》

「口調が戻ってるぞ、クロ」

《そこは気にしないで欲しいっス》


こちらを向いたクロはそう言った。しかし・・・


(尻尾を振りながらそうすると唯の仔犬にしか見えないぞ、クロよ・・・)


本来は獰猛で恐ろしい漆黒の魔狼の筈なのに、だんだん飼い犬化が進んで来ているクロに少し残念に思いながら、俺はロウキーに視線を向けた。


《なぁ、嬢ちゃん。盗賊の思考回路は大丈夫か?》

「・・・さぁ?」


俺はロウキーの視線の先、馬鹿な会話をしている盗賊達を見て、呆きれの溜息を吐いた。

クリーパーカーガール・・・可愛いです!

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