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はじめてのいらい! その2

異世界人は魔法と言います。

元の世界では魔術と言います。

街を出てしばらくのこと。


「あそこがあるかもしれない森?」

「そうね。このあたりだとそこしかないのじゃないかしら。」

「このメンバーなら何が来ても平気だね。」


主にマキナが強い。


「そうね。私とアリスはともかく、マキナは強すぎるからね。」


森に近づくに連れ木々のせいで日が入らず薄暗い道が見えてきた。

これなら病去草がありそうだが、一般人が入るのにはいささか危ない。


草木が多く、魔物が何処から来るかわからないのである。

気づいた時には真後ろで振り返りと同時に噛み千切られるなどあるかもしれない。


「さすがに入り口付近には生えてないか。」

「楽しようとしてもダメよ。入り口なんかで生えているわけがないじゃない。」

「それもそうだよね。」

「まぁ。奥に進みましょう。」


マキナ達は森へ入っていった。

森の中はやはり薄暗く人が通る場所だけ草がない。


この道は人が通るようだ。


マキナはいつでも迎撃出来るようにレーダーの監視を怠らないようにしていた。

レーダーには直径200m以内の生物反応が映っていた。

まだ敵性を示す赤い点は無く、青い点が2つあった。

これは登録したアリスとミルフィーだ。


「警戒は私に任せて。」

「わかったわ。マキナに任せる。」

「じゃ、私達は病去草を探すのに専念するね。」


マキナ達が薬草を探し始めてしばらくの事。

近くまで近づいていた白い点が方向を変えこちらに向かってきていた。


「生物反応5。こっちに来てるよ。」


マキナがそう言うとマキナが向いている方へ2人が向き直った。


ミルフィーが魔法を詠唱し、アリスが剣を構える。


白い点が徐々に近づいてくる。

残り20mを切った辺りから白い点が赤い点に変わった。

どうやらこちらを視認したようだ。


“赤外線モード”


マキナの目には温度差で辺りが表示され森の奥の方に5体の生物を捉えた。


その生物は4足歩行である。


「敵は4足歩行。オオカミ?」

「この森に居るのはダイアウルフよ。それほど強くないけど連携を組んでくるから気をつけて。」

「「分かった」」


2人が答えると先にいる5匹はこちらに走ってきた。


「来るよ!」


マキナがそう言うと茂みからダイアウルフが飛び出してきた。


“通常モード”


赤外線モードから通常のモードへ切り替えた。

そのほうが見やすいのだ。


ミルフィーはバックステップをしながら詠唱で止めていた魔法を発動させた。

「<ウィンド・カッター>」


風の刃がダイアウルフの一匹を切り裂く。

肉が裂け、内臓が切り裂かれる。

鳴き声と同時に一匹は地面に落ちた。


ミルフィーの隙をカバーするかのようにアリスが前に踏み出し剣を振り、牽制をする。

マキナは飛びかかってくるダイアウルフを蹴り返した。

ダイアウルフは下顎を砕かれ回転しながら地に落ちた。

マキナはサマーソルトと言う格闘術を使ったのだが、マキナの体はとんでもない力のため、加減したと思ったが顎が砕けてしまった。


残り3匹の内、二匹がアリスへ跳びかかり、一匹がミルフィーの方へ向かった。

アリスは瞬時にバックステップをした。

ダイアウルフは避けられると思っていなかったのか仲間同士でぶつかった。

そこにアリスの剣が振られる。

一匹はその場で斬り伏せられたが一匹は間一髪脱出したようだ。

「ミルフィー!」


アリスは一匹を視界に収めながら叫んだ。


「大丈夫!<我を守り給え!ウィンド・シールド>」


風でできた壁がミルフィーの前に現れ、飛びかかってきたダイアウルフは壁に激突し、それによりダイアウルフに隙ができた。


「<風よ!彼の者を切り刻め!ウィンド・カッター>」


風の刃がダイアウルフの首を切断した。

ダイアウルフは胴体から血を吹き出させ首は地面に転がり倒れた。


残り一匹は仲間が殺られ、不利だと悟ったのか逃げていった。


「逃げたね。」

「そうだね。」


アリスとマキナがそう言った。

マキナは顎を砕き脳震盪状態のダイアウルフの元へ近づき、オオカミの心臓の位置に手を当て衝撃魔術を行使した。

オオカミの体はビクンっと跳ね、動かなくなった。


魔術の衝撃でダイアウルフの心臓を止めたのだ。

生きている人に心臓マッサージをしてはいけないのと同じだ。


「ふぅ。片付いたね」

「この程度なら問題ないね。」

「そうね。」

「それにしても魔法ってすごいね!風の刃がビュンって飛んでオオカミ切り裂いちゃうし!」

「あなたの魔術のほうがすごいわよ。」


そう言うと再び病去草を探し始めた。







各自散策をしているとアリスが声を出した。

「ねえ!これじゃない?」


2人が駆け寄ると木の影に生えている草があった。

マキナにはただの草にしか見えない。


「ちょっと待ちなさい。」


ミルフィーはそう言うと草の葉を裏返している。


「病去草よ。思った以上に早く見つかったわね。」

「??草の裏見てどうして分かったの?」


マキナがそう言うと、ミルフィーは説明してくれた。


「病去草は葉の裏が白い。それが一番の特徴なのよ。」

「ふむ。覚えたよ。」


マキナはミルフィーからの説明でデータベースに病去草のデータを追加した。


「それじゃ依頼人のところへ行きましょ。」

「だね。」

「ミルフィー。その薬草ちょっと貸してくれるかな?」

「?いいけど、どうするのかしら?」

「ちょっとどんな成分が含まれているのか調べてみるの。」


“スキャンモード”


マキナは歩きながら葉を裏返したりして見ていた。

10秒後にスキャンが完了した。


マキナの瞳にはパラメータと含まれる成分が表となって出てきた。


主に抗生物質と自然治癒を向上させる物質が入っていることがわかった。

抗生物質自体は自然の物だが、パラメータを見る限り元の世界にあった物より強いようだ。


「ふむぅ。」

「何かわかったの?」

「この草は抗生物質。病の元を殺す作用がある物質と自然治癒をの強化を促す物質があるみたい。」

「へーそうなんだ。」

「風邪を引いた時に煎じて飲むと良いかも。」

「おー。今度から持ち歩いてみようかな。」

「でも草の苦味もあるから気をつけてね。」

「うへー。」

「そろそろ出口ね。」


マキナ達は森から出た。

日はまだ高くマキナには12時27分と表示されていた。


「ちょうどお昼時みたいだね。」


マキナがそう言うとアリスが答えた。


「そうだねー。お腹へっちゃった。」

「そればかりは賛成ね。」

「じゃ、帰ったら昼食でも食べて依頼人のところへ行こうか。」


アリスとミルフィーは歩いてきた道を歩いて戻ろうとするがマキナに呼び止められた。


「ちょっと待って。街の近くまで戻れる方法があるんだ。」

「何言ってるのよ。この道しか無いじゃない。」


“空間跳躍起動”

“目標物確認”

“跳躍先確保完了”

“転移先位置座標確認…X:æ\ケヌカŒ–ã ,Y:ャ・(ヒァM。{ト7ム,Z:゜ヒァM'に転移されます。”


「(相変わらず文字化けしてる…)」


マキナは2人の手を掴んだ。


「え?何するの?」

「そうよ。教えなさいよ。」


“転送まで5秒”


「街の外の目立たないところに跳ぶだけだよ。」


“転移開始”


アリスとミルフィーは視界が振れたかと思うと次の瞬間にはティールの街の外にあった小屋の隣に居た。

マキナが出発際に行なっていた事は転移目標を作っていたのだ。


アリスとミルフィーは何が起こったのか理解できず、何回目かもわからない放心状態になっていた。


「おーい。大丈夫?」

「…ま、マキナ。何やったかわかっているの?」

「えー。街が目の前に。」

「何って転移だけど。」

「そ、それが問題あるのよ…。」


アリスは他所にミルフィーはまた眉間にシワを寄せていた。


「いい?転移は王宮の魔法使いが全員の魔力を込めて発動させるの。」

「うん。それで?」

「それでって…。これ発動するのに100人必要なのよ…。」

「おー。すごい多いね。」

「…。アリス何やってるのよ。行くわよ。」


ミルフィーはもはや何も言えなかった。


街の中に入り昼食を取ろうと出店あったのでそこで適当に購入していた。

「いっただきまーす!」

朝食の時に聞いていたのかアリスがそう言って食べ始めた。


ついでに食べているのは肉を5mm程にスライスした10cmほどの焼き肉だ。

剣士型のアリスはチームでは一番体力を使うのだ。

その分カロリーの消費も激しい。


「美味しい。後5皿は行ける。」

「私は一皿で十分だわ…。」


ついでに一皿2枚乗ってます。

マキナも一応食べている


空間跳躍は魔導炉の出力を上げて使用したので一時的に出力が低下していたのだ。

魔導炉の出力は魔力を送り込んでも回復できる。


少しばかりの摂取で魔力を回復するマキナ。

その隣ではアリスは今にも蕩けそうな表情を浮かべ食べて居るのであった。


自然の抗生物質はアリシンと言います。

強い抗菌・抗カビの効果を持ちます。

主に”にんにく”などに含まれています。

人口の抗生物質では特定の菌にしか対応できませんが、アリシンは様々な菌に対し効果を発揮し、菌に対し耐性をもたせません。


と、調べたら書いてありました。


13/5/12 誤字、表現修正

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