15話
魔法店を出て5分ほど歩いたら目的地。
温かい色味の外観が素敵なレストラン。
エリさんに促されて店内へ入ると・・もう素敵っ!!
落ち着くカラーでまとまっていて、絶対お料理も美味しいしかない!って思えちゃう。
ケイにも食べさせてあげたいな。
彼はやっぱり店先で待機中だ。
護衛任務だし、仕方ないよね。
気を取り直して、案内された席に着く。
「おや、先日来てくれてまたすぐ来てくれるなんて嬉しいね♪
今日は可愛らしいお嬢ちゃん連れて♪今日のメニューも期待しといてねっ」
「ありがとう!楽しみだわ~」
「期待してますっ!!」
「ははは!んじゃちょっと待っててね」
お水だけ置いて厨房へと去っていった。
エリさんいわく、あの方は店主の奥さまで旦那様が料理担当なのだとか。
お二人の人柄もあって、街の人たちにも愛されるここは日替わりメニューしかないという変わったお店。
でも・・どれも本当に美味しいらしい。
先日、お仕事帰りに部下の方と来店したらしく、
だから来るのが早かったと言われたのね~と納得。
早く食べたい!
お店の話を聞いてると、奥様が料理を運んできてくれた。
「はい、お待たせ。冷めないうちにどうぞ召し上がれ~」
本当に美味しそう・・・しかない。
もう涎・・は出さない。そこは貴族令嬢の嗜みよ。
トリのこんがりハーブ焼き ゆで卵をのせた大根とグリーンリーフとニンジンのサラダ トマトとタマネギのコンソメスープ
「今日のもほんとに美味しそうだわ・・」
「ほんとです~」
「「いただきま~す」」
もう夢中で食べちゃった(笑)
「デザートだけは3種類から選べるのよ、どれにする?」
とデザートメニューを見せてくれた。
「ん・・悩んじゃう・・レアチーズタルト木苺ソース添えにしようかな」
「あたしは、ガトーショコラにするわ♪奥さん~オーダーいいかしら~?」
「いまいきますよ~」
・・・
「デザートもすっごい美味しい!!」
「わかるわぁ・・もういちいち絶妙なのよ~」
「わかりますっ こんな良いお店教えてくれてありがとうございます!」
「ふふっ いいのよ~また一緒に来ましょう♪」
「ぜひ!! あ・・ごめんなさい。
わたし普段は王都から離れたところに住んでいて・・しょっちゅう会えるわけじゃなくて・・」
「え?」
そっか・・そうよねみんなが王都に住んでるわけじゃないものね。
プリム子爵家といえばミューテン国の東端ね。
王都までは数日かかるものねぇ・・
明後日にはたぶん、領地に帰る感じなのかしら?
何も言わずに帰したら、このまま関係が終わりそうだわ。
時間にして1分ほど。
お互い黙ってデザートを食べていた。
「ねぇ、あたしも遊びに行くから手紙のやりとりしたり・・もっとアナタと仲良くなりたいのよ、ダメかしら?」
ふと、デザートを食べ終わったリリベルはエリを見つめた。
そしてふにゃりと笑顔を見せる。
「ぜひっわたしもエリさんともっと仲良くなりたいなと思っていて、
話していても楽しくて・・時間を忘れちゃうくらい」
嬉しすぎて飛び上がりそうな自分を抑える。
ここからよ・・
距離なんて関係ないのよ。
「そういえば、エリさんの好きなものとか趣味とか知りたいです!」
「そうねえ・・
あたしはこんなナリだけど可愛いのがとにかく好きなのよ、
自分が着たいとかじゃなくて眺めて楽しむほうなんだけど。
趣味は料理かしら、最近は随分上達したって家族にも評判いいのよ♪」
「なるほど~素敵!わたしもお料理するからいつか一緒に何か作って食べたりするのも楽しいかも」
そんなこと・・新婚さんがやることよ!というエリの心のツッコミは空気に消える。
「アナタの好きなものや趣味も知りたいわ」
「わたしも可愛いものは大好き!綺麗なものや神秘的なものも惹かれちゃうし。
趣味はお料理 お菓子作り 刺繍 特に刺繍は時間を忘れちゃうからいつも家族に怒られちゃって(苦笑)」
「あら、それだけ没頭出来るくらい好きなことがあるっていいことよ♪」
「そう言ってもらえると(ふにゃり)」
「刺繍って、この前もらったハンカチの刺繍もそうよね??」
「そうそう、あれもわたしの作品なの」
「もうプロ並みよ?!貴族にバカ売れすること必至よ!」
「じつは・・
今回のお祭りのうちの露店で並べていて、結構売れてるみたいなの(テレ)」
「やっぱり!!!あたしが買い占めたいくらいよ~」
「大げさだわ・・それに・・エリさんになら毎月1枚ずつ送るわ、お友達だから」
「やだ、ほんと!?絶対よ~後で住所教えておくわね♪」
「ふふ・・わかった(笑)」
こんなに欲しがってくれるなんて、嬉しい♪
どんな図柄にしようかいまから楽しみが増えたなぁ~
「そろそろ出ましょう~あと1件連れて行きたい場所があるのよ、あ、お会計あたしがするからね」
「え?そんな・・わたしも出すのに」
「いいのよ~また今度どこか行くときに、そのときはお願いするわ」
「そういうことなら、ありがたく!」
「先に外で待ってるね」
「護衛くんのところでちゃんと待ってること!」
「わかってるから(苦笑)」
カラーン
と軽いベルの音を鳴らしてお店を出る。
出てすぐのところでケイは待機してくれていた。
お腹空いてるんじゃない?と聞くと、軽くそこの屋台ですぐ食べられるものを食べたとのこと。
良かった・・
大人しくケイと待っていると、エリがお店から出てきた。
「お待たせ!では次へ行くわよ~今日は時間的にも次で最後ね」
「わかりました、それならはやく行きましょ」
エリに手を引かれながら見上げると、
ほんのりオレンジからブルシャンブルーへグラデーションがかった空が広がっている。
周りはがやがやと喧騒が聞こえて祭りの夜という雰囲気・・わたしの心はちょっと静か・・
秋風が一吹き通り抜けていく。
冬まであと少し。
ちょっと物悲しい感じで終わってしまいましたが・・
最後は絶対ハッピーエンドなので!!
次回はちょっと騎士団の様子をアップしたいと思っています。




