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経験値は   になる  作者: 杏原 千鶴


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選択を間違えてはない

 私は、あんなちっぽけな村で、

 一生を過ごして、誰にも知られずに

 くたばっていい人材ではない。


 私の夢は、その名を聞けば、

 私の事を、誰もが讃えて崇める魔術師になることです


 夢は願うだけではなく、

 成就するための努力を、

 決して欠かしてはいけない

 夢が叶わなければ、私に価値など


ない。

 ________________


 今、私たちの旅に、必要とされていることは、なんでしょうか?

 ええそうです、

 最短距離で目的地に向かうことです。

 進むべき道はもう決まっています。

 道は樹海を選択すべきです。

 危険性ですか?

 そんなこと些細なこと、


死ななければ、何も問題はないです。


 大事なのは、

目的を実行するための、行動と

その手段を選ばないことです。


「サリソン、これどうしようか。」

 樹海の中で歩み始めた時は

大きな問題もなく、安全でした。

 だが、樹海の入り口が見えないほど進んだあたりから、風向きが変わった。

ゴブリン共の、愉快な笑い声が森の中でこだまし始めた時には、もう対応が遅れて、


私達は囲まれていた。


「どうもこうも、切り抜けるしかないですよ。」

 予想外の出来事に、私はうまくいかない焦りを隠して淡々と告げた。

「サリソン、なかなか難しいこと言うね。」

 彼は、苦笑しながら剣帯の中にある剣を構え、己の周りを警戒した。

背後にいる妹のサナラは、

心配そうに兄を見ており、

彼は、彼女を心配させないためか。

「大丈夫」その声が微かに聞こえた。


樹海の中は全貌がまだ見えない。

だが私達の周りはもう囲まれており

ゴブリン共が多数いるのだろう。

彼らの声が多数、耳に届く。

「ざっと、10匹ほどはいるでしょうね。」

 あくまで、ざっくり計算した数だ、木の上に5体

 低木の中に5体 

見えていない部分を計算すれば、

30から40ほど、いるのではないか?

 ラルシの足元には、彼が切ったゴブリン共の亡骸が5体ほど確認できる。

 私の足元付近にも、放った雷魔法で焼けこげて、仰向けになって死んでいるゴブリン共の亡骸が、

私のことを恨めしそうに、睨んでくる。


いい加減ここから出よう。

こんなところにいても無意味だ。


「 ソン!」



 葉が擦れる音と彼の声が聞こえた時には、

鋭く尖っている槍と1匹のゴブリンが

私の目の前にいた。


 ゴブリンは、棍棒を振り回しながら、私に向かってくるため半歩下がり。

 槍を避けて、そのゴブリンの腕を足で踏み、

ねじ伏せると

そいつが持っていた槍は軽い音を立てて地面を転がった。

利用できないように、魔術で槍を粉々にした


踏みつけているゴブリンは、逃げるためにバタバタもがく、が、

それを見逃すほど、私は優しくはない。


「次は、もう少し動き方を考えたらどうですか?」

 苛立ちか哀れみか、足元のゴブリンに毒を吐くと、

また恨みのこもった視線が、こちらに向けられ、雷の魔術で気絶させた




 わらわらと、ゴブリン共は、同じことを繰り返す。


続々と薄暗い木々の間から、

私たちの前に出てきて、

同じように武器を振り回し、私達の道を阻む



今度は槍だ。

振り下ろされた槍を避けて、

ゴブリンに微弱な雷魔法を浴びさせ、気絶させると。

そいつが持っていた槍は、勢いが落ちぬまま、地面に突き刺さった


「サリソン!」

 ゴブリンの金切り声が聞こえたのか、焦りと私のことを心配する、ラルシの声が聞こえたが振り返らずに、

「問題ありません。ラルシ、まだ来ますよ」

 ただ、次の攻撃に構えるように伝え、



私もまた 彼のことを見ていなかった。

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