変わらない物語
「遥か昔から、
この世界には、勇者が必要でした。
魔族や魔獣の脅威から人々を救う者が
彼は、勇者となり
多くの人々に幸せをもたらした。」
とここまでは、
様々な人が語り、紡いできた物語。
この世界に、勇者は存在するのだろうか?
遥か昔から、この世界には、勇者が必要でした。
魔族や魔獣の脅威から人々を救う者が、
彼は、勇者となり多くの人々に幸せをもたらした。
とここまでは人々が語り紡いできた物語。
この世界に、勇者は存在するのだろうか?
俺が育った村は、王国の中にある小規模な村だ。
村では魔物や魔獣が死体に群がる、虫のようにうじゃうじゃ溢れていた。
その光景に、村の大人達は、いつも絶望し、頭を抱えており。
大人達は一種の希望のように、子供達が夜寝る前に物語を聞かせる風習が出来上がった。
父や母、周りの大人どもから語られるそれを聞き、
俺と弟は育った。
俺がこの世界で一番嫌いな物語は知ってるか?
それは、この世界に現れた勇者様の物語だ
話を全て聞かなくても、
冒頭の言葉で、なんの物語かわかるぐらいに、
俺は、その物語自体に、うんざりしている!
だけど、これは、あいつらの人生では欠かせない。
俺には不必要
勇者の話は数多くあり、みんなが一番知っているのは
英雄譚
教えてやろうか?
ずっと聞いていたから、
言葉だけは、すらすら出てくる。
「遥か昔から、
この世界には、勇者が必要でした。
魔族や魔獣の脅威から人々を救う者が
彼は、勇者となり
多くの人々に幸せをもたらした。」
ナニも変わらない
これが終わったら、様々な物語の始まりだ。
恋愛に浮かれている奴が喋るのは、
勇者様の恋にまつわる物語。
多種多様の人々との恋愛をした勇者様の話。
食に浮かれた奴が喋るのは、
勇者様の食事にまつわる物語。
エルフの長が、勇者様に出したとされる料理の話。
それ以外にも、たくさんある。
だけど
俺好みの物語は、どこにもない!
あいつが!!
あの勇者様が失敗して、
奈落の底まで、落ちていく。
その物語の方が、断然好きなのになぁ。
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さまざまなやつが語る物語が、まるでループのように。
かつて、子供であったおれらに根付いていた。
呪いのように
大人達がいつも子供達に伝える
おまじないのような物語
何度でも言ってやる
俺はそれが大嫌い
ただな、昔から疑問がある
この世界には物語として、勇者は存在しているが。
果たして、現実にいるのだろうか?
いや、なんでもない。
この世界に勇者なんて存在しねぇよ
ただの幻の存在だ




