港町に伝えられた勇敢な女たちの物語
今回は、海を目指して旅を続ける三人が、
少しずつ近づいてくる潮の香りを感じながら、港町へ向かいます。
その道中で聞くことになるのは、
その土地に残された、勇敢な女たちの物語。
少し変わった伝承や、思いがけない話を聞きながら、
三人はどんな港町へたどり着くのでしょうか。
そして……
どうやらジプシ〜は、伝承よりも気になっているものがあるようで(笑)。
ご案内の語り部は、あなた専用の特等席をご用意しお待ちしておりました。
今回の、 Causerie (物語)は あなたにとってどんな誘いになるのか
お楽しみいただければ幸いです。
「あれから 何日歩いたのかしら? 3日?4日?位かしら
ここまで来ると潮の香りが濃くなって 海が近づいてる感じするわねぇ〜
わためぇ〜 どれくらいぶり〜? ホント久しぶりよねぇ〜?」
「もぉ〜 おぼえてないくらいに久しぶりよぉ〜
おばぁちゃんに着いていって 何回かしか海のあるとこ行ってないからねぇ〜」
「2人ともそんなに久しぶりなのかぁ〜 意外だなぁ〜
もっといろいろ行ってると思ってたんだけどな〜」
「ジプシ〜もわかるでしょ
わたし達のおうちのあった場所って ちょうど海に行くのに不便な場所なのよ
北側の海にも遠い かといって 南側の海にも遠い それなりに近ければ
もうちょっとなじみあったかもしれないけどねっ」
「たしかにそうだなぁ〜 泊まりがけで行くんじゃ大変だよなぁ〜
じゃ〜 海のものとかもあんまり口にした事はないのか?」
「そうねぇ〜 だからジプシ〜だけじゃないのよっ
海のお料理楽しみにしてる人は ここにも2人っ(笑)いるんですからねっ」
「もう〜 ころねぇ〜 わたしまで巻き込まないでよぉ〜(笑)
確かに楽しみにしているけどさぁ〜」
「でも 今回行くとこはどんなとこなんだぁ〜? あんまり場所がわかってなくてなぁ〜
2人はいま向かってるとこわかってるのか?」
「じつは わたし達もあんまりしらないのよねぇ〜 ただっ 心配しないで
おばぁちゃんにちゃんと聞いてきてあるから
というか おばぁちゃんにこんな風に行きなさいって 教えてもらってきたのよっ」
「わためぇ〜 だめでしょ〜 そこジプシ〜に教えちゃったらぁ〜
わたし達は詳しいのよって言えなくなっちゃうでしょ(笑)」
「ごっめぇ〜ん そこは気づかなかったわぁ〜(笑) ついうっかり(笑)
でも前もっておばぁちゃんに聞いといてよかったわぁ〜
どんなにより道しても どこからならどこ どこにいるならどこからどこにって
おおよその道は聞いてきてるから よほどの事がない限り迷うことはないわねぇ〜」
「やっぱり ころねとわためのおばぁちゃんはすごいなぁ〜
それだけいろいろなとこに旅してたから どんな事あっても道だけはおぼえてられるんだろなぁ〜」
「それでねっ 今向かってるとこなんだけど やっぱりいろいろな伝承は残っているのよぉ〜
例えばね 巨人がむかし住んでいたとか わたし達のおうちの近くの教会で使われていた青い石が
あるんだけどね その石のでた場所がこの近くなんだって それもね ただ出たんじゃなくて
魔女がね 魔法を使って石をね 掘り出したんだっていう話しも残ってるのよっ」
「あっ ところねっ 忘れちゃだめでしょ
勇敢に戦った女性達のお話しも おばぁちゃんから聞いたでしょ」
「勇敢に戦った女性たち? それってどんな話なんだ?
もしよければ話してくれないか? そういう伝承とか好きなんだよなぁ〜
わくわくするじゃないかぁ〜(笑)」
「うん ここは島国なんだけどね 別の大陸からほんとの大昔に この近くの海岸にいっぱい武器を
もつ人達が来たんだってっ それでねっ その時の街に住んでた靴屋の奥さんだった人がね
草を集める道具があるんだけどね ご飯を食べる時に使うフォークあるでしょ
あんな感じの道具を持って 女性達だけで立ち向かったんだってっ」
「でもっ 奥さんっていったよなぁ〜? 力とかで負けちゃうんじゃないのか?」
「そう思うでしょ〜? わたし達もおばぁちゃんから聞いた時は わくわくしながら
今ジプシ〜が思ったおなじ事考えたわぁ〜(笑)でもねっ そこからがすごいことでねっ
女の人たちで着る服をみんなでそろえて 違う場所で誰かが姿見せたら 誰かが姿消してって
やってね いっぱい人がいる様に勘違いさせて 追い払ったんだってぇ〜」
「それはすっごいなぁ〜 知恵くらべかぁ〜 敵に対して人が少ないのをごまかして
人がいる様に見せて、それで勝つなんて 頭よかったんだろなぁ〜 その奥さんだった人はっ
それで、その続きはっ?」
「うん その奥さんだけで 13?〜14?人の敵を教会に閉じ込めたんだってっ
それだけじゃ〜 勝てないとは思うけど そういう事もあって 最後には敵は降伏したんだってさっ」
「そうなんだぁ〜 まぁ〜 運だけでは勝てないとは思うけど それでもすごい事だよなぁ〜
少ない人で 事実、勝ったんだからなぁ〜」
「あとね それだけじゃなくて 敵としてきてた方は、来る途中に遭難した船を見つけてね
その中にね お酒が残ってたんだって そのお酒を飲みすぎて
まともに戦えなかったんじゃないかって言う話しも伝わってるのよ(笑)」
「それはある意味ドジだなぁ〜(笑)人数は多いから油断したんだろなぁ〜 この人数なら勝てるって
でも、負けちゃったと(笑)」
「うんっ あとねっ 着いた時にやっぱりお腹すいてるでしょ
そこでご飯を準備して食べさせたんだって 港料理っていうの? それが美味しくて食べすぎて
動けなかったんじゃないかっていう話しもあるのよ ほんとドジよねぇ〜(笑)」
「ちなみに 今言った料理ってのは どんな料理なんだっ?」
「ほんと食いしん坊ねぇ〜(笑)伝承とかそういうのには あんまり興味示さないのに
料理となると顔色変わるんだから(笑)」
「それは仕方ないだろ〜(笑)これから行くとこの料理なんだから そりゃ気になるってぇ〜(笑)」
「その料理っていうのはねっ 魚を生で食べるんだってぇ〜
最初聞いた時は ほんとに〜?って思ったわ」
「今 生っていったかっ? おっしゃぁ〜〜〜〜〜! 早く行くぞぉ〜
うん 元気が出てきたっ なにが食べれるのかなぁ〜 楽しみだなぁ〜」
「じ・ぷ・し〜?
そんな急にうかれてどうしたの? だいじょぶ?
今の話のどこに そんなうれしくなる話しが隠れてたの?」
「いやいやいや これを興奮しないでどうするんだよぉ〜
魚を生で食べれるんだぞぉ〜 こんなにも うれしい事はないじゃないかぁ〜(笑)」
(まずは 刺身だろっ 次に焼き物。焼き物もただ焼くのもあるし、
こっちにそういや包み焼きってあるのかっ? あとは兜焼きだなっ。
まぁ、出来るほどの大きな魚がいるかどうかわからんが……それに、あぁ〜煮物も外せないよなぁ〜。
どんな種類の魚いるんだろなぁ〜。漁師町っていったよなぁ〜)
「ジプシ〜 ジプシ〜 ジプシ〜ってばぁ〜
そんなだらしない顔して、ヨダレまでたらして、何回も呼んだのに気づかないし、
いったいどうしたの?」
「そんな人をつかまえて、だらしない顔って失礼なっ。
こんな渋くてオシャレで大人の男性の魅力がわからないとはっ。まだまだあまいなっ」
「あぁ〜 ごめんなさい。もともとその顔だったわねっ。
うんっ、だらしない顔なんて言っちゃったら顔に悪いわね。顔は変えられないもんねっ(笑)」
「もう〜 ころねもジプシ〜も、戯れるのはそこいらにしときなさいっ。
街が見えてきたわよっ。
まずは街についたら、泊まる場所探して荷物をおいたら、次に船を探してかな?
船もすぐ見つかればねぇ〜、いいんだけどっ」
「そのいい方だと、見つからない時もあるのか? でもまぁ、なんとかなるだろ〜。
まずは今は無事に街に着いたんだし、休むとしようかぁ〜」
───立秋/臥待/仏滅/一白水星/亥の刻/晴光───
次回 海辺の街と、どこかで聞いた話し へ続く
今回は、海を目指して旅をする三人が、
その土地に伝えられている、勇敢な女たちの物語を聞きました。
昔から伝えられている話には、
その土地で暮らしてきた人たちの知恵や考え方が、
意外な形で残っていることがあります。
今回のお話も、そんな伝承のひとつとして、
三人の旅の途中に少しだけ寄り道してもらいました。
……まぁ、ジプシ〜にとっては、
最後の話のほうが、ずっと大事だったようですが(笑)。
海の近くまでやってきた三人。
この先、どんなものに出会うのか。
ご案内の語り部は、次回 またあなたを特等席へ。
どんな誘いになるのか、次の Causerie (物語)をお待ちいただければ幸いです。




