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065⚫️お茶とスィーツは勇気の源かもしれない

「それじゃあ、もう一度確認しよう。特に、ここはよく読んでね。」

「ジンさん、もういいんじゃないの? あなたが言うことなんだから。」

「いけないよ、ミサヨさん。信用してくれるのは嬉しいけれど、こういう契約書は自分でよく確かめないと。」


机の上には、ココアが整えた、尾石美佐世の両親の常温核融合技術に関する特許出願書類とラボとの契約書が並んでいる。

「特にここ。ラボがミサヨさんの同意なく技術を転用しない・・これはとても大切だよ。技術そのものに善悪はなくても、使う人が悪意を持てば、人命に関わることがある。アルキメデスのクレーンや投光器、ノーベルのダイナマイト。例はいくらでもあるからね。」

「そうだぜ、ミサヨ。特許使用料は特に重大な項目だ!」

「あら、アキラさん、ジンさんがごまかすことなんてないんじゃないの?」

「イヨちゃん、ジン個人と契約するんじゃないのよ。こういうのは最初が肝心なの。魂を込めるような意気込みじゃなきゃ。」

「エイミーさんの言う通りです。自分の魂を体に込めるようなものです。その両方が揃って心が宿るんですから。さあ、もう一度、詰めましょう。」

「う〜ん、わかりましたあ、ココアさん。でも、このあとはティータイムにしてくださいねぇ。」


ミサヨには、実はもうひとつリクエストがあった。

  ──”ミサヨ「さん」”ではなく、

     ただの”ミサヨ”と呼んでほしい。

けれど、それを言う勇気はまだ出ない。

だからまずは、お茶とスィーツ。

それが、今日の小さな勇気の源なのだ。

「第1部 073⚫️最初が肝心」 https://ncode.syosetu.com/n7021lz/69/ を思い出しながらキーボードを打ったストーリー展開なのよね。

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