050⚫️「さん」を付けずに呼ぶのよね
うん? 立てこもってる?
誰が?・・・ふぅん、所轄が包囲してるのか。
どこで? えっ、それってミサヨの高校じゃないか?!
おい、ジン! 大変だぞ!
「署長、申し訳ありません。指揮系統を乱してしまいます。」
ふん。
こいつらが国家安全保障局のエージェントか。
我らに任せておけばよいものを。
「それで、4人でどうするつもりだ?相手はひとりだが、やっかいだぞ。女子生徒が人質になっている。下手に刺激はできん。ま、お手並み拝見しよう。」
こんな若造に何ができる。
後ろの男は強面だがな。あとは若い女がふたりだけだ。
「ご厚意、感謝します。では。」
ジンは静かに告げ、
アキラ、エイミー、ココアと校内へ入った。
あぁあ、ドジったよなあ。
俺には金もねえ、食い物もねえ。
店に押し入ったまでは良かったが、現金なんてほとんど置いてねえ。
警察がすぐ来て、逃げ込んだ学校の教室では授業中。
一番の美人だけ残して、あとは追い出した。
もうダメだな。
最後にこの娘を楽しんで・・・
その思考が終わる前に強烈な衝撃が男を襲った。
意識が一瞬で途切れる。
抱きすくめていた腕が力なく外れ、
男は黒板の前に崩れ落ちた。
「ミサヨ!大丈夫か?!何ともないか?!何かされてないか!」
ジンの声が教室に響く。
ミサヨは、迷うことなくその胸に飛び込んだ。
ジンは彼女の細い肩を、壊れ物を扱うように、しかし力強く抱きしめた。
「・・・きっと来てくれる、って思ってたの・・・。」
アキラは目のやり場に困り、
ココアは少しだけ複雑な表情を浮かべ、
エイミーは握りこぶしを突き上げて喜んだ。
こうして事件は、呆気なく、秒速で解決した。
公式発表は
「少人数の選りすぐりの警官隊が突入した」ということになっている。
圧力のかけ方がうまい局長の調整力、流石、お見事。




