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004⚫️ひとくちのスープの思い出
「世界線をこえて 第2部 069●泣かない決意 ひとくちのスープ」https://ncode.syosetu.com/n1477ma/67/ の後日談です。
わしの人生で最高の食事か。
迷うことなく言うぞ。
あの時の、ひとくちのスープだ。
うむ。ボレリア遠征の飢餓状態の時の、だ。
兵站が寸断され、現地調達もうまくいかず、
立ち往生に近い状況での、あのひとくち。
兵が何度も勧めたが、わしも頑固だった。
そうだろ。
自軍の者すべてが飢え乾いているというのに、
将たるものが食してどうする。
だが・・・あの若者が命を賭けて諫めてくれた。
あの時の、あのスープ。
正直に言おう、味はよく憶えておらん。
だがな。
泣かぬと誓ったわしの目から、涙がこぼれ落ちたのだ。
そうだ。あのスープは’心’が飲んだのだよ。
あんな’美味いもの’は、ふん・・・
この公国でも、そうそうあるまい。
ヴァルターは遠い記憶を懐かしむように、
ウィルフレッダと語り合っている。




