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016⚫️夕陽のみえる展望台
「ああ、そうです。後で横転しましたね。救急車を手配してください。はい、ありがとうございます。では、局長、後始末をよろしくお願いします。」
ハンズフリーの通話を終えたジンさんは、
ほんの少しだけ息をつき、小さなパーキングエリアへ車を寄せた。
「すみません、ちょっと休憩してもいいですか。」
その声は、いつもの落ち着きの中に、
わたしを気遣うようなやわらかさが混じっていた。
夕陽がきれいに見える展望台。
風は冷たいのに、胸の奥はふわっとあたたかい。
ジンさんが紙コップを渡してくれる。
ココアだ。あまい・・・。
「ここ、景色がいいでしょ。でも寒いから、すぐ戻りますね。」
海がオレンジ色に染まって、波がきらきらしている。
その光が、胸の奥で何かを揺らす。
気がつくと、わたしは大声で泣いていた。
止めようとしても止まらなかった。
ジンさんは何も言わず、そっと受け止めてくれた。
その胸は、泣くのにぴったりだったんだもの。




