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魔術師、異世界をソロで往く 帝国編  作者: 迷子のハッチ
第7章 終わりの始まり
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第64話・4 南への道(4)

いよいよロマーネ山脈越えに挑みます。

 食事の後レタから現在の状況を聞き来ます。

 レタの話では、村人に見られたのは間違い無いようで、帝国軍が街道を中心に丘陵地帯を熱心に捜索しているそうです、ナミの偵察によると村人も動員しての山狩りを行っている様で数日はこの辺りまでうるさくなりそうだとのことです。


 5日間のベッドでの謹慎の後、夕方に家から出て、周りを見てみます。

 5日の間に、帝国軍も捜査に進展が無い為諦めたのか、この近くには居ないそうです。


 わたしが墜落した岩は氷河が運んできた岩のゴロゴロとある場所で10mは高さのある大きな岩です、差し詰めこの岩は氷河の忘れ物と言った感じでしょうか。


 すぐそばに大河ワーカムの流れが見えます、ロマーネ山脈の国境までは後150ワーク(225km)ぐらいです。


 家に入ると直ぐお風呂へ行きます、耐寒服で寒さ対策はしましたがそれでも風は冷たく切れるような痛みを感じる寒さです。


 お風呂が暖かで気持ち良いです、溶けそう。

 カスミちゃんが体を、カスミ姉ねが髪を洗ってくれました、寝てしまいそうになりましたが、夕食を食べたいので眠気は引っ込めます。


 大河ワーカムもこの辺りでは川幅が300コル(450m)程とだいぶ小さくなっています。

 今は冬で水量も減って両岸は川床の土が凍り付いて水量は分かりませんが、春になって雪解け水が流れ込むころには、濁流となって流れるのです。

 そのころにはヴァン国に着いて居たいものです。


 ロマーネ山脈へは、軽車両で行くことになりますが、又村人とかに見つかると帝国軍を呼ばれてしまいます。


 そこで、夜に移動して、昼は休むことにしました。

 夕食後、夜6時(午後11時)一人外へ出ます、大河ワーカムを飛空で飛び越えるつもりです。

 高くは飛びません、川を越えれば直ぐに軽車両へ乗って移動する予定です。


 飛空で50mの高さ迄上昇し、いよいよ川越えの開始です、高さを維持したまま前へと移動します、川の中程は冬でも凍らずに水が流れています。

 静かに大河ワーカムを越えると向こう岸へ降ります。


 レタ、アイ、ナミを呼んで、軽車両を組み立て、ゴーレムを起動します。

 レタが地面を均している間に、アイ、ナミを家(神域の部屋)へ返し、さあ再出発です。

 移動の速さは、空間把握で前方の地形を把握しながら進むのは前回と何ら変わりが無いので昼、夜関係なく時速15kmほどです。

 その日の夜10時(午前3時)までにロマーネ山脈の麓迄たどり着きました、畑を縫っていくためだいぶ回り道になりましたが、これから山登りが待っています。

 明日のためにも、今は寝ましょう、お風呂とベットは素敵だと言います。


 深淵の森ダンジョンはロマーネ山脈全体が範囲ですが、東側は魔物も弱く人間の集落も多くて帝国とビチェンパスト王国との間に街道があり、両国にまたがる国境の町コキュナトスがある。


 ロマーネ山脈の東側とは言え近辺の山の高さは2000m~3000m級の山々が続きます。

 ここから南西に方角を変えて100ワーク(150km)を移動します。


 その日の夜6時(午後11時)、外は真っ暗闇の中を村道伝いにゴーレムの引く軽車両を進めます、ロマーネ山脈への入り口は嘗て氷河のあった谷を南へと登って行きます。


 谷の幅が狭まり谷の川に沿った道しか平坦な部分が無くなるころ、私達は道を外れ急傾斜になってきた山腹をゴーレムに乗って登っていきます、30度ぐらいの傾斜であればゴーレムはスパイクの付いた足を踏ん張って登れます。


 軽車両には乗っていませんよ。

 なぜかって言うと、登れるのは登れるのですが、ゴーレムが足を滑らせれば軽車両側にあるブレーキ(手動式)ぐらいでは全然止められませんから一緒に真っ逆さまに落っこちます。

 そこで新たにゴーレムに鞍を付けて登山することになりました。

 (私が飛空で飛んで行けば最も簡単に行けると思うのですけど by小姉)

 (カスミ一人では何かあった時に対処が難しいから絶対二人以上で行動しようねって決ったでしょ by大姉)

 (レタなら、何かあっても土か風の魔術が使えてサポートもできるから安心なのよ by妹)


 まぁそうゆうことでゴーレムに二人乗りの鞍を(カスミ姉ねの作品)付けて進んでいます。

 速度は良い所で地図上で時速で2,3kmぐらいでしょう、わたしが歩いて山を登り降りするより断然早いです。


 こうして、急傾斜の山を登り、尾根を越え、又急傾斜の山を降り谷川をじゃぶじゃぶと渡り又急傾斜の山を登り、しこうして最初の1600mクラスの尾根が連なるゴーレムでは登れない崖の麓までたどり着きました。

 さすがにこの辺りは雪が積もっていて、既に下側は凍って氷になっている場所が沢山あります。


 夜11時(午前4時)ぐらいでしょうか、ここで家を出して泊まります。


 昼夜が逆転した生活にしばらくなりそうなので、この後夕食(朝食)です。


 たっぷり寝て朝食(夕食)をゆっくり食べながら、レタから周囲の状況をききます。


 魔物が複数出て来ているそうです。

 熊系の魔物と狼系の魔物だそうです。

 さすが虫系は冬なので出てこないようです、木に鳥が居るそうですが、魔物ではないようです。


 山岳地帯の森ダンジョンに良く出没する灰色ガイルベア6級の魔物とセルボネ市のダンジョンでも出た毛長灰色狼7級の魔物です。

 灰色ガイルベアは一匹、毛長灰色狼は何時ものように6匹がグループになっています。


 居座りそうなので討伐することにしました、私が灰色ガイルベアをレタとアイとナミが毛長灰色狼を討伐します。


 家をナミ、アイ、私、レタの順に飛び出て、獲物に向かいます。


 わたしが向かった灰色ガイルベアは狼を警戒していたのでしょうけど、いきなり私が現れて向かって来たのに慌てて、及び腰な爪での攻撃をしてきました。

 爪の攻撃を見切った私は左手に持った槍で、空振りして立ち上がってしまった熊の脇腹から心臓へ穂先を差し込みます。


 奇襲が上手く嵌り一撃で死んだ灰色ガイルベアは6級の魔石と熊の毛皮を残してダンジョンに消えます。

 私はレタ達の方を見るとアイが毛長灰色狼の群れを上手く火の壁で囲ったようで、ナミがクナイを狼の群れに投げて倒しています。

 最後に残ったリーダーと思しき個体にナミが忍者刀で切り付け6匹共討伐を終わらせました。

 ドロップ品は狼の毛皮1枚で後は魔石7級が6個でした。


 戦利品を持ってオーナ姉妹が家へ帰ると、私は直ぐに飛空で上昇します。


 冬の低く垂れこめた雲の中を1000mほどの高低差がある尾根迄、崖から50mほど離れて飛空で登っていきます。

 雲の中は相変わらず氷の粒が舞って体に打ち付けます。

 しかし風が尾根に従って下から上へと吹いていて乱流では無くて助かりました。


 尾根を越えて下りは風も吹きおろしに成り、風を利用して尾根がらだいぶ離れた谷間を越え更に低い尾根を越えた先に降りました。


 ここは近くに村でもあるようで、街道から分岐した村道が谷川に沿って作ってあります。

 一気に4kmは離れたでしょうか、ここから谷川に沿って道があるようなのでレタ達を呼びます。


 アイとナミが軽車両を組み立てている間に、村道を壊さないように土と岩を集めてゴーレムを作ります。

 レタが待つ軽車両にアイとナミを返した後乗り込みます。


 ここからしばらくは道があるので軽車両で進めるでしょう。


前話での失敗がカスミ達に良い経験と成ったようです。

順調に道なき道を進みます、ここまでくれば帝国軍も国境で待ち構えるしか出来ないでしょう。

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