第46話 帝都ミンスターへ(1)
最終目的地、帝都へ向かって飛びます。
いよいよミンスターへ向かって飛びます。
飛び立つ姿が隠れるような林がベルン市の側には幾つかありますが、少し離れた場所まで行くと黒の森の名残の様な森が幾つかの丘を覆っています。
その一つに入り、家(神域の部屋)でお昼ご飯を食べました、ナミの料理の腕は村の新妻レベルはあると思います。
パンとホワイトアスパラガスのハム寄せに新しくマッシュポテトが作れる様になりました。
スープはいつもの野菜ゴロゴロスープですけど出汁を使うと言う高度な技法を使えるようになり、ヴィヨンなる骨と野菜で取った出汁を使っています。
ヴィヨンは時間と手間が掛かるようでまだ完成したものを食べた事は無いのですが、作る途中の物を使ったスープは食べました、まぁおいしかったですよ。
骨を最初に焼くのだそうです、焼けたそれをハンマーで砕くそうです。
そうした物を水に入れて煮る、しばらくして玉ねぎとニンジン、ニンニク、(ハーブは研究中らしい)を入れて、そしてひたすら煮るそうです。
煮詰まらないように水を足し、灰汁を取りながら1日煮て出来た物を布か網で漉したら出来上がりです、それが1番出汁で、更に漉しとった物を水と野菜で煮ると2番出汁がとれるそうです。
1番出汁と2番出汁を合わせて完成だそうです。
厨房の魔石が凄い勢いで無くなりそうです、しかし出来た出汁はとても美味しいらしいので魔石ぐらいいくらでも供給します。
確かにゴロゴロスープが美味しくなった気がしますから。
(気のせいだよ、焦げ臭いしハーブに変なの『ローズヒップとかクミンとかタンポポも』入れてたから by妹)
お昼が美味しかったのでつい気が緩んでいました。
飛空の開始です、100mの高度で飛空服を展開、さらに上昇します。
500mまで高度を上げると南南東へ進路を取ります、目標は遠くですが良く見える山々です。
帝都ミンスターの周りを囲むようにある500~600mクラスの山々と言うよりなだらかな丘の最高峰が600mぐらいな所です。
その左端、山が終わりになっている場所を目指します。
滑空を開始します。
高度の維持が前よりしやすくなっているのが実感できます。
水平飛空をそのまま続けて1刻ほど(2時間)高度を維持できています。
時速にして35㎞/hは出ています。
何だか疲れました、早過ぎたのかもう山の裾野まで来ています、この近くで降りるとしましょう。
ここから山の頂上までさらに80㎞ほど離れています。
今日はこの森で一泊しようと思います、周囲は畑が多いし村や町も点在している長閑な田園地帯です。
エルベ川の支流が丘から平野へと流れ畑を潤しています。
今の所補給の必要はありませんし、この空の旅を初めて今日で8日目明日はお休みにして休日を満喫します。
皆に休日を取る話をすると賛成してくれました。
「そもそもカスミは働きすぎなのよ、まともに休んだのセルボネ市の騒動が終わってから一度も無いでしょう」とカスミちゃん。
「そうだね、家の外へ出なくても何かしら作ったり実験したりしてるよな」カスミ姉ねが言ってます。
私叱られてますの?
「お嬢様丁度良い機会ですわでございます、明日ピクニックとやらをしましょうです」
「ああ、それ良いです良いです、ピクニックしましょう」アイはなにやらピクニックに思いがあるのか腕を振り回しています。
「アイ、興奮するで無い、ピクニックとなればサンドイッチとやらを作るでござる、アイ明日の朝までに色々試したき物があり申す、夕食後手伝うでござる」ナミは神技を目指す料理人になってしまってます。
明日ピクニックに出かける場所を選ぶため、近くの村に朝一番に行ってみる事に話し合いで決まりました。
この付近に貴族や国の禁則地(許可無く入れない土地)や管理地(関係者以外立ち入り禁止)以外の場所で私たちがピクニック出来る場所があるか聞きに行くのです。
出来れば風光明媚で気持ちよく過ごせる水辺の様な所があれば良いのですが。
ここら辺に出る魔物の情報も仕入れたいですね。
魔物が出る様なら、狩っても良いですし魔石も手に入りますしね。
(何物騒な想像してんのよ、ピクニックは平和的な祭典よ by大姉)
「あはは、では夕ご飯の後にもう一度話し合って役割とか持って行く物を決めましょう」
初めてですね、みんなで遊びに出かけるなんて。
夕食後、自室に引き上げてきた私は付加室に籠っています。
今研究中のスキル判定用魔道具の作成に必要な基礎研究の纏めをしているところです。
スキルを判定するためにスキルを持ってる人と持ってない人との差を計れば何か判るかもしれない、と最初は考え次に何をもって計るのかを考えた。
そこで一つの仮説をひねり出しました。
スキルは魔的な部分を持つ、これは魔術スキルや錬金術、付加などで直ぐに誰でも思いつくと思う。
そこで魔的な変化を定量的に計る手段、これは魔力計がある。
そして魔的な性質の中で魔による変化(不可逆)とそれ以外、魔力(可逆的)に分け、不可逆な部分を測定出来れば魔的変化すなわち能力の定性的変化を計れる。
面白い付加の研究の1つに魔紋(魔術紋)がある。
これは個人を特定できる魔道具(魔印)を作るのに使われる。
対象の人間の魔紋と呼ばれる模様を描く魔的反応だ。
これまで、この魔紋は生まれてから死ぬまで、体のどの部位でも肉体が残っている限り同じ魔的反応で変化しないと何度も確認されてきた。
そこでこの魔紋を魔道具で描く魔術紋印鑑は証明書や契約書、出生確認、死亡確認等に個人を特定できる唯一無二の物として使われてきた。
私のヴァン国身分証明書の魔術紋がそうです。
私は魔紋の後天的変化が微小過ぎて現れても微小なので誤差として判定されてきたと仮説をたてた。
この魔紋の微小変化を検出しスキルによる定性的変化のパターンを見つければ良い。
今、私の研究はこの精密測定魔道具の制作にある。
精密測定に必要な事は、魔紋を感知するセンサーの性能向上だ。
微細小部分まで感知するセンサーの開発を今行っている。
余談だが。
私がこの魔紋の研究でヴァン国身分証の魔紋を調べと行く中で。
この名も無い世界に連れて来られた直後のあいまいだった記憶。
それが、鮮明によみがえって来たのだ。
あたかも魔紋にその記憶が記録されていたかのように。
ヴァン国での幼少期から魔術を師に教わり、修行の旅に出るまでの記憶、帝国のことなど。
あの宙に浮く男の創作した私が居て、あたかもこの世界で生まれ育ったかのように。
思い出した記憶によれば、私は帝国への入国手続きを手紙で帝国にあるヴァン国大使館とやり取りして行っている、その後帝国の身分証で西にあるミオヘルンと言う大河ワーカムの河口にある港湾都市へヴァン国から船でやって来た。
そして、東へとロマ街道を飛空で旅をして、あの森と街道の境の地に降り立った。
いつの間にかカスミ姉妹が私の後ろにやって来て。
「カスミそろそろ寝よう」と言って来た。
「今何時?」と聞いたら。「夜5時(午後10時)」と返って来た。
明日ピクニックへ行くのに疲れを残したままでは台無しにしてしまうわね、研究を切り上げお風呂に行くことにする。
「あ、私も入る」とカスミちゃんが何時もの様に言って、一緒に入る事にする。
カスミ姉ねはもう入っているそうで、フード付きの白いバスローブ姿でした。
私の部屋は大きな変化は無い、湯舟を3人で入れるように大きくしたぐらいなので洗面所の横はトイレとお風呂場である。
洗面所の篭に服を脱いで2人でお風呂場へ行く、湯舟にお湯を入れるのは私の役目と言う事でカスミちゃんがトイレに行ってる間にお湯をドバドバ入れる。
カスミちゃんがトイレが終わったので、次は私が行く。
二人でお湯を掛け合い、キャッキャしながら湯舟に飛び込むように入る。
当然お湯は湯舟の外へ溢れてしまうが、すぐにお湯を私が継ぎ足したので湯舟にたっぷりお湯がある。
私もカスミちゃんも一緒にお風呂に入るのが大好き、二人は瓜二つなので入れるときはいつでも二人でお風呂に入る。
カスミ姉ねも一緒に入る事は多いけど、三人で入ると私とカスミちゃんの二人でカスミ姉ねの体に引っ付いてしまい、自分で体を洗えないと一人で入る事が今日みたいにあります。
私とカスミちゃんのお風呂は2人で触れ合い、じゃれ合うことで、お互いを知り合う大事な癒しの時間です。
お互いに洗いっ子して今日はお風呂から上がりました。
カスミちゃんとこうして触れ合う時間がとても愛しいと思います。
カスミ姉ねは笑って私達を二人は一人と言う。
カスミ姉ねも入れて三人は一人よと私は返す。
居間を拡張して寝室を作って、そこに三人で寝る大きなベットを入れている。
カスミ姉ねは体が出来てから寝るときはいつも裸で寝る、私は最初のころはカスミちゃんに影響されていて下着を付けて寝ていたが、今ではカスミ姉ねの影響が大きく裸でねるようになった。
当然カスミちゃんが下着を付けていたら脱がす、最初恥ずかしがっていたが、嫌そうではなかったので三人とも裸で寝る事に決めた。
この方が寝る時、お互いに探り合って気持ちいいからね。
カスミは自分が無理をしている事に気が付いていません。
それだけ飛空は面白く楽しいのでしょうけど、魔力を多量に消費します。
ドクターストップ的なピクニックなのでしょう。




