第18話 ダンジョン(2)
カスミは強いですね、特に心が。
お昼には早いけど、神域で何か作ってたべることにしました。
(朝ごはんって飴ちゃん1つだけなのよ by妹)
ダンジョン受付を通って再びダンジョンへ入ります。
6階までは戦う必要が無いので一気に降ります。
走って降りると2コル(30分)で6階まで行けました。
6階の人気のない右側の通路の壁に神域の扉を開いて入ります。
通路の壁の扉は消して、空間把握のみ掛けて置きます。
部屋の様子は朝と変わりがありません。
世界樹を植えた変化はまだ無いようです。
さて今日も雑炊にしますね、材料を用意して雑炊を作ります。
今日ダンジョンから出たら市場に新鮮な野菜や味付け用の香辛料が無いか見てみましょう、ワクワクしますね。
昨日も食べてて思いましたが、太陽トマト美味しいですね、パスタのソースに抜群に合いそうです。
パスタ作りには小麦粉と塩と水を捏ねればいいのかな?パセリみたいなハーブが要るのかな。
後卵、それから砂糖、胡椒、牛乳、カレー粉?
カレー粉ってウコンとかナツメグとか沢山の香辛料を混ぜ合わして作る物だったよね? カレーのルーはカレー粉に小麦粉を油で炒って混ぜ合わせた?だったかな?
カレー粉を作るのは無理そう。
食後にお湯を飲んでゆったりとする。
お茶が欲しいな、お茶の木ってここらにあるのかなぁ?
美味しい物は食べたいけど、こちらになさそうな物が多くて諦めるしか無いのかな。
いよいよとなったら宿の食堂に挑戦してみようかな。
後片付けをして、トイレに行って部屋を出る。
空間把握で6階の通路に誰も居ないのを確認して出る。
神域を閉じて消す。
6回は廃墟エリアとなっているけど、魔物がうろついているので危険度が段違いに違う。
空間把握で得た立体空間と地図を比べてみる。
地図にゆがみや縮尺の違いはあったけど隠し部屋や通路は無かった。
6階から複数のグループが魔物を狩っているのを空間把握で知ることが出来たけど、彼らには(女性も居る様です)関わらないのが、私の基本的な姿勢です。
6階の攻略を開始する。
徘徊している魔物を最小限、7階への進行でぶつかる物のみ排除していく。
6階の魔物の多くは狼系の魔物で素早さと牙の攻撃が厄介だと資料に載っています。
実際は速さはそんなに早く無く、家の飼い犬の方が早いかも。
厄介なのは噛み付きの方でぶつかる様に突進してきて「ガルルッ」と噛み付いてきます。
一度受けてみたけど重さの無い私は吹き飛ばされました。
上からのしかかられて噛み付かれたけど、槍の柄で受けたので傷一つ負いませんでした。(お尻と背中は痛たかったけどね by妹)
熱湯攻撃はここでも有効です。
開けた口の中に投げ込んでやると引っ繰り返ってしまうので、柔らかいお腹を槍で攻撃し放題になります。
5匹程狼を倒し、7階の階段へ行ける通路の横にあるボス部屋の前に着く。
今の所魔石しか落とさなかった。9級を5個ゲット。
ボス部屋では大狼と大ゴブリン(ボブゴブリン)が出た。
他の魔物と同じで熱湯が良く効く。
熱湯で引っ繰り返った所を槍で突いて終わりにする。
魔石以外にボブゴブリンは何も落とさなかったけど、ビッグウルフが毛皮を落とした。
ポーチに入るかな? と思ったけど、ポーチの入り口に近づけると小さくなるので、簡単に入った。
9級を2個ゲット9級は計7個。
7階も空間把握で得た立体空間と地図を比べるが大した違いは無かった。
6階までと違うのは7階からは人が急に多くなり、単独の人も多く全域で60人程確認出来たことだった。
ここから蜘蛛系の魔物が出る。
他はスライム、狼、ゴブリンの系統で全て9級の魔石を落とす。
8階、9階は人が結構多くて、魔物と遭遇しないままボス部屋も順番待ちが列をつくっていたので、素通りするしかなかった。
今の所9級の魔石7個を得ているが、9階も同じで人が多そうだ。
10階はダンジョンボスが倒されて1月立たないと復活しないので、ボス部屋へは侵入禁止になっている。
当然ダンジョンの最重要物である、ダンジョンコアは触ってもいけないそうだ。
ダンジョンコアを取ると、ダンジョンが復活するまで1年かかるらしい。
当然コアを取れば即座に分かるので、ダンジョン出口で厳重なチェックがある。
この辺りは資料の最初にダンジョン規則が書いてあり、目につきやすいように大きくダンジョンコアを持ち出した者は死刑と書いてある。
昔帝国皇帝が妃に送る魔道具に使いたいからと初心者ダンジョンのコアを持って行ったことがあるそうです。
その時町に金貨1000枚を対価に払ったと資料に、伝聞だがと書いてあった。
(金貨1000枚では1年間のダンジョンからの収入に足りないよ by大姉)
(昔の事ですから物価が違うのかも by小姉)
(昔って何年前なんだろう、何気に帝国って千年以上続いてるから by妹)
と言うことで9階を覗いて見て、人が多ければ帰ることにする。
9階の階段を下りながら、これで帰ることになったら、今日の儲けは銅貨148枚。
これは多いのか、少ないのか?ソロで動いている私から見ると銅貨148枚は十分な儲けだけど、4~6人で動いている人達には少ない額だろうな。
9階に着いたので、いつものように空間把握で得た立体空間と地図を比べる。
おや、1ヶ所地図に載ってない場所がある。
そこは崩れた天井で唯一残った天井の裏側になる。
外から見ると壁に見えるが壁の裏が空洞になっている。
魔物も2匹程いるし形からしたら8級レベルのキラーマンティスぽい。
9階も10グループとソロの10人程がうろつき回っているので、魔物の取り合いになっていた。
私は他の人から見えないように瓦礫の影から影へと忍のスキルで移動し、最後は飛空魔術で天井の上へとやってきた。
壁の一部がどんでん返しの絡繰りになっていて、そこから天井裏へ入れた。
明りの魔術で室内を明るくして、魔物の襲撃を警戒する。
キラーマンティス2匹は物陰に隠れるようにして近づいてくる。
2匹同時に襲ってくる、近寄らせないように遠くから熱湯攻撃をするが、ひょいひょいと避けられてしまう。
速さはここの魔物で1番早そうだ。そこで熱湯攻撃が効かない時用に考えていた、攻撃を行う。
範囲攻撃「吹雪!」。熱湯でだめなら冷たい氷で凍らせようと考えた前方への広いエリアに対して効果のある攻撃だ。
氷点下40度の氷を前方に吹き付ける、虫系なら有効な攻撃だろう。
思った通り、2匹のキラーマンティスは氷におおわれて身動き一つ出来なくなった。
後はいつも通り槍の穂先で頭を落として完了。
8級魔石2個とキラーマンティスの鎌を2本落とした。
戦いの後、室内を探してみると箱を1つ見つけた。
ダンジョンに吸収されてないところを見ると、ダンジョンの作ったお宝かもしれない! ドキドキしながら箱を空間把握で調べるが、中は把握できなかった。
いよいよお宝のようだ。
箱は床に作り付けになっていて、持ち運ぶことは出来ないようになっている。
鍵は無いようなので、蓋を槍の穂先を使って離れた場所から開ける。
槍を斜め上向きに突く。
蓋が音も無く空いた。
「ふ~っ」ゆっくり近づき、中を覗く。
鈍い金色の腕輪が1つ入っている。
左に持ったままの槍を箱に突っ込み蓋を閉められないようにして、腕輪を右手で取り出す。
取った後、槍を引き抜くと箱が床に消えていった。(無事にお宝ゲットだよ by妹)
この腕輪が何なのか分からないので取り敢えずポーチに仕舞う。さあ帰ろう。
帰りの行程は朝と同じに、どのボス部屋も復活を待って順番を待っているグループが直ぐ倒している様で、ダンジョン門まで戦闘無しで帰れた。
次は魔石の売却と腕輪の鑑定かな? 8級の魔石は錬金でも付与でも使えるので換金はしない。
初心者ダンジョンですから、カスミも初心者卒業ですね。




