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転猫  作者: 相川秋実
第一章
52/137

52. Ghost master lecture

Wikipediaの「驚愕」の説明ページに何故か猫の写真が。和む(-ω-)


 正直ゴースト師匠をなめていた。


 最近人化の術を覚え武器として剣も手に入れたおかげで、俺は剣術が使えれば何が起きても大丈夫だろうと少々天狗になっていたかもしれない。

 とてもじゃないが、剣術を使えても竜虫の群れと戦って無傷でいられる自信は無かった。


「ほう、これの強さがわかるか。相対しただけで相手の強さが分かるとは、剣聖の称号は伊達ではないようだな」

「なんなんだこれ?この虫、下手すりゃレスと同じくらいの強さだと思うんだが」

「まさか、さすがにそこまでの力はない。あやつは力を隠すのがうまいからな。こいつらは最難関のダンジョンなどにごく少数しか生息しない希少モンスターだ。地上の、人の世の尺度で言えばランクBBB(トリプルビー)、場合によってはAとなる個体もいるだろうな」


 ・・・なん・・・だと?


 俺は驚愕に色を失った。


「・・・ランクってなに?」

「・・・そこからか」

 ゴースト師匠が呆れたように俺を見てくる。


 ・・・そんな目で見られたって、知らないものは知らんのですよ。


 ゴースト師匠曰く、ランクにはS~Gまであり大雑把に説明すると以下のようになるそうだ。


S:世界の脅威、神魔の域。

A(AAA~A):国々の脅威。魔王や勇者を名乗って良いレベル。

B(BBB~B):町や村を単騎で滅ぼせる。

C(CCC~C):数十人~数百人の軍や冒険者での対応が必要。

D(DDD~D):軍や冒険者が数人のパーティーで対応する。

E(EEE~E):軍人や冒険者が単騎で対応可能。

F(FFF~F):一般人や業者でも対応できる。

G~・・・:その他。特に害無し。


 ふむ。この理屈だと、俺は今100体近い勇者かそれに近いレベルのナニカに囲まれてることになるね。

 かつて山田と見た戦隊モノの特撮でも、戦力比は概ね5対1とかだったのに酷い状況である。

 ・・・いや、そうでもないか。あれはなんか戦闘員とかいう雑魚がいっぱいいた気がする。


「さらにランク自体も脅威ランクや冒険者ランクといった幾つかの種類に分類されていて、またそれぞれのランクで強さが揃っているとは言い難く・・・」

 朗々と講釈を続けるゴースト師匠。

 こういう授業とか講義をするのが好きなのかもしれない。


 ちなみに俺は座学が苦手である。

 基本的に体育以外の授業は寝て過ごすし、電子機器の説明書等はまず読むことが無い。

「あ、すみません。もうその辺で結構です」

 俺はとりあえず適当なところでゴースト師匠の講義を打ち切ることにした。

「・・・。」

 興が乗ってきたところで水を差されて、ゴースト師匠は何とも言えない表情をしている。

 

 俺はふと気になった事を質問してみた。

「てかゴースト師匠はいったい何者なんだ?こんな凄まじい召喚術?が使えるなんて只者ではないのだろう。レスの師匠という事だったが、あいつは変態だけど一応仮にも魔竜王を名乗っているような奴なんだが」

 ゴースト師匠は俺の質問に対し、待ってましたとばかりにニヤリと笑みを浮かべてみせた。

「ふ・・・私の事が知りたいか。良かろう、教えて進ぜよう。私はフレディ・フェラー。魔道を極めし七賢者が一人にして、召喚術と空間操作術の探求に人生を捧げし者。人呼んで”東の賢者”なり」

 ドヤ顔で名乗りを上げるゴースト師匠。


 ・・・テンション高いな。こういうノリは、弟子のレスにも受け継がれちゃっている気がするね。

 人生を捧げし者とか言ってるけど、もう死んでるじゃないかと。てか名前は前回も聞いたのだが。

 あと東の賢者とか言ってたが、それって称号なのだろうか?

 俺は試しにゴースト師匠をアナライズしてみた。


名前:フレディ・フェラー

属性:???

種族:???

称号:自称”東の賢者”

ノーマルスキル:???

カスタムスキル:???

スペシャルスキル:???

魔法:???


 ???が多いものの、辛うじて名前と称号はアナライズする事ができた。


 ・・・って、おい。


「自称”東の賢者って・・・おもいっきり自称じゃん。全然"人呼んで"無いじゃないか」

「・・・ふむ?なるほど、私をアナライズしたのか。それはおそらく、お前のアナライズが未熟だからだろう。アナライズが未熟なうちは、その結果に自らの憶測や仮定が混じるものよ」

「・・・そんないい加減な」

 アナライズの意外な仕様に愕然とする俺。


 てか、アナライズが未熟なせいと言うより、むしろ単に実はやっぱり自称ってほうが遥かにしっくりくるんだけどな。

 しかしまあ、なんか凄まじく強力な召喚術?を持っているし、それなりに凄い人物ではあるのだろう。

 召喚術?の凶悪な威力を鑑みるに、どちらかというと賢者よりは魔王を名乗ったほうがふさわしい気がするけどね。


 とりあえず色々親切に説明してくれる好意は素直に受け取っておいて、俺はその後も自称東の賢者の話にしばらく付き合った。



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