16. フォックスハンティング
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さらに数日後。
例のごとく焼き魚をもしゃもしゃと食べていると、ふと背後に視線を感じた。
気配の方を振り向く。
河原に面する山の藪の中から、何かがこちらを見ているようだった。
・・・敵か?
大きさ的には俺よりちょっと大きいくらいの相手のようだ。
狼だろうか?
ここのところ魚ばかり食べていたので、さすがにちょっと飽きてきたところだ。
仕留めることができれば久々の焼肉にありつける。
俺はタロジロに合図をして背中に乗っかるように促した。
そして相手を刺激しないようにゆっくりと間合いを詰める。
ある程度まで距離を詰めたところで相手が逃げ出した。
俺も後を追って走り出す。
後姿を見る限り、どうも狼ではなさそうだ。
その独特なフォルムと金色ががった茶色の体毛から、たぶん狐なのだろう。
狐を追っていくと、やがて木で作られた家々が見えてきた。
どうやら村のようである。
狐は村の奥の大きな建物に、一目散に逃げ込んでいった。
俺は狐が逃げ込んだ大きな建物の前で、一旦立ち止まった。
目の前の建物は他の建物よりかなり大きく、そして豪勢なつくりをしていた。
おそらく村長的な存在が住んでいるのだろう。
建物の中央にある大扉には、その下の方に小さな扉がしつらえてある。
先ほどの狐は今しがたこの小さな扉を通ったようで、小さな扉は未だ前後にぶらぶらと揺れていた。
「くにゃ~?(入らないの?)」
「・・・」
ジローの問いに対して、俺はしばしの間押し黙った。
なんというか、妙な村である。
村に入ってからこの建物に至るまで数十棟の建物があったが、それらの家々からは何の気配も感じなかった。
しかし、目の前の扉の奥からは十数体の生き物の気配を感じる。
俺達を待ち伏せしているのか?
という考えが最初に思い浮かんだ。
しかし扉の奥の気配からは、そういった感情は感じられない。
気配は建物の奥の一か所に固まっており、侵入者を迎え撃つというよりはむしろ怯えているような、そんな印象を与えてくる。
「にゃ(まぁ、とりあえず入ってみるか)」
俺は意を決して小さな扉をくぐっていった。




