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転猫  作者: 相川秋実
第一章
16/137

16. フォックスハンティング

メモ:予約掲載設定を解除してみる。

→即時で投稿される。

→その後の修正は(改)と付く。見直しするのは予約掲載状態のままが良さげ。

さらに数日後。


例のごとく焼き魚をもしゃもしゃと食べていると、ふと背後に視線を感じた。

気配の方を振り向く。

河原に面する山の藪の中から、何かがこちらを見ているようだった。


・・・敵か?


大きさ的には俺よりちょっと大きいくらいの相手のようだ。

狼だろうか?

ここのところ魚ばかり食べていたので、さすがにちょっと飽きてきたところだ。

仕留めることができれば久々の焼肉にありつける。

俺はタロジロに合図をして背中に乗っかるように促した。

そして相手を刺激しないようにゆっくりと間合いを詰める。

ある程度まで距離を詰めたところで相手が逃げ出した。

俺も後を追って走り出す。


後姿を見る限り、どうも狼ではなさそうだ。

その独特なフォルムと金色ががった茶色の体毛から、たぶん狐なのだろう。

狐を追っていくと、やがて木で作られた家々が見えてきた。

どうやら村のようである。

狐は村の奥の大きな建物に、一目散に逃げ込んでいった。


俺は狐が逃げ込んだ大きな建物の前で、一旦立ち止まった。

目の前の建物は他の建物よりかなり大きく、そして豪勢なつくりをしていた。

おそらく村長的な存在が住んでいるのだろう。

建物の中央にある大扉には、その下の方に小さな扉がしつらえてある。

先ほどの狐は今しがたこの小さな扉を通ったようで、小さな扉は未だ前後にぶらぶらと揺れていた。


「くにゃ~?(入らないの?)」

「・・・」

ジローの問いに対して、俺はしばしの間押し黙った。


なんというか、妙な村である。


村に入ってからこの建物に至るまで数十棟の建物があったが、それらの家々からは何の気配も感じなかった。

しかし、目の前の扉の奥からは十数体の生き物の気配を感じる。


俺達を待ち伏せしているのか?


という考えが最初に思い浮かんだ。

しかし扉の奥の気配からは、そういった感情は感じられない。

気配は建物の奥の一か所に固まっており、侵入者を迎え撃つというよりはむしろ怯えているような、そんな印象を与えてくる。


「にゃ(まぁ、とりあえず入ってみるか)」


俺は意を決して小さな扉をくぐっていった。


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