解かれ始めた呪術
ビーがもう一回お泊まりした朝、またもやマティアスさんにくっついて目が覚めました。
ああ、幸せだわぁ。
マティアスさんの体に手を回して幸せを堪能します。
『ん、ヒロ、起きたのか。』
マティアスさんが寝ぼけた様子で抱っこしてくれます。
もう、ずっとこのままで居たいですねぇ。
あ、おはようのキスしたいなあ。
ホッペか、オデコですね。
マティアスさんの顔の傷痕でも良いですね。
『マティアスさん、おはよう。』
のび上がって、顔にチューを目指します。
『ん?んんん?!
ちょっと、待った!
ヒロ?!』
ああ、なんでか阻止されちゃいました。
『何ですか?』
『お前、それ、その髪、どうした?!』
はい?
髪がどうしたって、何言ってるんですかね。
触ってみると、ちゃんと髪はありますよ。
長さも変わった様子はないですよね?
『髪、どうしたんですか?
寝起きだからボサボサですけど?』
『いや、そうじゃなくって、色だよ、色!』
うーん?
『ああ、金色になってますね。』
ビーが隣のベッドからこっちを見ていた。
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ヒロと同じベッドで寝て起きたら、彼女の髪の色が変化していた。
暗い茶色の髪だったのに、金髪になっていた。
幻影の中の彼女はもっと明るい黄金色だったが、
それよりは暗いが、金髪だ!
『ああ、金色になってますね。』
ビーはそう言って、しげしげと眺めている。
『金色?』
ヒロはそう言って不思議そうに肩ほどの長さの自分の髪を手に取って見ていた。
が、よく見えなかったのか鏡の前に行き、全身を写して見ていた。
『マティアスさん、これ、私?』
『ああ。
金髪になったな。』
『ふうん。
何で色が変わったのかな?』
『呪術が解かれ始めたんですよ。
元々は金髪だったんでしょうね。
体が成長して、髪の色が変化した。
次はどうなるんでしょうね。
実に興味深いです。』
ビーが言う。
最終的にあの俺が見た幻影の彼女になるんだろうな、と思った。
しかし、この髪、どうしたもんか。
金髪でギルドに連れてったら、又、違う娘を誘拐して来たのかと騒ぎになりそうだ。
俺はため息をついて、朝の支度を開始した。




