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マティアスさんにお料理を

マティアスさんが冒険者ギルドでお仕事をしている間、私はお料理を習う事にしました。

ビーもおまけで習います。


二人だけでお留守番なんて言語道断、とマティアスさんが言って、ギルドまで連れて来たんですが、長い時間なので退屈過ぎます。


そんな時、食堂のおばさんが手招きしてくれたのですよ。


『ギルマスの好物教えてやるからね。』


とても優しいおばさんなのです。

旦那さんは料理長さんらしくて、子供二人がチョロチョロしているのが邪魔に思っても、奥さんの威圧で黙らせてしまいます。


『尻に敷かれてるな。』


ビーがボソリと呟いてましたよ。


『まず、そこに座ってこの豆をむいておくれ。』


沢山の豆をむくようですね。


『ただの雑用要員だな。』


ビーがため息をついてますね。

時間はたっぷりあるんですから、喜んでお手伝いしましょうよ。


黙々と二人で豆をむきます。

さやを開いたら平均4~5個の豆が入っていて、なんだか可愛らしいんですよ。

この豆でどんな料理を作るんでしょうね。




『キミ、自分の事はどの位覚えているの?』


ビーが聞いてきました。


『さあ、分かりません。

私はマティアスさんと一緒に住んでいる【ヒロ】です。

それ以外の事は分かりませんね。』


『キミはそれで良いの?

自分の事を思い出したくはならないのかな?』


『昨夜は私、直ぐ眠ってしまったんでしょうね。

手を繋いだ後、何か分かったんですか?』


『キミにかけられている術が、かなり強いものだという事が分かったよ。

護符やら準備万端で介入しようとしたけれど、弾かれた。

俺の能力でダメなんだから、これはもう、時機を待って自然に任せた方が良いのかも知れないね。』


『自然に戻れるんですか?』


『多分ね。

キミの潜在意識では戻りたがっているようだから、そう遠い未来ではないと思うんだ。』


私が成長したら、マティアスさんはどう思うんでしょうね。

怖いけれど、一人でお料理を作ってあげたりして役にたちたいので、やっぱり大きくはなりたいんですけど。


『さあ、豆がむけたら、おいしいスープを作るよ!』


おばさんが促してきます。

マティアスさんの好物の豆のスープ、頑張って作ります!!




※※※※※※※※※※※※※※※※※※※




昼飯を食いに食堂に行くと、ヒロが満面の笑みでスープを運んできた。

ヒロがお手伝いして作ったのだと言う。


『マティアスさんの好物の豆のスープですよ!』


うっ、、、。

ヒロの後ろで料理長の奥さんが、にこやかに召し上がれと言っている。


俺、このスープ苦手なんだよな。

奥さんはそれを知ってて、わざとヒロに作らせたんだろうな。


苦手だけど、可愛い娘が頑張って作ったんだ。

決死の覚悟で完食し、美味しかったとお礼を述べた。




・・・・・・・この奥さんには敵わないな。

最強の魔物と戦った方が、まだ勝てそうだ。



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