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呪術師(見習い)がお泊まりに来ました2

『よく来たな、見習い君。』


『・・・数日お世話になります。』


大きな鞄を背負った子供が入ってくる。

いや、鞄が大きいんじゃなくて、体が小さいからそう見えるだけか。


『まあ、そこに座って待っててくれ。

ヒロが目覚めたら家に帰るから。』


寝ているヒロを覗き込んでいる。

余り側に寄って欲しくないんだが。


『寝てるんですか?

うーん、これは、魔力がうごめいてますね。

成長しようと体が準備中なんだと思います。』


『単に寝てるだけじゃないのか?

じゃあ、又大きくなるのか?』


今が10歳位として、一体、どの位成長するんだ?


『いつ成長するのかは分かりませんが、彼女は 大きくなりたいと願っているんだと思いますよ。

呪術が不安定になってきているから、いずれ元の大きさに戻ると思います。』


どんな姿でもヒロはヒロだが、俺の側から離れていってしまうのが心配だ。

いきなり結婚適齢期になって、結婚相手を連れてきたらどうしょうか?

親離れ子離れとは言うが、俺はうまいこと子離れ出来るんだろうか?


『ギルマス?

聞いてますか?

ギルマス?』


はっ、呼ばれているのも気付かない程考えていたようだ。


『僕が彼女に介入しても良いですか、って聞いてたんですけど。』


『ヒロに介入?

どういう事だ?』


『ちょっと眠りの中に入って手助けするだけですよ。』


『眠りの中に入る?

夢の中に入るのか?』


『夢じゃなく、深層意識に入るんですけどね。』


『、、、本人の了承も無く入るのは駄目だ。

又の機会にしてくれ。』


『OKマスター。

あ、姫が目覚めそうですよ。』


まだあどけない少女の目が開かれた。

睫毛の長い、薄茶色の瞳が辺りを見回し、俺を認識した途端に嬉しそうな表情で彩られる。

ああ、この瞳に写るのはなんて幸せなんだろうかと改めて感じてしまう。

一生大切にしたい。




※※※※※※※※※※※※※※※※※※※




いつの間にか眠ってしまってたようで、目が覚めるとマティアスさんとビーが覗き込んでいた。

目が覚めた時にマティアスさんがいると、何だか安心出来る。

独りぼっちじゃないんだな、って思えるんだもの。


記憶が無いからか、私が存在しているのも疑ってしまいそうで、時々恐くなる。

私は誰かの夢の中だけの存在なのかも知れないって疑ってしまう。


そんな時、マティアスさんがいると私はここに存在しても良いんだって思える。

マティアスさんの大きな体で抱いて貰えたら、何も怖いものは無いんじゃないかと思う。


『抱っこ、、、。』


マティアスさんに両手を差し出したら、当然の事のように抱き上げてくれた。


とっても嬉しそうに。


ビーは苦いものでも食べたみたいな顔をしていたけれど。



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