第1話 『転生と狼』
7月31日 改変
朝起きて、軽くトーストを食べ静かに学校に向かう。教室に入り、友達と何気ない会話をする。授業を受けお昼を食べ、そしてまた授業を受け。家に帰りそして眠る。そんな平和って、こんなに、こんなに
「大切だったんだな~!?、あ~!どうしてこうなった!」
「ガルルルルルゥ!」
一時間前ほど前。
ここはどこだ?、確か俺は図書館で、あれ?てかここ汚な!?…いのか?。何でこんな、ゴミ箱に白い空間が重なって見えるぞ。
「あの、すい「《ふむ、一人ですか》《…まあ良いですね》」
かっ被せてきた、まあそれはいいけど。声が二重に聞こえるのに全く違和感無くちゃんとわかる。リズムが違うからわかるが、二重なのは声だけじゃない身体もだ。この人はいったい…いや人なのか?
それに重なってない部分は薄く半透明になるからわかるけど、違和感が無いから多分顔はどっちも変わらない。金髪と黒髪の混ざる二重瞼のイケメンだ。片方が薄くずれ、ぶれた。黒髪の方は酷い顔色で、まるで古い絵画と言った印象だ。
金髪の方は服装は強い金の装飾が目立つ古代ローマ風の装束をきている、黒髪は銀の装飾以外同じと言うか声以外全部同じだ…双子と言うかクローンみたいに。
普通なら違うことを考えるだろうに、何故かどちらかが本物かが異常に気になった。
「《また召喚しますか》ええぇっと」
彼…いや彼らは二つに別れて背を向ける片割れのその隙に、何処か飄々としている方に手で触れようとすると。ニヤリと笑みを深め、呆れのジェスチャーをとってきた。
「(どっちが本物か審議つかねぇよこれ!)」
逃げる様に遠くにいる片割れに目を向ける、そこは周りが強く歪んで物が空間に潜行しては浮く。最初に直感的に思ったゴミ箱の中というのはあっている様だ。ここには無駄に生産されたいらない物が、溢れている。
(平常心…平常心…平常心)
俺も相手もどちらも言葉一つ無い時間が続く、何処か見透かす様な目が動きと舌を鈍らせる。
出来るだけ目を会わせない様に遠くを見る、ここでようやく片割れが何かを探しているとわかった。それが動く度にかき混ざる空間に視界がぼやける、あまり長く見るとおかしくなりそうだ。
必要のある物が『無』く、そして無駄な物ばかり『有』る、そんなことが急にわかって更に頭に流れてくる。そんなものをいつまでも見れるはずもなく、何処にも目を向けず只閉じることしかできなかった。
探ることも出来ないまま神の片割れはようやく探し物を見つけたのか、近づいてくる。ここでようやく平常心になれたと思う。
「《はいこれをどうぞ》」
そう言って渡されたのは、普通のタブレットだった。あんなに不思議な場所から持ってきたって言うのに、なにも感じない。無闇やたらにジロジロと見すぎたのか、飄々としていた方が急かす様に渡してくる。
「《どうしたのですか?》《速く持ってください》」
「わっ、わかった。それでこのタブレット電源ボタンがないと言うかそれよりも――
帰る方法はと言いかけた時、親指と人差し指で口が押さえられる。力がかかってないのに、口を動かす所か息を吐くことも出来ない。
「・・・・。…速く知らしめ、そして何よりも負けず。死なないように、出来れば《それでは頑張ってくださいね》」
只何の感情もなく入り交じる二人の声の後、軽く突き飛ばされた。
「痛った!ってあれ?」
足下から浮き上がる様な少しの浮遊感の後、気付けば背中から倒れている。
「ここは、何処だ?」
部屋が違う、と言うか場所が違う。まるで体育館みたいな場所だ、前後の繋がりがない。出入り口がないしもっと言うと窓もない。
「こんなタブレット一つで、どうしたら良いんだろう。謎解きゲーみたいにヒントでもあったらなぁ」
頭をひねって、唸っていると
「ん?」
『転生プログラムを開始します、ルーレットッ!スタァァト!』
手元から小さな電子音と小さな光に、わざと集中させた後に大きな声と画面から飛び出した――
『人外系人型種族に決定しました、以後人外系人型種族以外を選択するとペナルティが課せられます』
と言うテロップが目の前で踊っていた。
「……声からするとクールな感じの人なのにスタァト!か、ギャップってやつかな? それにしても転生って」
異世界転生か、神の間にも流行ってるのかな。……その前に転生って死んだのか?俺、本当に? そんなこともわからないんだが、おい!?。
「実感わかないなぁ、はぁ……今は考えないにしても最悪死んだって風で。それにどうにもならないしな」
説明もせずに強くなれとか玩具じゃ無いんだぞ、いつかあのいけすかない顔を一発殴ってやる。
本にそう言うものと書いてあったから。
だけど……はぁ。何かしようにもタブレット位しかないけど、いじっても画面動かないし、どうしようもないなぁ。………それにしても神もネットしたりするんだな。
――ピロン――
ん?画面が変わったみたいだ、ステータス設定って。はぁ、よし。
集中しろ俺。こいつらからすればゲームかも知れないけど、俺の明日がここで決まる!
「さて、さっきペナルティが課せられるとか言ってたな。でも人外系でも人型でよかった、クトゥルフ系だったら目も当てられないことに。って集中だ集中」
さて、これが初期ステータスだな
--------------------
年齢:【17】
種族:【人】
ステータス
筋力:適正値G【10】
耐久:適正値G【5】
俊敏:適正値G【8】
体力:適正値G【12】
精神:適正値G【7】
魔力:適正値G【2】
器用:適正値G【14】
ペナルティ:【肉体病弱化】【肉体劣化】
--------------------
「初期ステータスって、名前もないのか?。それとも最初から映さ無い?。筋力とかはわかるけど、適正値ってなんだろう」
画面の何処を見てもヘルプのへの字もない、画面をいじくりながらギャップのあるアナウンスを呼んでも返事はなかった。自分で考えろって?
「分かりにくいけど、まあCかDで一人前ってことかな?それなら、このペナルティじゃ無理かー……あぁー仕方ないな、変えないと」
------------
種族一覧表
:人族 【ペナルティあり】
:獣族《犬》【ペナルティあり】
:獣族《猟犬》【ペナルティあり】
:獣族《闘犬》【ペナルティあり】
:獣族《魔犬》【ペナルティあり】
:獣族《猫》【ペナルティあり】
-------------
「これじゃ選ぶの大変だよ、えっと絞り込みって出来ないのかな。ん?あっこれか」
何故か絞り込み機能は豊富で、呆れる様に大きなため息が出た。
-------------
種族一覧表 絞り込みペナルティなし 初期能力順
:巨人族《氷山》
:巨人族《火山》
:悪魔族
:巨人族《森林》
:龍人族《火山》
-------------
「さて絞り込んでみたけど、一位は巨人族《氷山》か。じゃあちょっと。試してみよう」
タッチするとステータスと一緒に画像が表示される、それは一緒に映る後ろの氷山が小さく見える巨体。両腕が氷像で出来ている、他の巨人族も違いはあれども似たようなものだった。
-------------
【未設定】年齢:【0】
レベル:【0】
種族:【巨人族《氷山》】
職業:【なし《呪い》】
種族スキル:【神の呪い(氷山)】【怪力】【熱耐性】
【氷の闘気】
ステータス 筋力:適正値EX 【25】
耐久:適正値EX【45】
俊敏:適正値D【32】
体力:適正値EX【40】
精神:適正値C【22】
魔力:適正値C【20】
器用:適正値E【10】
--------------
「神の呪いって、えっ巨人族、何したの?」
――ピッ!――『巨人族は、かつて神に反乱し、その罪よって。職業の取得を禁じられ。自身の存在すらも地に縛られています。そのため、その地から離れると、その存在は消滅してしまいます。その巨人族が、どの地に縛られているかは。名前を見れば、わかりますが、その場所から離れられないため。意味がない、とされています』
今度は来るのねアナウンスさん。
「はぁ……なるほど、種族の後ろに、かっこと書いてある奴はデメリットありか。なら短い尾がちょろっと出てるくらいで人とあんまり変わらない悪魔族で決定」―ピッ!―『では、次に職業を選択してください。』
今度は職業か、どうせヘルプはないんだろうな。
「絞り込みで、えっと。悪魔族にあっててなおかつ生き残りやすい、職業っと」
-------------
職業一覧表
:夢使い
:霊媒士
:錬金術師
-------------
「あれ? 三つだけか。両方の条件があってるのって少ないのか。うーんとりあえずステータスを見てみよう」
-------------
【未設定】年齢:【0】
レベル:【0】
種族:【悪魔族】
職業:【】【】【】【】
種族スキル:【肉体再生】【契約】【魔力耐性】
【闇属性】
ステータス 筋力:適正値C 【18】
耐性:適正値C 【13】
俊敏:適正値B 【24】
体力:適正値B 【25】
精神:適正値A 【33】
魔力:適正値EX 【46】
器用:適正値A 【37】
------------
なんだ特に目立つ理由はないけど、それにしても職業スロットが四つもあるなんて。
「ああこれなら生きて行けそうだ。さてと、絞り込み絞り込みっと」
そう言いながら安全性だけで絞り込み検索すると出てきたのはたった一つの職業だった。
----------
職業一覧表
:ダンジョンマスター
----------
「うーん、ダンジョンマスターか。まあ迷宮の奥に隠れば・・・そうだよ!これなら衣食住が賄える!でもなぁ、うーん。よし決めた、ダンジョンマスターと、夢使い。霊媒士そして錬金術師で決定!」
『では、良い来世を』
それから、目が覚めて。小さな体に驚いて、叫んでしまったのが悪かったのだろう。いきなり木々の隙間から隻眼の細い狼が、現れてそのまま追われている。あー、これは。
「自業自得だー!」「ガルゥ!」
走り回っているうちに、木々に体をぶつけ痣や切り傷が目立ち初め。そして初めて来た場所でどこをどういけば逃げられるのかを知らずに逃げ回っていたため。
「はぁはぁ、はぁはぁ」
体力の限界がやって来た。
「くそっ!こんな所じゃ死ねねぇんだよぉ!やってやる!やってやるぞ!生きれんなら魔力なんか要らねぇ!いい!全部もって行けぇぇ!!」
その時、死にたくない、と言う生存本能と恐怖による殺意が噛み合う。身体から強く溢れ出る魔力が、周囲を凪ぎ払い、分解し、腐敗させ、悪夢の様な霧が周囲を覆い、そして空間ごとねじり切った。
「は・・っははは、窮鼠だって捨て身の一つや二つ・・ってな。」




