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頭がおかしくてお金が欲しいイカれた精霊魔術師エルディア  作者: 無印のカレー
魔術学校学生

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10/10

10話 アスとカトレア

オリエンテーションが終わった。


「じゃあポチ帰ろっか。」


帰宅をかぎつけたポチが、すげえ速さで突っ込んでくる。


「うおっ!?」

「きゃあ!?」


どすん、とエルディアはそのままポチを抱きかかえ、全力でわしゃわしゃと撫で回した。


「偉いよポチ!!うおおー!!」


はっはっはっはっ


嬉しそうに舌を出すポチのよだれが、制服にべったり飛び散った。

よだれで制服はすでにびしょびしょだ。


いや、違う。


そもそもこれは、制服じゃなかった。

制服のコスプレだ。


周りの学生がぎょっとして、距離を取っていた。

ポチがぶんぶん尻尾を振り回すと、地面に罅ができる。


どごお

どごお

どごお

どごお


「おいなんか地面割れてるぞ!?」

「嬉しがるってレベルじゃねえ!」


悲鳴を聞き流し、すごく嬉しがるポチをかまい、よだれでびしょびしょになりながらエルディアは思った。


(やはり金だ。

金がないからめんどくさい事になるのだ。

金があれば教師も買収できる。

獣魔での登下校の許可も、金があれば一考はしてくれたはずだ。)


とはいえ。

とはいえだ。


(獣魔での登下校がダメなら

壁にするか。

ジャンプすればいけるだろう。

最悪ぶち抜いてでも抜け道を作ってやる。)


「校門は意地でも避ける!!!ふはははは!!」


全然こりてない、エルディアがそこにいた。



壁の目算をつけていると、校舎の裏で女子が絡まれていた。

女子生徒が数人に囲まれている。


「……」


同じEクラスだった気がする。

相手もEクラス。


さっき教室で顔を見た覚えがあった。


空気は明らかによくない。


責め立てるような声。

縮こまる少女。

逃げ道を塞ぐ立ち位置。


典型的な構図だ。

エルディアは、少し視線を逸らす。


(でも、話しかけるの気恥ずかしいなー。

シャイなんだよなー私。

基本コミュ障だし……)


向こうから絡んでくれないかなー

そうすりゃ介入する理由ができるのに


見て見ぬふりをして逃げる気はなかった。

だがいきなり殴りつけるのは、エルディアをしてさすがに避けたかった。

いよいよならやるが。


合理的な介入方法をもじもじしながら探していると──


「ねえ、何見ているの?あなた。」


──お、ラッキー。


エルディアの中で処理が切り替わる。

1番の障害がクリアされた。


「その子を呼びに来ただけだけど?

その子と遊びに行く予定があるから」


名前も知らないが。



「ねえ。聞いた?

遊びに、ですって。」


──くすくす。

取り巻きの女子も笑う。


「おあいにく様。

彼女は私達と遊びに行くんですの。

それにこの子も貴族。

あいにく、あなたのような平民とは関わり合いにならなくてよ?

でも跪ずくなら、遊んであげる。」


取り巻きも含めてやな感じだ。


「その話し方、貴族なんだ。

Eクラスって平民だけじゃなかったんだ。

貴族もいたんだねえ」


カチン。


真っ赤にしてそいつはいった。




「決闘ですわ!!!!!」



エルディアは首を傾げた。


──なんで?

「いーけど。

でも後悔すると思うよ?」


「言いましたね!!

その言葉、もう取り消せませんから!!」


「だからいーって。」


話の飛んだなー



「……ほんとに受けましたわ!!」

「平民が貴族に!!……身の程知らずにもほどがありますわね!!!」


「明日の放課後。訓練場に来なさい。

逃げたら、あなたの居場所はクラスにはない。

いきましょう、みなさま」


勝ち誇ったように言い切ると、女はくるりと踵を返した。


「せいぜい、今のうちに“現実”を噛みしめておくことね」


べー


取り巻きもそれに続き舌を出す。

笑い声だけが裏手に残った。





エルディアは手を振って見送った。


「行ったみたい。大丈夫だった?」


「ね、ねえなんでこんな事を?」


「こんな事って?」


「助けてくれたのは嬉しい!!

でもカトレアは貴族よ!

的になりでもしたら……ううん。もう手遅れよ!!」


「まーそりゃ初日からクラスがゴタつくのが嫌だっただけだけど。」


「あなた、死んじゃうかも……

う……」


彼女はよろけていた、


「私、昔から病弱で。

魔力は高かったの。

だけどうまく魔術が使えなくて……

カトレアとは昔からの付き合いなんだ。

悪い子じゃないんだよ?」


「いや、どこからどう見ても悪いやつにしか見えねー……」


「だめだよ。

死んじゃう。

今から一緒に謝れば許してくれると思う。」


「もう遅いと思う。」


「話してみるから!!

う……」


ゼーゼーしている。


弱すぎ女がいる。




明らかに辿りつけそうなかったので、医務室にぶちこんだ。


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