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君のためなら、何でもできる。   作者: 足早ダッシュマン
第4章 ─錆びし黄金時代編─
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第8話 トリックスター

※本作は一部に生成AI(ChatGPT)による言語補助を活用していますが、ストーリー・キャラクター・構成はすべて筆者が作成しています。

ご理解の上でお読みください。

1

(むかし)、ある人間(ニンゲン)出会(でお)うた。」


 世間話(せけんばなし)のように語り始(かた はじ)める。


(ちい)しゃな菓子屋(かしや)ばやっとー店主(てんしゅ)やったけど、

そん(とき)原料(げんりょう)砂糖(さとう)(たこ)うなってしもうてて(こま)っとった。」


 魔女(まじょ)たちの何人(なんにん)かが(わら)う。


「やけん(おし)えちゃったと、砂糖(さとう)()わりになるもん。」


 さらりと言う。


作り方(つく かた)も、使い方(つか かた)も、全部(じぇんぶ)。」


 ヴェラの(まゆ)が、わずかに(うご)く。


「そしたら売れに売(う  う)れて、()づいたらそん代用品(だいようひん)そのものば()(はじ)めて――」


 (かた)()らして(わら)う。


(ちい)しゃな(みせ)大企業(だいきぎょう)になった。」


 拍手(はくしゅ)(わら)い。


「まあ、()()はちょっと依存性(いぞんせい)(つよ)かもんやったけどね。」


 (かる)口調(くちょう)のまま(つづ)ける。


「まあ、こん問題(もんだい)(かね)でもみ()しぇるけん。」


 (ふたた)(わら)いが()きる。


 ヴェラだけが(わら)っていなかった。


「で、そん一族(いちぞく)()()()(なか)がよかと。」


 “仲良(なかよ)し”という言葉(ことば)に、(みょう)(おも)み。


「あんレシピ、うちが(にぎ)っとーけんね。」


 黒猫(くろねこ)は、ゆっくりと見渡(みわた)す。


「つまりはあん一族(いちぞく)(かね)も、権力(けんりょく)も、じぇーんぶ使(つか)えるってこと。」


 ざわめきが興奮(こうふん)へと()わる。


「しぇっかくやけん」


 両手(りょうて)(ひろ)げる。


「こん都市(とし)(もら)おうて(おも)いよーと」


 一拍(いっぱく)


「スマラグドスを――魔女(まじょ)による、魔女(まじょ)のための都市(とし)にする」


 歓声が爆発(かんせい ばくはつ)した。


最高(サイコー)!」

畜生(ニンゲン)使(つか)放題(ほうだい)じゃん!」

「ウケる!」


 ノリで受け入(う い)れる魔女(まじょ)たち。


「……はぁ?」


 ヴェラだけが呆れた声(あき  こえ)()らす。


正気(しょうき)かよ……」


「まあまあ」


 黒猫(くろねこ)()(たた)く。


現状(げんじょう)()しぇちゃるけん」


 (ゆび)()らすと、空間(くうかん)巨大(きょだい)なモニターが浮かび上(う  あ)がった。


 (うつ)()されたのは――豪奢(ごうしゃ)なパーティー会場(かいじょう)


 人間(ニンゲン)たちが、(なに)かに取り憑(と つ)かれたように()べている。


「ほらね」


 黒猫(くろねこ)(たの)しげに()う。


「ちゃんと()いとるやろ?」


 そのとき。


 黒猫(くろねこ)が、画面(がめん)(なか)少女(しょうじょ)()かって(かる)手を振(て ふ)った。


「そこんお(じょう)しゃん。(たの)みたかことがあるっちゃけど」


 声は届(こえ とど)いているのか、少女(しょうじょ)はすぐに反応(はんのう)する。


 優雅(ゆうが)(あゆ)()り、ひとりの(きゃく)(まえ)立ち止(た ど)まった。


 その(きゃく)は、皿に顔を近(さら かお ちか)づけるようにして(むさぼ)っている。


「……ああ、これだ……もっと……」


 少女(しょうじょ)は、にこりと微笑(ほほえ)む。


「お取込(とりこみ)(ちゅう)すみません。」


 (やわ)らかい(こえ)


「あなたの()ってる土地(とち)全部(ぜんぶ)――(わたし)たちのものにしていいですよね?」


 一瞬(いっしゅん)()


 だが、(きゃく)(かお)()げずに(こた)えた。


土地(とち)なんていらない!!」


 食べる手を止(た  て と)めず、(さけ)ぶ。


「これだけさえあればいい!!もっとくれ!!」


 笑い声(わら ごえ)が、魔女会側(サバトがわ)(はじ)けた。


「ほらね」


 黒猫(くろねこ)(かた)をすくめる。


人間(ニンゲン)って、楽勝(らくしょう)やろ?」


 ヴェラの表情(ひょうじょう)が、さらに(けわ)しくなる。


(……()わってる)


 そう(おも)った、その(とき)


 画面(がめん)(はし)に、見覚(みおぼ)えのある(おとこ)(うつ)る。


「……うげっ」


 (おも)わず(かお)をしかめた。


「なんでアイツがいんだよ」


 ロスティスラフ。


 よりにもよって、あの(おとこ)が。


最悪(さいあく)だろ……)


 そう(おも)った直後(ちょくご)


 その(ちか)くに、(ちい)さな(かげ)


 テーブルの(した)から、(かお)()少年(しょうねん)


「……は?」


 (いき)()まる。


 見間違(みまちが)えるはずがない。


「――なんでそこにいるんだよ!?」


 思わず声(おも    こえ)()た。


 息子(ユウ)


 あいつが、なぜこんな場所(ばしょ)にいる。


 偶然(ぐうぜん)なはずがない。


 ――(いや)予感(よかん)だけが、はっきりと(かたち)()った。


2

 「……ユウ」


 (ひく)く、しかし(たし)かに自分(じぶん)()()(こえ)


 ユウはゆっくりとテーブルクロスから這い出(は だ)し、そのまま立ち上(た あ)がった。


 ()(まえ)にいるのは――(ロスティスラフ)


 逃げ場(に ば)は、もうない。


「……(とう)さん」


 (みじか)沈黙(ちんもく)


 周囲(しゅうい)では、まだ(さら)(むさぼ)音や笑い声(おと  わら  ごえ)(つづ)いている。

 だがその(なか)で、この()だけが切り取(き と)られたように(しず)かだった。


 ロスティスラフは、ユウをまっすぐ見下(みお)ろす。


「しばらく、いなくなっていたな」


 淡々(たんたん)とした(こえ)


森の中(もり  なか)で、(けもの)にでも()われたかと(おも)っていた」


 その言葉(ことば)(おく)に、わずかな(おも)さがある。


「……無事(ぶじ)(なに)よりだ」


 ほんの一瞬(いっしゅん)表情(ひょうじょう)(ゆる)む。


(もど)るぞ。(かあ)さんのところへ」


(……()わるんだ)


ここまでの(たび)も、出会(であ)った(ひと)たちも。

 カケルも、ジェーンも、ケイ先生(せんせい)全部(ぜんぶ)


 ユウは(ちい)さく(うなず)いた。


 その瞬間(しゅんかん)――


 ――ぼんっ。


 (しろ)(けむり)が、会場(かいじょう)のあちこちから一斉(いっせい)噴き出(ふ だ)した。


「……っ」


 (あま)く、不自然(ふしぜん)(にお)い。


 視界(しかい)がまっ(しろ)()りつぶされる。


 (からだ)輪郭(りんかく)が、ぼやけていく。


(なに……これ……)


 (あし)感覚(かんかく)()える。

 指先(ゆびさき)が、ほどけるように()えていく。


 (こえ)()そうとした、その途中(とちゅう)で――


 意識(いしき)が、途切(とぎ)れた。


 * * *


 (けむり)が、ゆっくりと()れていく。


 (さき)ほどまで喧騒(けんそう)()ちていた会場(かいじょう)は、(うそ)のように静まり返(しず    かえ)っていた。


 テーブルの(うえ)も、(ゆか)も、椅子(いす)(うえ)も。


 そこにあるのは、(ひと)ではない。


 大小さまざまな、ぬいぐるみ。


 (とり)、うさぎ、(さかな)

 それぞれが、動物(どうぶつ)姿(すがた)()したまま、無造作(むぞうさ)(ころ)がっている。


 (こえ)はない。

 (うご)きもない。


 完全(かんぜん)な、沈黙(ちんもく)


 コツ、と靴音(くつおと)(ひび)いた。


 (けむり)(おく)から(あらわ)れたのは、ケイだった。


 眉間(みけん)(ふか)くしわを()せ、無言(むごん)会場(かいじょう)見渡(みわた)す。


 (ころ)がるぬいぐるみの(ひと)つを、足先(あしさき)(かる)(ころ)がした。


 反応(はんのう)は、ない。


「……最悪(さいあく)だな」


 (ひく)吐き捨(は す)てる。


 その視線(しせん)が、ひとつのぬいぐるみに()まる。


 (しろ)いカエルの姿(すがた)()した、(ちい)さなそれ。


 そして、その(となり)(ころ)がる、(くろ)いヘビのぬいぐるみ。


 ケイは一瞬(いっしゅん)だけ()(ほそ)めたが、すぐに表情(ひょうじょう)()した。


 静寂(せいじゃく)(なか)(かれ)だけが()っていた。

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