チートな人が増えました
10秒という時間はとても長く感じた
お互い、顔を離して見つめ合う
2人とも顔は真っ赤だった。
「これで契約は完了したのかな?」
ハルカに聞いてみる。
「うん、多分だけど完了していると思う。
さっきと全然違う感じがするもん
「じゃあ、魔力も完璧に扱えるはずだから鑑定を使って自分を見てみるといいよ」
「うん、わかった『鑑定』」
ハルカはしばらく自分の能力を確認していた。
「うわ、何これ〜インチキすぎるでしょ
私もチート無双に憧れてたけど、これは…
武術の極みと魔術の極みだけで無双できるじゃない…」
チート無双に憧れていたってハルカもこっち側の人間だったんだな
「とりあえずこの世界の説明をしないといけないな」
『マスターそれについては私にお任せください』
「うわっ!頭の中に急に声が聞こえてきた⁉︎」
『はじめまして。ハルカ様、私はマスターをサポートする、スキル ナビゲーションのアイと言います。よろしくお願いします』
「は、はい、よろしくお願いします」
「あれ?アイ、なんでハルカとも喋れるの?」
『ハルカ様はスキルを共有されて、ハルカ様もナビゲーションのスキルを得たので私もハルカ様と会話することができるようになりました。』
ふーん、そんなこともできるんだ
「じゃあ、アイお願いしていいか?」
『了解です。マスター』
「わかった。じゃあハルカこの世界のことはアイに聞いてくれ」
「うん、わかった」
「じゃあ、行こうか。今、人を待たせてるんだ。歩けるか」
「うん、だいじょう・・・いや、やっぱりおぶってもらっていい?」
「え、スキルもあるから体力も上がって普通に歩けると『おぶってもらっていい?』…はい」
笑顔で言われて何も言えなくなった
女の子って怖いな
「ねぇレンくん、なんか失礼なこと考えてない?」
そうハルカが笑顔できいてきた。
え⁉︎なんでわかるのこわいこわいこわい
「いや、なんでもないよ」
俺はなんでもないように装い、ハルカをおんぶした。
俺は2度とハルカに勝てないなと思いました。
「ふふふ〜ん♫」
なんかハルカがとても上機嫌だ。
「じゃあ、ハルカ人待たせてるから急ぐよ」
そう言って俺はクイックの魔法をかけて駆け出す。ハルカは周りの景色を見てとても驚いている。
「ね、ねぇレンくん。なんか周りの景色がおかしんだけど⁉︎」
「俺の属性魔法の時空魔法のクイックを、使ってるんだよ。俺とハルカの時間が早くなってるんだ」
「そんな魔法が使えるの⁉︎私もできる?」
「いや、ハルカの適正は水だから無理みたいだね」
「そっかー残念」
ハルカはそんなことを言いつつも全然気にしていないようだ________________________________________
しばらくして俺とハルカはレーニンのところに到着する。レーニンもこちらに気づいたようだ
「すいません。レーニンさんお待たせしました」
「いえ、大丈夫ですよ。お疲れ様です。逆に盗賊のアジトを殲滅してきてこの時間って…すごいですねレンさん。おや、彼女は?どうやら奴隷のようですね」
レーニンさんはハルカに気づき、俺に聞いてくる
「盗賊のアジトでとらわれていたんですよ。なので助けてあげたんです」
俺はレーニンさんにそう答える
てか、ハルカ奴隷だったのか?
『マスター、ハルカ様の首をご覧ください。あの首輪が奴隷の首輪です』
俺はハルカ様の首元を確認する。ほんとだ首輪がついてる。あ、ハルカ奴隷なら俺はレーニンさんにお願いしてみる。
「すいません、レーニンさん。お願いがあるのですが、彼女は俺の奴隷というか家族にしようと思うのですが、奴隷の解放をして欲しいんです」
俺はレーニンさんにダメ元で聞いてみる
「はい、それぐらいなら構いませんよ。今から解放しましょうか?」
レーニンさんはそう聞いてくる。
「いや、できればレーニンさんのお店でお願いしていいですか?実は盗賊がおかしな話をしていまして、彼女はマルセルの街の貴族に買われる予定だったようなんです。だから難癖つけられる前に奴隷から解放してあげたいのですが、俺は今まで森の奥で修行してたのに奴隷を持ってたら怪しまれるでしょう?」
俺は自分の考えをレーニンさんに話した。
「たしかにそっちの方がいいかもしれませんね」
レーニンさんも俺の意見に賛成してくれた。
「でもいいんですか?私が裏切るかもしれませんよ」
レーニンさんは俺に尋ねてきた
「そんなことを聞いてくる時点であなたは大丈夫でしょ。てか、盗賊を1人で殲滅してくるような奴にあなたがそんなバカなことをするとは思えないのですが」
俺はそう答えると、レーニンは「たしかに」と答えた
「とゆうとこでハルカ、街まで我慢してくれるか?」
「えー離れたくないよ」
そう言ってハルカは顔を俺背中につけて甘えてきた。
いや、嬉しいんだけど。状況考えて!
「仲がよろしいんですね〜」
そうレーニンさんは笑顔で言ってくる。
「お願いハルカ」
俺がそうお願いするとハルカは渋々俺の背中から降りてくれる。
「じゃあレーニンさんお願いします」
そう言ってハルカを他の奴隷たちと一緒に檻の中に入れる。
「じゃあマルセルの街まで護衛をお願いします」
俺はレーニンさんに頷き馬車の横を並走する。
『ハルカは今のうちにアイからこの世界のことについて聞いといてくれ』
『うん、わかった』
『了解しました。マスター』
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2時間ほど進むと城壁に囲まれた街が見えてきた
あれがマルセルの街かーでかいな
俺はそんなことを思いながらレーニンさんと列を並ぶ。しばらくすると自分たちの番になりレーニンさんは身分証を見せて先に入ってき、次は俺の番になった。
「おい、お前!身分を証明できるものを持っているか?」
門番はそう尋ねてきた
「すいません、何も持っていません。今まで森の奥で暮らしていたものでして」
俺はそう答えると門番は何やらペンダントのようなものを出した。
「すまんがこれに手をかざしてくれ」
「これはなんですか?」
俺がペンダントについて尋ねると門番は優しく答えてくれた
「これはペンダントに触れた相手が犯罪者かどうかを判別してくれる魔道具なんだ。悪いが犯罪者だった場合は通すことができないぞ」
門番は冗談を言う感じで俺にいってきた。
俺は犯罪を犯したつもりはないので安心してペンダントに触れた。
「よし、大丈夫なようだな。じゃあ入場料で銀貨3枚だ」
俺はアイテムボックスから盗賊から奪った銀貨を門番に渡す。
「早く住民登録証か、冒険者ギルドか商人ギルドで身分証を作ってもらいといい」
門番はそういって俺を街の中に入るように言った。
「ようこそマルセルへ!」
門番の人がそう言って、俺は門をくぐった。
ハルカちゃんもチートな人になっちゃいました。