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Sugar☆sugar time

PV 20000とか…(ρ_;)


お気に入り登録して下さっている方も……。


ありがとうございますぅー(ToT)

感激です……。


そんな感じでまた番外編作ってしまいました。


美妃はまだイギリスにいます。


翔太と雪姫はまだ籍は入れていませんが、甘ラヴな日々を過ごしています。


雪姫は翔太の事を「翔」と呼んでいます。


名前を覚えるのが苦手、というわけではない雪姫が唯一あだ名で呼ぶのが翔太です。


…では、本編へどうぞ♪

それはまだ、雪姫と翔太が二年の頃。


生徒会としては、まだ玲生はいないものの、それでもかなりの人気をはくしていた。


翔太にとって、雪姫と両想いにやっとなれた幸せな時。


……そいつは、フラフラ〜っと現れやがった。


♪♪♪


カチカチカチカチカチ。ガチッ。


面白くない。


カチカチカチカチカチカチ。


ほんっとうに面白くない。


翔太は出来るだけ明るく雪姫を振り返った。


「お昼ご飯食べよ?」


ソファで楓と楽しそうに談笑していた雪姫は翔太に頷いて微笑んだ。


……きゅん。


もうこの微笑みが見れるだけで俺が生きている理由になるというのに。


なに?そいつ。


まぁしかも、雪姫の隣で弁当まで広げやがって。


間に割って入ろうにも、あまりに楽しそうに話してるから、俺は雪姫の隣に行ってそいつを睨むのに精一杯だった。


雪姫は今やっと気が付いたという様に俺にそいつを紹介した。


「あ、翔?こちら木崎楓君。今日転校してきたの」


「よろしくお願いしますッスー」


俺は出来るだけ自然に微笑んだ。


「だれ?」


来客なんて聞いてない。


「だから木崎楓君だってば」


「うん、名前は分かったから。なんでここにいるの」


雪姫は苛々オーラ全開の俺を不思議そうに見詰め、普通に口を開いた。


「私が預かる事になったのよ?友達に頼まれて」


「……はい?え、ちょっと待って。預かる?なんで?いや何のために?」


「本当にご迷惑をおかけして心ぐるしいんスけど… 」


「いま雪姫と話してんだよ」


雪姫は弁当のオカズを口に運びながら眉をひそめた。


「翔、なんか変よ?仲良くして」


「けど…」


「とにかく、楓君はうち(生徒会)でしばらく預かるから。部員にはしないけど雑用をやってもらうつもり」


雪姫に微笑みかけられ真っ赤になった楓は大きな返事をした。


「俺、頑張るッス!」


「………」


無意識に俺は楓を睨んでいたらしい。

雪姫が疲れたようなため息をついた。


「もう。楓君のこと翔に頼もうと思ってたのに。いいわ、棗に頼むから」


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「なんなんだあいつ…」


棗は不憫な眼差しで翔太を見た。


「お前、一人っ子やからなぁ…。先住猫みたい」


「……あいつ、あの後も雪姫と楽しそうに学校見物〜って散歩行きやがった。アドレスまで交換してたし」


「散歩、付いていけへんかったん?」


「仕事があったんだよ………」


あの笑顔で「頑張ってね」って言われると……。


従うしか無いじゃん?


ふぅん、と軽く相づちをうった棗はポン、と手を打った。


「そうや俺、雪姫さんに買い物頼まれててん。お前のせいで楓君も頼まれるし。仕事いっぱい。じゃ、ちょお行ってくるわ」


「………………」


はぁー。


我ながら嫉妬とか……。


ガキかって。


でもさ。好きなんだし、俺だけを見てて欲しいのは当然なんじゃないのかねー…。


うとうとと屋上で微睡んだ俺の鼻を、なにか柔らかいものがくすぐった。


「しょーお」


目を開けた俺に、雪姫の怒った顔が飛び込んできた。

結んでいない長い髪が一筋、風で俺の顔にかかる。

笑ってその髪を片手で押さえながら、俺の隣にしゃがみこんだ雪姫は少し不機嫌な顔で俺の顔になにかを付けた。


ひんやりとした雪姫の手に、俺は瞬いた。


「なに?」


「化粧水。少し日焼けしてるわ。赤くなってるわよ?」


雪姫は、こんなとこで寝るなんて何考えてんのかしら、と眉間にしわを寄せながら俺の頬をペシッと軽く叩いた。


「終了」


「…サンキュ。……雪姫」


「なによ?」


「キスしていい?」


は?と目を見開いた雪姫に唇を押し当てる。


「………め、閉じて」


「っ……」


やっとのことで唇を離した俺を、雪姫は真っ赤な顔で軽く睨んだ。


「……ここ、学校よ?」


変なとこで真面目なんだから。


「いいじゃん。生徒会長だし俺」


「意味わかんない……」


また、雪姫に唇を近づけた瞬間。


屋上のドアが勢いよく開いた。


「翔太さんいますかー?………って、あ、雪姫さんも」


「………翔」


驚いて離れようとする雪姫を抱き締めた俺に、楓は呆然と後ろにいた棗を振り返った。


棗は頭をかいている。


「翔太探してたら雪姫さんもいたとはなぁ……」


おろおろしている楓に、俺はニッコリ微笑んだ。


「よ。雪姫は俺のかの」


「あー!!」


楓は俺たちを指差し満面の笑みを浮かべた。


「付き合ってらっしゃるんスね!いやー、羨ましいなぁ」


「………は?」


ちょいっと俺を見上げた雪姫は意地悪そうに笑った。


「楓君には可愛いフィアンセがいるのよ♪紫紅ちゃんっていうんだけど、その娘から頼まれたの。変な虫が付かないように、預かって下さいって」


「な、なんだよそれ…」


俺は雪姫にもたれかかった。

なんか胸がほわっと一気に軽くなる。


「うふふ、嫉妬してくれた?」


「………してないし」


「してたわよ」


「してたやん」


雪姫と棗のからかうような口調に思わず唇が尖る。


「してないしっ」


ただ一人、楓だけは何の事を言っているのか分からないようで、首を傾げていた。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


帰り道。

ふたりで並んで歩きながら、雪姫は少しうつむいた。


「………ごめんね?」


「え?なんで?」


すいっと俺の目を見詰めた雪姫の薄い茶の瞳に吸い込まれそうになる。


「……させないでね?」


「え………」


「今日、私が翔の立場だったら、楓君の首絞めてると思ったの。私は今日、翔に嫉妬されて嬉しかったけど、翔はしないでね?」


………こういう、可愛いこと言う。


「しないです」


「約束ね?」


「あ。雪姫もすんなよ」


雪姫は楽しそうに微笑んだ。


「りょーかい♪」


夕暮れで、俺と雪姫の影が伸びる。


茶色い髪を指に絡めながら、俺は、普通に、この幸せな時間がいつまでも続く事を、信じていたんだー…。


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